
2010年11月14日 (日)
すっかり更新をサボっておりました。皆さん、申し訳ありません。
さて、さっそく Q & A コーナーを掲載いたします。こちらの返事もかなり遅くなってしまっていてごめんなさい。
A
ディクテーションは、ラジオ英会話に慣れてきて、ある程度文法の勉強をやった後に始めた方がいいですか?文法の基礎が分かっていないと相当難しいような気がするのですが...。
Q
ディクテーションはラジオ英会話に慣れてきて口がなめらかに回り始めた頃にスタートすると良いかもしれません。文法をおさらいしてからではなく、ディクテーションを文法のおさらい道具に使うと有効的でしょう。つまり、文法の基礎を勉強するためにディクテーションをするのです。
ディクテーションをしていると必然的に文法が見えてきます。例えば、many ときたら次に続く動詞は複数になるはずなのです。many book と書き取ったとしても、many の後は複数だよな、ともう一度耳を傾けると、many books と最後の s が聞こえてきます。
それから I study English yesterday. と書き取ったとします。でも yesterday と言っているのだから studied と言っています。さらに、I've ときたら、次にくるのは過去分詞のはずですね。
何度かお伝えしてきていますが、ディクテーションは完璧にやる必要はありません。私のディクテーションノートは最初、穴ぼこだらけでした。わからないところはカタカタで聞こえた通りに書いておきます。あとで辞書でピタリとくる単語を探し出せたときは、ジグゾーパズルのピースが見つかったときのような快感があります。
この快感をたくさん味わうと良いのかもしれませんね。
もうひとつ発音に関する質問がありましたが、それは明日のブログで掲載いたします。
皆さん、いつもありがとうございます。
2010年11月15日 (月)
Q
発音練習につい教えてください。佐奈恵さんは、ラジオとは別に発音の練習されましたか?ラジオのモデル音声に近くなるように、何度も練習していますが、どうしても難しい発音があります。ラジオとは別に、発音の教材などで練習した方が良いのでしょうか(発音記号も完全には理解していません)?一応、佐奈恵さんの本に書かれてある「5つの発音」は気を付けてはいますが、まだまだ未熟です。
A
本を読んでくださってありがとうございます。
私は、発音練習の教材は特に使ってきませんでした。NHKのラジオ講座を利用して限りなくモデル音声に自分の声を近づけました。それが私の基本練習です。実にシンプルで簡単なものです。ただし、毎日練習しました。
さて、発音というと皆さん、個々の音を気にされるようですが、英語は実は個々の音というよりも、音と音の連結によってつながったり消えたりしてしまう音、リエゾンや、イントネーション、声の上がり下がり、リズムが大事だと思います。
どうしても難しい発音ありますよね。そんなときは、誰か発音できる人に肉声で教えてもらうと、わりと早くマスターできるんですけどね。なぜか、ラジオやCDでわかりにくい発音も目の前で人が発音してくれると、すんなりできたりするものです。
それに人に聞いてもらうと、どこが違っているのか比較的簡単に発見できます。大抵は口の形や舌の位置を直すだけですんなり発音できたりもします。自分の音声を録音して、モデル音声と聞き比べるのもいいかもしれません。
発音記号を理解していなくても大丈夫です。書かれている発音記号通りに聞こえてこない場合もたくさんあります。リエゾンが起こったときなどは発音記号はもはや関係なくなってしまいます。発音専門の本や教材、ご興味があるのなら読んでみるといいと思いますが、無理をしてまでやらないといけないものではありません。
焦らず、うまくできない部分は飛ばしていきましょう。そのうちできるようになりますよ。
2010年11月16日 (火)
Q
ネイティブの人は、話す相手によって、英語の表現、話し方を変えているのでしょうか?例えば、ラジオの英語番組や英語ニュースなどは、完璧ではないけれどある程度理解できるのですが、電車の中で聞くネイティブどうしの会話などは、最初からまったく分からない事があります。
例えば、岩本スーザンさんのいろいろな番組での話は、不思議と分かるのに、映画のシーンの会話はまったく分からない場合が多いです。海外での経験がないので、やはり国内での経験だけでは、海外では通用しないのか心配です。今まで会話できていたのは、相手がレベルを落として、合わせてくれていたんでしょうね。もちろん、バックグラウンドの文化・風習を理解していない事もあると思いますが......。
A
実はネイティヴたちは、話す相手によって話すスピード、内容、使う単語を変えているのは事実です。
目の前に日本語を勉強している外国人がいたとします。あなたはどのように話しかけてあげますか?もちろん、相手の日本語力にもよりますが、比較的ゆっくりと簡単でわかりやすい日本語表現だけを使おうとしませんか?この逆パターンが起こっているわけです。
自分の英会話の先生の話はわかるのに、先生が変わるとわからなくなってしまうということがあります。それは慣れがそうさせるものです。ですから比較的いろいろな外国の方と話をする機会を持って欲しいとの思いで English Cafe をオープンさせました。チャンスがあれば気軽にいろいろな国から来た人と話すといいと思います。
英語の先生の話す英語は比較的わかりやすいです。日本人のわかる英語をよく知っているからです。日本に長く住んでいる外国人も同じです。彼らの悩みは、時々自分の国に帰ったときに、「どうしたの、その英語、ちょっとおかしくなっていない?」と言われることだそうです。日本人向けに微妙に英語が変わってきてしまった結果と思われます。
映画やTVドラマの英語が聞き取れないのは、それが外国人を意識していない英語を使っているためです。私たちが友達と話をしているところを考えれば容易に想像できるかもしれません。例えば、下記の会話、日本語を勉強している外国人にわかるでしょうか?
