まいにちフランス語 dimanche 15 janvier
フランス語の動詞(命令法)
命令法とは、話し手が聞き手に命令・依頼したりして、その文の意味内容の実現を促す法である。
① 命令法の活用(命令形)の作り方と語順
命令法は主語を省き(主語がない)動詞だけで意味をあらわす。
Tu manges. → Mange. 食べなさい(命令口調)
Nous mangeons → Mangeons. 食べましょう(勧誘)
Vous mangez → Mangez. 食べてください(要望・依頼)
※ tu の命令法で、直説法で manges だったものが命令法で mange になって語尾の s が消えている
▶ er 動詞と、aller の tu に対する命令は語尾の s を取る
er 動詞(第1群規則動詞)と同様
Tu vas → Va. 行け。
Nous allons. → Allons. 行きましょう。
Vous allez. → Allez. 行きなさい。
動詞 venir の命令法
Tu viens. → Viens. 来い。
Nous venons. → Venons. 来ましょう
Vous venez. → Venez. 来なさい。
動詞 finir の命令法
Tu finis → Finis. 終えよ。
Nous finissons. → Finissons. 終えましょう。
Vous finissez → Finissez. 終えなさい。
▶ 否定命令法の作り方
Ne + 動詞の命令法 + pas.
Tu ne manges pas. → Ne mange pas. 食べるな。
Nous ne mangeons pas. → Ne mangeons pas.
食べないでおきましょう。
Vous ne mangez pas. → Ne mangez pas. 食べないでください。
▶ 例外的な変化をする4つの命令法
命令法で不規則な活用をする動詞がある
動詞 être の命令法
tu es → Sois. [swa]
Nous sommes → Soyons. [swa.jɔ̃]
Vous êtes → Soyez. [swa.je]
動詞 avoir の命令法
tu as [a] → Aie. [ɛ]
nous avons → Ayons. [ɛ.jɔ̃]
vous avez → Ayez. [ɛ.je]
動詞 savoir の命令法
tu sais [sɛ] → Sache. [saʃ]
nous savons → Sachons. [sa.ʃɔ̃]
vous savez → Sachez. [sa.ʃe]
動詞 vouloir の命令法
tu veux [vø] → Veuille. [vœj]
nous voulons → Veuillons. [vu.lɔ̃]
vous voulez → Veuillez. [vu.je]
② 命令法の用法・意味
▶ 命令・勧誘
tu に対する命令(~しなさい)
Parle en français. フランス語で話しなさい
vous に対する命令(~してください)
Parlez en français. フランス語で話してください。
※ tu / vousに対する命令の文の後に、s’il te plaît. / s’il vous plaît. を付けると丁寧の度合いが増します。
nous に対する勧誘・提案(~しましょう)
Parlons en français. フランス語で話しましょう。
▶ 条件・仮定
「~すれば~である」のような条件・仮定の文を命令法では作ることができます。多くの場合、命令法 +et + 直説法現在/単純未来の語順で用いられます。
Étudie le français plus sérieusement et tu parleras mieux français.
もっと真剣にフランス語を勉強すれば、もっとうまくフランス語を話せるようになる。
Lisez ce livre et vous apprenez mieux la culture japonaise.
この本を読めばもっと日本の文化を学べますよ。
③ 補語人称代名詞と命令法の語順
「私を連れて行って」のような補語人称代名詞と命令法を組み合わせるときの語順は命令法-補語人称代名詞になります。
補語人称代名詞とはmoi / toi /le /la /les / lui / leur を指し、直接補語と間接補語の2つに分類されます。
▶ 動詞と目的語の間に他のものが介在しない直接補語「~を」
▶ 動詞と目的語の間に前置詞 à が介在する間接補語「~に」
補語人称代名詞の直接補語「~を」の場合
moi /toi /nous /vous /le /la /les
通常、補語人称代名詞の直接補語はme /te /nous /vous /le /la /les の6種類ですが、命令法に限りmeと te がそれぞれ moi と toi に変化します。
Vous m’emmenez.
あなたは私を連れて行く。
Emmenez-moi.
私を連れて行って。
Emmenez-le.
彼を連れて行って。
Emmenez-la.
彼女を連れて行って。
Emmenez-nous.
私たちを連れて行って。
Emmenez-les.
彼ら/彼女たちを連れて行って。
補語人称代名詞の間接補語「~に」の場合
Moi /toi /nous /vous /lui /leur
Vous me téléphonez.
あなたは私に電話する。
Téléphonez-moi.
私に電話してください。
Téléphonez-nous.
私たちに電話してください。
Téléphonez-lui.
彼/彼女に電話してください。
Téléphonez-leur.
彼ら/彼女たちに電話してください。
命令文で直接補語「~を」と間接補語「~に」が同時に使われる場合
直接補語人称代名詞と間接補語人称代名詞が同時に命令法で用いられる時は、命令法・直接補語・間接補語の語順になります。
Vous donnez ce livre à Pierre.
あなたはこの本をピエールにあげる。
Donnez-le–lui.
これを彼にあげてください。
第3者に対する命令
接続法を用いることで彼や彼女など3人称に対する命令も可能です。
Qu’il entre.
彼を通しなさい。
Qu’elle se taise.
彼女を黙らせなさい。
Qu’ils chantent.
彼らに歌わせなさい。
命令法過去の作り方と用法
命令法過去はavoir / être の命令法現在 + 過去分詞、の組み合わせで作られ、直説法前未来を命令する時に用いられます。
Aie lu ce livre quand je reviendrai.
私が戻ってくるときにはこの本を読んでおいてください。
Ayons terminé ce travail avant d’aller en France.
フランスに行く前にこの仕事を終わらせましょう。
命令法過去は未来のあるときまでに動作が完了しているようにtu / vous または nous に命令・勧誘する時制と言える。