阿野幸一先生に聞く「電子辞書「ブレーン」の学べる機能で使える英語を身につけよう!」〜エクスワードなら楽しみながらグングン!英語力アップ!

「調べる」はもちろん、「聞く」「話す」「読む」「書く」コンテンツが盛り込まれたシャープの電子辞書「ブレーン」。この「ブレーン」を使った効果的な英語学習法について、2015年度NHKラジオ「基礎英語2」の講師、阿野幸一先生に直撃しました。電子辞書「ブレーン」は英語を学ぶすべての人々の強力なツールになりそうです。

一括検索・例文・ジャンプ機能を使いこなそう!

単語の本質をつかむために例文検索しよう

辞書を引くとき、単純な訳語だけを見ている人が多いようです。でも、それだけでは単語の本質はつかめません。

実際、“make”の場合、「作る」という部分だけを見ていたのでは、意味がとれないことがあります。しかし、例文を読むことで単語の意味がとれ、本質がつかめてくるはずです。“make”には、「あるものに力を加えて違う状態を作り出す」というニュアンスがありますので、例えば、“My mother made me go shopping.”という文は「お母さんが私に圧力を加えて、買い物に行かせた」に、“I made this desk.”は「私が木に力を加えて机を作った」となります。

このように単語の本質をつかむためにも、例文をたくさん読むことはとても大事です。この点、電子辞書はとても便利ですね。複数の辞書を一括検索して例文検索ができ、また沢山の例文を読むこともできるので、私は高校教師時代に、英作文のクラスでは電子辞書を使うように生徒たちに言っていました。

和英→英和→英英を自在に使おう

英作文の学習では、ジャンプ機能が便利です。日本語を英語にするときには和英辞典を使いますが、そこで出てきた単語にジャンプ機能を使うと、英和辞典で調べ、さらに英英辞典でも確認することができるので単語の理解が深まります。

和英→英和→英英と渡り歩くことができるのは本当に便利です。特に、この「ブレーン」なら1つの画面上に2つの辞書を並べて見ることができますし、発音記号を確認しながらネイティブ音声が聞けるので、さらにわかりやすいですね。

  • 一括検索画面
    全搭載コンテンツから一括検索。ネイティブ音声による読み上げ機能もあり。
  • 例文検索画面
    例文もすべての英語辞書から検索できる。
  • Sジャンプ機能画面
    説明文の文字からさらに検索できるSジャンプ機能。まるで2種類の辞書を並べているかのような画面がわかりやすい。

「基礎英語」でピクチャー字幕リスニングにチャレンジ!

細部よりもまずは概要をつかもう

「ブレーン」には「基礎英語」のコンテンツも入っていますので、ぜひこのコンテンツを使って「ピクチャー字幕リスニング」で勉強してほしいと思います。

おすすめの学習法は、まず、イラストだけで英語を聞き、だいたいの意味をつかみます。完璧に聞き取る必要はありません。初心者の方は、一語一語聞き取ろうとして、考えているうちにどんどん話が進んでいって、結局わからなくなってしまいがちです。わからない部分が多少あっても、概要をつかむことが大事なのです。

例えば、“I get up at seven every morning.”の「ゲラッ」が聞き取れなかったとします。でも、イラストを見ると目覚まし時計を持っていますし、「毎朝7時に……」と言っているわけですから、なんとなく意味がわかります。そのうえで、今度は英文を見て確認します。すると、「ゲラッ」と聞こえていたものが“get up”だったことがわかります。

目標は日本語字幕だけで英語を言えるか

どんな言語習得でもそうなのですが、まずは音声から入って、そこから文字を覚えることがとても重要です。赤ちゃんが言葉を覚えていくのと同じ方法を使うわけです。

耳で聞こえたものを文字で確認できたら、次はシャドーイングです。音声に合わせて自分で英語を声に出してみましょう。“get up”が「ゲラッ」だということがわかっているので、無理なく発音できますね。最終的には日本語の字幕を見ながら、英語を言えるようになれば、英語力がグンとアップすると思います。

2014年度の「基礎英語1、2、3」1年分のストーリーが入っているというのも嬉しいですね。通学・通勤の合間に、ストーリーを楽しみながら、一気に聞き通すこともできますね。「ブレーン」のタッチペンスタイルなら電車の中でも楽に使えますし、格好もいいですね。

