キム・グァンソク(김광석)という歌手がかつていた。この人の歌で"잊어야 한다는 마음으로"という曲がある。いつだったか「不朽の名曲2」のなかでタビチのカン・ミンギョンが歌ってその回の優勝に輝いた。
カン・ミンギョンが歌ったから耳に残った面もあるが、曲そのものがとてもシンプルでよい曲だったのですぐにCDを探したら2枚組のベスト盤が発売されていたので即購入した。これなら弾き語りできそうだ。
Youtubeにもいくつかあったのでカン・ミンギョン渾身のステージを。
http://youtu.be/NZFFO7gKrZs
CDが売れない韓国市場でベスト盤が出る歌手というのはそう多くないと思う。
キム・グァンソクは386世代だという。軍事政権下で生まれ大学時代に軍事政権からの解放を勝ち取った世代だとか。いまの韓国を知るうえで386世代を理解する重要性は高いような気がする。
386世代という言葉を私はポン・ジュノ監督にはまっていた時に知ったから、結構最近だ。そのときはある種ニューウェーブという感じくらいに思っていた。アメリカ映画でいえばアメリカン・ニューシネマ(卒業、俺たちに明日はないなど)のような革新の時代だ。
しかしそれが政治的なものだと知って、日本でいえば全共闘世代のようなものだろうかと思っていた。
現象としては似ている。安保体制への違和感で連帯した大学生。しかし日本のそれは完全敗北したと言っていいだろう。
私はその時代へのリスペクトを持っていたフォークソング狂いの高校生だったが、韓国の386世代とはまったく異なるような気が最近している。そして386世代の感性をもっと知りたいとも思うようになった。
全共闘世代は私より上の世代だが、386世代は世代論的には同世代といえる。ハングルがもっとわかるようになれば日本語訳されないであろう386世代の文章などにももっと触れることができる。これもモチベーションのひとつになるかもしれない。