祝王老师一家新年快乐,也祝大家身体健康,干杯!
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<映画でみるフランス文化・フランス映画の特徴>
第1 /mypage_61387/diary/2015-02/24.html ズレ、不整合
第2 本日:書籍、文の暗誦
第3 /mypage_61387/diary/2015-02/26.html 不条理のお笑い化、パロディー化
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フランス映画で目立つ小物:本、本棚。小説の一文の暗誦! 貴族調・インテリ好き ^^
« Fahrenheit 451 (華氏451, 1966)»、
Ray Bradburyの小説の映画化らしいが、オーウェルの『1984』にそっくり、焚書
ロメール監督の映画は、ほとんど。
そのほか、主人公等に「教師・教授・元教授」が多い!
« L'homme du train (列車に乗った男, 2002)»、元教師の男
« Les Invasions barbares (みなさん、さようなら, 2003)»、カナダ映画だけど、元教授
およそ違うけど、« Cyrano de Bergerac (シラノ・ド・ベルジュラック, 1990)»,も入るだろう!
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★ 「小さな中国のお針子」を、中国語(聞きとれなかった(◕_◕。)日本語字幕付きで観た。仏語題 Balzac Et La Petite Tailleuse Chinoise、中国語題 : 巴爾扎克与小裁縫。日本語の題名だけから「バルザック」が消えるところに、日・仏・中の関係が現れている? 翻訳された小説の方は、バルザックもあるけど。
地元の図書館のフランス文学の棚に、この本があった。ビデオもあったので、映像の方にした。なるほど、確かにフランス映画だ。
フランス映画の特徴、フランス人の好みが十分に入っている! 私の目についたのは3点。
1、フランス人の好みのベスト1だと思われるのが、映画の中に小説を登場させること!
バルザック、ボヴァリー夫人、ゴリオ爺さん等、フランス人なら誰でも知っている小説家の名前がつぎつぎに出てくる。「自由」に関する一節を読ませたり、わざとらしい。
* フランス映画は、書斎を出したり、有名な書物の幾章かを登場人物たちに暗誦させるのが大好き。ロメール監督の映画は、暗誦なり仄めかす箇所が頻出、というか中心になっているけど、そこまで行かなくても、いちいち挙げるのが面倒なほど、いろいろな作品で、書斎シーン、書斎を使う教師・教授・元教授等の立場が散見される。
2、フランス人は焚書坑儒をものすごく嫌う! だから、あえて本が燃やされてしまうシーンが何度も採り入れられていると感じる。フランス人のエネルギーを燃え立たせる、煽る感じ。この映画のビジネス根性が透けて見えるというもの。シャーリー事件に似てる。
* F・トリュフォー監督の「華氏451(Fahrenheit 451)」(1961)は、焚書がテーマで、本を読む人が小説の好きな地域に逃げ、その地で小説を丸暗記する変な話。これは英国人ブラッドベリーのSFの映画化とウィキにはあるけど、英国人ジョージ・オーウェルの『1984年』をパクった感じ。オーウェルはスペイン戦争でフランス知識人(!)らと活動し、後に多大な影響をフランス人に与えた人(今に至るまで)。
3、セックス、ヌードに近いシーンも適度に入れられている。ラブ・ロマンスであることも重要。温泉浴、水浴、新調ブラのお披露目等、中国ものでは艶めかしいシーンが多いと思う。可愛い女の子の口から、愛してる(ジュ・テーム)と何度も言わせたり ^^
ま、バイオリンでモーツアルトの曲を弾かせたり、全体的に美しいのも人気を博した原因でしょうね。・・・この点は、文句なしに、断言できる。美的という以上に華麗な映画だ!
ただ、個人的には、ちょっと足りない感じがする。文革の中国と今の中国、今のフランスをマッチングさせる方法として、いっきに27年後、として飛んでしまうからだ。私としては、飛ばさないで欲しい。文革の後からの変化・変貌の方に興味がある。村を捨てて都会に向かうヒロインの心理描写なりが軽すぎる気がした。
いずれにせよ、この映画は、中国人がフランスの映画学校を出てフランス流に仕立てたもので、内容的に正真正銘のフランス映画。フランス人と中国人の心の接点、共通項みたいのを際立たせていて、フランス語学習者にも(この映画が2002年、バルザックのゴリオ爺さんの映画が2004年、関連があるのでは)、中国語学習者にも(中国でどれくらい観られているのか・・・)、為になる秀作だと思う。もう10年以上前のだけど ^^
ただ、その「面白くない」を、フランス人は「美しい」と感じるようです。逆にフランス人が「美しくない」と感じるものは、日本人(というか私は)「素朴」で落ち着くと感じます。
随分と昔に見た文革、下放がらみの諸映画は、横暴、過酷、異常等すさまじい話、映像であったように記憶しています。お針子にそうした場面が出てこなかったことに、私はむしろ不信感を持ちました。