◇ラジオ英会話 2024.10.10&17 L129 基本文型⑥:授与型
★授与型「動詞+目+目」どんな動詞も授与の意味になる
I have to give you credit.
He bought / sent / made me a bouquet of flowers.
It took me five months to build it.
The restaurant charged us $15 for seating.
エモリさん!ずいぶんご無沙汰していました。お元気ですか?
Emori-san! I haven’t seen you in ages. How are you?
元気ですよ。あなたも元気そうですね。
I’m fine. You’re looking well.
ありがとうございます。
あなたのメールには、私はのサプライズがあると書いてありましたけれど。
Thank you. In your email you said you had a surprise for me.
☆時制の一致
そうなんです。どうぞ中に入ってください。それは裏庭にあるんです。
Yes. Please come inside. It’s in the backyard.
裏庭に?それは何ですか?
The backyard? What is it?
もうすぐ見えてきますよ。
You’ll see it soon.
この金色の建物は何ですか?金閣寺にそっくり!
What is this golden structure? It looks like Kinkakuji Temple.
そのとおり!金閣寺の10分の1の大きさの模型なんです。
これを作るのに5か月かかりました。
Exactly. It is a one-tenth scale model of Kinkakuji.
It took me five months to build it.
☆it ~ to ...itで文を始めto以下で追いかける意識
すごい!お見事です!サイズが小さいだけで、本物そっくり!
Unbelievable! I have to give you credit.
It looks just like the real one, only smaller!
◎Target Forms
私はあなたに称賛を与えなければなりません。
I have to give you credit.
彼は、私に花束を買って/送って/作ってくれました。
He bought / sent / made me a bouquet of flowers.
私はそれを作るに5か月かかりました。
It took me five months to build it.
☆マイナスの授与(take、charge、cost)
そのレストランは、席料として私たちに15ドル請求しました。
The restaurant charged us $15 for seating.
◎Grammer in Action
かつての学生が、私の手紙を書いてくれました。
彼女は研究者として職に就きました。なんてすばらしい!
A former student wrote me a letter.
She got a job as a researcher. How wonderful!
私は、その部屋の正確なサイズは分かりませんが、あなたに写真を見せることはできます。それでよろしいでしょうか?
I don’t know the exact size of the room, but I can show you a photo.
Would that be OK?
1年かかりましたが、とうとうその本を読み終えました。
私は読むのがとても遅いです。
It took me a year, but I finally finished the book. I’m a very slow reader.
◇ラ・ガブリュイエールを読む Leçon 3 jeudi 17 octobre
Une jolie maison「きれいな家」
Il ne faut quelquefois qu'une jolie maison dont on hérite, qu'un beau cheval ou un joli chien dont on se trouve le maître, qu'une tapisserie, qu'une pendule, pour adoucir une grande douleur, et pour faire moins sentir une grande perte.
ときには、きれいな家を相続しさえすれば、美しい馬や、きれいな犬を飼いさえすれば、タビスリーや、時計を手に入れてみれば、それだけで、このおおきな痛みも和らぐ。大切なものを失ってしまった心のおおきな哀しみも、少し忘れられる。
◎語彙説明・構文のポイント
Il ne faut quelquefois qu'une jolie maison dont on hérite,
il ne faut que A pour 不定詞
「~するためにはAだけが必要だ、 Aだけで十分である」
quelquefois 「時には」
une jolie maison 「きれいな家」
dont on hérite 「相続する」 (hériter de qc 「[遺産など]を相続する」)
qu'un beau cheval ou un joli chien dont on se trouve le maître,
un beau cheval 「美しい、立派な馬」
un joli chien 「きれいな犬」
dont on se trouve le maître(se trouver +名詞句)「偶然に〜になる」
maître 「主人」
qu'une tapisserie, qu'une pendule, pour adoucir une grande douleur, et pour faire moins sentir une grande perte.