  • ピクチャー字幕リスニング画面
    絵だけ、絵と字幕、字幕だけと表示を切り替えられる。音声速度を変えることもできるが、「できれば通常のスピードで聞いてほしい」と阿野先生。
  • 字幕を見ながらシャドーイングするときは、自分がついて行けるスピードからスタートして、徐々に早くしていく方法がよいそうだ。
  • 字幕を日本語にしてスピーキングに挑戦できる。

単なる辞書ではなく「楽しんで英語を学ぶ」ツールですね

英語を英語のまま理解しよう

「100万語多読」という言葉を聞いたことがある方は多いかもしれません。これは「100万語読めば、英語がスラスラ読めるようになる」ということです。この「ブレーン」には「OXFORD BOOKWORMS」が入っていますから、たくさんの英文に触れてください。

英語の読み物を読むときは、ぜひ自分のレベルよりも易しいところから読んでもらいたいと思います。難しい英文だと、構文を考えたり、日本語に置き換えたりしてしまいがちですが、これはあまりよくない勉強法です。むしろ、頭の中で日本語に置き換えることなく、どんどん読んでください。電子辞書ですから、すぐに単語を引きたくなるかもしれませんがそこはガマンして、「こういう意味なんじゃないかな?」と想像しながら読んでいく。いくつもの読み物を読み進めていき、何度もその単語が出てきてから、はじめて辞書を引いてください。これを繰り返すことで自然と英単語も身についていきます。

ゲーム感覚で発音をマスターしよう

「ブレーン」には、ATR CALLシリーズというアプリも入っていますが、自分の発音を録音できて、それを採点してもらえるという仕組みは面白いですね。日本人は、英語を声に出すことを恥ずかしがる人が多いのですが、このような仕組みがあればゲーム感覚でチャレンジしやすいと思います。

なんだか、「ブレーン」は、辞書を引くという基本機能ももちろん充実していますが、「楽しんで英語を学ぶツール」といった感じがします。これはもう、電子辞書というより、英語コンテンツの集大成と言えるのではないでしょうか。

  • OXFORD BOOKWORMS
    初級者から上級者向けにレベル分けされた豊富な読み物がズラリ。辞書を引かなくても読める程度のレベルからスタートするのが、阿野先生のおすすめ。
  • ATR CALL 「発音練習」画面
    お手本をまねて「ブレーン」に向かって発音すると、正しい発音かどうかチェックのうえ、採点してくれる。ゲーム感覚で学べます。

英語の上達に才能は必要ありません

英語は使って覚えよう

私は、英語の勉強法を説明するときに、よくスマートフォンの使用法に例えます。スマートフォンを使いこなすためには、説明書を全部読むより、使っていくうちになんとなく覚えていく方が多いと思います。英語の勉強法もまさに同じで、「使って覚える」ことがとても大事です。

では、私たちはどのように英語を使えばいいのでしょうか?

いつでも聞ける家庭教師「ブレーン」

「ブレーン」には、たくさんの英語コンテンツがありますから、まずはこれらのコンテンツを楽しむことから始めたほうがいいでしょう。「基礎英語」や「リトルチャロ」、「OXFORD BOOKWORMS」など、豊富なコンテンツを楽しみながら、単語がわからなければジャンプして検索する、文法がわからなければ搭載されている参考書で確認する……いつでも聞ける家庭教師をそばに置きながら、英語を身につけていく。そんな使い方ができると思います。

英語の上達に、才能は必要ありません。誰でも正しい勉強法に時間を費やしさえすれば、頑張っただけの成果が上がります。「ブレーン」で、楽しく英語を勉強してくださいね。

阿野幸一

プロフィール
埼玉県出身。文教大学国際学部国際理解学科教授、同大学院国際学研究科教授。専門は英語教育(主に中学校・高等学校での指導方法)、応用言語学。英語授業研究学会理事、環太平洋応用言語学会(PAAL)会長。
主な著書に、文部科学省検定高校教科書『All Aboard! Communication English Ⅰ・Ⅱ』(共著・東京書籍)、文部科学省検定中学教科書『NEW HORIZON English Course1・2・3』(共著・東京書籍)、『日々の英語授業にひと工夫』(共著、大修館書店)、『みんなの楽しい英文法〜「スタンプ例文」でわかる英語の基本』(NHK出版)など多数。県立中学、高等学校で長く教えた経験を持つ現場のプロフェッショナルで、英語好きの生徒をつくる授業には定評がある。趣味はテニス。