★昨日に続き、весь(すべての)の格変化を調べてみる。
とりあえず主格「~は」と対格「~を」だけ。
【男性単数形】主格 весь мир(全世界)
весь Пушкин(プーシキン全作品)
対格 весь мир ※不活動体:対格=主格
всего Пушкина ※活動体:対格=生格
【女性単数形】主格 вся страна(全国)
対格 всю страну
【中性単数形】主格 всё тело(全身)
всё【名詞】(すべて)
対格 всё тело ※※対格=主格(不活動体、活動体とも)
всё【名詞】
【複数形】 主格 все книги(全ての本)
все люди(全ての人びと)
все【名詞】(全員)
対格 все книги ※不活動体:対格=主格
всех людей ※活動体:対格=生格
всех【名詞】
※活動体とは人や動物、昆虫など、活動(動き)があるもの。
対格では、名詞が不活動体か活動体かによって形が変わる。
★不活動体と活動体の例
яблоко(りんご) дерево(木) гриб(きのこ) икра(魚卵) яйцо(たまご)…不活動体。
личинка(幼虫)活動体。планктон(プランクトン)不活動体。медуза(クラゲ)活動体。
プランクトンとは浮遊生活をする動植物のことで、大きなエチゼンクラゲも含む。だが、一般には顕微鏡下でしか動きが認められないと誤解されているせいか、不活動体。活動体は「いる」、不活動体は「ある」と表現できる、ともいわれるが、プランクトンは集合的な概念なので、少なくとも「いる」とは言わないようだ。
神様богは生きてはいない気がするが、人格を持つので、活動体。
「神を」бога 「あなたは神を信じますか」Вы верите в бога〔対格〕?
※※なぜ中性名詞では活動体でも対格=主格になるのか。「中性名詞には活動体名詞はない(ごく僅かな例を除いて)。」と辞書の解説にある。中性名詞には活動体がとても少ないから、ぜんぶ不活動体扱いで、対格=主格なのだな…、と納得する。(ただし、これは単数の場合。複数になるとちゃんと活動体はそれらしく扱われる。つまり対格=生格となる。これは犬собакаなど女性名詞の活動体も同じ。)
☆中性名詞の活動体の例 животное ジヴォートナエ(動物)
この単語が、単数のときは不活動体なみに対格=主格となるんですね。