『外套 (ゴーゴリ)』の はてな? な構文。
<quote>
1 Ни один раз в жизни не обратил он внимания на то̀,
2а что̀ делается и происходит всякой день на улице,
2б на что̀, как известно, всегда посмотрит его же брат, молодой чиновник, простира́ющий до того проницательность своего бойкого взгляда,
3 что заметит даже,
4 у кого на другой стороне́ тротуа́ра отпоро́лась внизу панталон стремёшка, —
5 что̀ вызывает всегда лука́вую усмешку на лице его.
彼は生まれてこの方ただの一度も、日々、街中まちなかでくり返されているできごとなどには注意を向けたこともなかったが、知ってのとおり、彼の同僚の年若い官吏などは、向こう側の歩道を歩いている人がズボンの裾の止め紐を綻ばしているのさえみのがさないくらい眼がはやくて、そういったものを見つけると、いつもその顔に狡ずるい薄笑いを浮かべたものである。(平井訳)
</quote>
以下のような解釈でいいのだろうか。
1 が主文で、2а と 2б が 1 の副文。
3 は 2б の副文。
4 は 3 の副文。
5 は 4 の副文。
3: что (先行詞 は того) その眼差しの鋭さたるや、4 以下の事柄をさえ見逃さなかった。
4: у кого (文を一つ飛び越して 2б の молодой чиновник が先行詞) 主人公の同僚たる若い役人がいる歩道とは反対側の歩道上でのズボンの裾の止め紐の綻び。
5: что̀ (先行詞は "ズボンの裾の止め紐の綻び") それが若い役人の顔に狡い薄笑いを呼び起こした。
この解釈が正しければ、4 の "у кого" がとんでもない離れ業のように見える。真っ当な露文なのか。
8:30 追加:
3 の что は関係代名詞ではなく、接続詞かも。 до того... что で、「その結果」。であれば、4 の кого の先行詞は 3 の暗黙の主語: он ということになる。