「きのう自転車パクられちゃってさ、何か、ダサいなと思ったんだけど、時間に間に合わないといけないから、お母さんのママチャリ借りてきたんだ。」
「へー、そりゃ、まいったね。でもそのチャリ悪くないよ。ま、そんなのもアリだよ。」
「ねえねえ、あの前から来る人見て!やばくない?」
「やっばぁ~い!ちょっとぉ!シビレちゃう!」
「パクられる」「ダサい」「ママチャリ」「まいった」「そんなのもアリ」「やばい」、これらは決して教科書には出てこない言葉でしょう。「やばい = 格好良い」という意味合いで今も話されているのかどうかはわかりませんが、言葉はこのように生きているもので、その時代や話す年齢層によっても変わってきます。この現象が起きているのが映画やTVドラマです。
だから、私たちにわからなくて当然です。私は日本に住んでいる外国人と話をするだけでは自分の英語力を伸ばすのに限界を感じ、Tokyo Free Guide というところに所属し、世界のいろいろな国から来る人と話すチャンスを作るようにしました。日本人の英語を意識しない容赦ない英語に触れるためにです。
でもね、世界のいろいろな人と話をすればするほど感じることがあります。それは、世界にはさまざまな英語がある。一番大事なことは気持ちを通じさせるということで、語学力ではないということです。英語はあくまでも世界の人たちと話をする道具であると考えたとき、その道具はそんなに精巧なものにしないといけないでしょうか?ボクトツで多少不恰好なものであったとしても、そんなに問題はないのではないでしょうか?
それよりも、相手を思いやる気持ち、自分と違う文化や習慣を理解する心、そんなことのほうが大事なのではないかと思う今日この頃です。
ところで、岩本スーザンさんの話がわかるなんて素晴らしいですよ。スーザンさん、結構容赦のないスピードで話していますから。
2010年11月27日 (土)
久しぶりの 『これって英語で何ていう?』 のカテゴリーです。
先日、ある人から聞かれました。
Q
コンビニで外国人のお客さんにむかって 「(お弁当を)温めますか」 と店員さんが話しかけているのを耳にしました。英語だとどうなるのでしょう? Can I heat the dish? で通じますか?
A
はい、もちろん通じますよ。その他に下記のような言い方もありますね。
Would you like me to heat this up for you?
(こちら、温めましょうか?)
Do you want me to warm that up?
(それ、温めようか?)
お店などで店員さんがお客様に向かって言うのなら上がいいかもしれませんが、お友達が家に来て、「それ冷めちゃったね、温めようか?」 と言いたいときなら下記もよく使われているようです。
Do you want me ~ なんて言い回し、直訳すると、「あなた私に~して欲しい?」 となるので日本語からするとちょっと考えにくいのですが、どうやら、自然な言い回しのようです。
さて、聞かれたら答えは......
Yes, please. (はい、お願いします)
No, thanks. I'll eat it at home. (いいえ。おうちで食べるから)
No, it's fine. (いいえ、結構です)
ちなみに、日本語の電子レンジで 「チンする」 という表現、nuke (ヌーク)というらしいです。nuclear (核兵器) から派生した言葉のようです。
Do you want me to nuke it, honey? (それチンしようか、ハニィ~?)
なんて言ったりするんですかねえ~。誰か私の心も温めて~♪
2010年11月28日 (日)
Q
英語の語順のまま理解することは、聴く・読むの段階ではできるようになったと感じていますが、私の頭の中では、英語の語順で日本語に翻訳してしているように感じます。翻訳しないようにするにはどうしたらよいのでしょうか。例えば、多くの人は、Yes. No. Thank you. ぐらいは一々翻訳してはいないと思うのですが。
A
英語の語順で翻訳しているということは、英語が英語のままわかっている証拠です。さらに、瞬時に通訳できるところまで技術が追いついているということです。すごいですね。
日本語を頭の中から消したいのであれば、頭の中に絵を描くといいような気がします。例えば、次のセンテンスを読んでみましょうか。
The couple leaned over the table, with their foreheads almost touching, and began the most important conversation of their lives.
これを読みながら、ひとつのテーブルで恋人同士が向かい合って座り、おでことおでこがくっつくくらいに顔を近づけている。そして、これからふたりの将来にとってとても大事な話をしている。プロポーズか何かの話かな? なんていうことが想像できればバッチリです。
カップルがテーブルを挟んで前にのめりこむように座っているぞ。
ふたりのおでこは今にもくっつきそうであります。
おや、何やら男女は大事な話を始めましたよ。
どうやら、彼らの人生に関わる重要な話のようであります。
さあ、耳を傾けてみましょうかぁ~。
なんて実況風景風に想像して、後に続く文章はどのような展開になるのだろうと期待するのも悪くないですね。
文字を思い浮かべるのではなく、絵を描く。そうすると英語が英語のままで楽しめるような気がします。でも、ご質問者さんの場合、今のままでもまったく問題ないと思いますよ。あとは今やっていることを続ければいいだけです。
英語、楽しみましょうね♪