2010年3月 2日 (火)

*29* 山下結穂のドイツ語日記

ベルリナーレ・タレントキャンパス
 ベルリンで毎年冬に開催されるベルリナーレ映画祭。この映画祭のイベントのひとつにあたるタレントキャンパスは、映像制作に情熱を注ぐ才能たちに開かれた学校のようなもの。
 なんだか、とっても嬉しかった。なんたって、世界中から集まった才能と、彼らが持ち寄った新しいアイディアに触れられ、それに参加できる機会を得ることができたから。
 でも驚いたな。なんとなく知ってはいたけど、日本文化に興味を持って、日本についての映像を制作しようとしている制作者がこんなにいたとは・・・。ある人は日本独特の風景を収めた映像や写真を作品に仕上げようとし、また別の人は、ラッパーであり、また同時に銭湯のあととり息子の人生をショートムービーにするなど様々。実際に作品を観させてもらったけど、ラップという日本には存在しなかった文化と、銭湯という日本人には馴染み深い文化が融合されていてとっても新鮮だった。ただ、世界の人達からこの文化がどう認識されるのかは想像がつかない。あるイギリスから来た映像作家はオタクの世界に興味を持ち、その本質を映像化しようとしていた。いわゆるサブカルチャーといわれる世界。正直、サブカルチャーが日本文化の全てだと思われるのが少し悲しかった。もちろんこの日本独特の文化は、日本人特有の精神的繊細さと、とことん何かを突き詰める日本人の性質が生み出した産物だと思っている。実際オタクというのは、ある事柄に人生の全てをつぎ込んでしまうぐらい惚れた結果、その分野のプロフェッショナルになった人達のことを指しているのだと思う。(つまり私は、ドイツオタクの卵ということになるのかな?)ただ、一般的に言われるアニメオタクやコンピューターオタクの人達の姿かたちが、今までに無く目新しいものだったゆえに、スポットが当てられたまでのこと。もしこの文化が、その映像作家の手によってさらに世界に発信されていくのなら、かれらの真の姿を描写してほしい!


 また別の新しい出会いもあった。今まで未知の世界であったドイツの芸能業界。今回初めて、多くの役者や芸能事務所で働く人と知り合うことが出来た。そこで感じた。ドイツの役者に求められているのは、見た目ではなくザ☆演技力。だからぱっと見で役者を判断せず、今までの経歴や、芝居の質を見て役者の質を見極める。それゆえにドイツの演劇界で働こうとすると、実際プロフィールと言われる「紙」のみでなく、いままでの作品をまとめた「映像特集」のようなものを用意しなければならない。それによって、才能や能力が認められれば映像制作に役者として関わることができる。たぶん、これが演劇界のあるべき姿なのかもしれないのだけれど、逆に言えば...厳しいぞ!


 こんな、今までの慣れ親しんだ世界とはかけ離れた世界で、自分に何ができるのか、むしろ何ができるのかは謎だけど、思う存分戦って、粉々になってみようとおもう。(怖)



カテゴリー:  |  前のエントリー  |