tapisserie 「タピスリー、壁掛け」
pendule 「時計」
adoucir 「(痛みや悲しみを) 和らげる、鎮める」
une grande douleur 「大きな痛み」
faire sentir 「~を感じさせる」
moins 「より少なく」
une grande perte 「大きな喪失感」
◎ Explication de texte
痛切な心の傷や、大切な人やものを失ってしまった喪失感が取り上げられているテクストです。ただ、ラ・ブリュイエールの注目しているのは心の痛みや辛さそのものではないようです。
ラ・ブリュイエールは、この文章で人間の感情の移ろいやすさを鋭く観察しています。彼の洞察によると、時として日常生活のごくささいな出来事や物事が、人の心に大きな影響を与えることがあるのです。
大切な人を失った深い悲しみに沈んでいるときでさえ、小さな日常の満足感によって心が和らぐことがある。今回のテクストでは、ラ・ブリュイエールは、そうした人情の機微に鋭い観察を向けているようですね。 テクストの焦点となるのは、「相続するきれいな家屋敷」「美しい馬」「きれいな犬」、そして「タピスリー」「時計」です。これらはすべて、亡くなった故人が残した遺産の相続品のことです。
ラ・ブリュイエールの5つのことばの配列には、巧妙な皮肉が込められていまれています。彼が挙げる例は、大きなものから小さなものへと、意図的に並べらています。
まず、「une jolie maison dont on hérite」 (相続したきれいな家)から始まります。これは明らかに最も価値の高い遺産です。
そうです。次に「un beau cheval ou un joli chien dont on se trouve le maître」(偶然手に入れた立派な馬やきれいな犬)と続きます。注目すべきは、馬や犬の所有が偶然の結果であると示唆されている点です。
最後に「une tapisserie, une pendule」 (タピスリー、時計)で締めくくられます。これらは前述の遺産と比べると、はるかに小さな価値のものです。
一軒の家という大きな遺産であろうと、単なるタピスリーや時計のようなささいなものであろうと、新しく手に入れたものさえあれば、深い悲しみや大きな喪失感は簡単に紛れてしまう。ものの大小にかかわらず、何か新しいものを得れば、人の心は容易に慰められてしまうものなのだと解釈できますね。
ことばの使い方に注目すると、遺産の価値が軽くなるにつれて、修飾語の構造が簡素化されていくことがわかります。
① ≪une jolie maison dont on hérite ≫
→ jolie (形容詞) + dont on hérite(関係節)
② ≪ un beau cheval ou un joli chien dont on se trouve le maître ≫
beau と joli → それぞれに形容詞1つ+ 共通の関係節 dont on se trouve le maître
③≪ une tapisserie, une pendule ≫ → 修飾語なし
遺産の価値が下がり小さなものになると、ことばも短く、簡単なものになります。最後の「タピスリー」と「時計」には、もう形容詞すら付いていません。タピスリーも、時計も本来は少しぜいたく品かもしれませんが、ラ・ブリュイエールの書き方は、ずいぶんとそっけないです。
形容詞の選択も興味深いです。家やペットを指すのにラ・ブリュイエー ルが使っている形容詞はjoliとbeau というごく普通で平凡なものです。 grand (大きな)という形容詞が une grande douleur (大きな苦痛) と une grande perte (大きな喪失)と2度も繰り返して使用されていることにも注目すべきでしょう。
(一部省略)
このテクストでもまた、人の中にある未熟さ、幼稚さが強調されているのです。しかし、ここでの人間への批判の目には、どこか優しさがあることも忘れてはなりません。人間や、その幼さを、ラ・ブリュイエール はどこか大目に見て許しているところがあります。
テクストの穏やかなリズムと美しい諧調の響きにそれを感じることができます。例えば、最後の部分はとても美しい調べです。
≪pour adoucir une grande douleur, et pour faire moins sentir une grande perte ≫.
人はどんなに辛い経験をしても、日常のちょっとした出来事や物事に癒され、辛さを忘れることができますね。ラ・ガブリュイエールの言葉はそのような人の心理を皮肉を込めて述べているように見えますが、その言葉の裏には人の幼さを優しく許す大らかさも感じられるのだそうです。
西田敏行さんお亡くなりになりましたね。味のある俳優でした、残念です。
文学を読み解くことの難しさを光る君へを見ていて感じていますが、この番組ではわかりやすくラ・ガブリュイエールの作品を解説してくださりますね。今回、人の感情というものは昔も今も、国を超えてあまり変わらないということを感じました。
フランス語、イタリア語の応用編は言語の学習以上の成果がありますね。
できたらいろいろな番組を聞いてみたいです。