日本語学校では文系の学生に数学を教えている。考えることをいとわなければ少し考えればわかることを自分は数学ができないからと、入り口で止まってしまう学生が多い。数学に限らず自分はできないと決めてかかっていることが自分にもありやしないかと思っても見る。数学は先に進め難しいかも知れないが数学を記述する日本語はそれほど難しくない。数学特有の現象が多くないのと、文章の構成が論理で進むからだと思う。英語で論文を書いて、よく使う表現は
(1)。。。。を。。。。で定義する。(定義)
(2)。。。を。。。で表す。(記号)
(3)。。。。ならば、。。。である。(因果関係)
(1)(2)は同じものとも考えられる。概念の厳密な定義と述語の記号を定めて、あとは推論を重ねていけば、数学の論文が書ける。
例
(1) We define an irrational number by a real number which is not rational. 無理数を有理数でない実数と定義する。
(2) Let us denote by Q the set of all rational numbers.
有理数全体の集合をQで表す。
(3)もしa,b がQに属するならばa+b,ab もQに属する。
If a, b belong to G,then a+b,ab also belong to Q.
(1)、(2)、(3)の表現法はいろいろある。何語でも同じ表現がある。数学者は同じ表現が続かないよう工夫する。数学の問題はいろいろあり、対応する述語もある。