「秘密にしていた話」を読み終わって次に読み始めたのは「나는 국어의 정석이다」(私は国語の定石だ)という書籍。前にもこの日記に書いていたはずだと調べたら、去年の3月5日だった。そこで読み始めたと書いていたが、ほとんど数ページでやめていた。だから今度も数ページでやめてしまうかもしれないが、ともかく読み始めた。
内容は韓国人のための国語文法解説本。正書法について丁寧に易しく解説しているという。日本語の文法書を日本人がほとんど読まないように、韓国人も好き好んで国語の文法書など読まないようだし、外国人のための文法書ではなく韓国人のための韓国語の文法書だから、外国人としての日本人の私にはさらに縁遠そうな書籍だ。
しかし視点を変えてみれば、そもそもが「ハングルそのもの」への興味で始めたハングル学習という趣味である。趣味を楽しく深く続ける秘訣のひとつは、そのジャンルの優れた書物に出会うことだ。語学もきっと同じだと思う。
特に語学の場合は、料理が好きな人はネイティブの料理本、スポーツが好きならスポーツ新聞など、好きなジャンルの教材を見つけてくるという“定石”がある。だとすれば私のようにハングルそのものへの興味が強いならば、ハングルそのものを扱うネイティブの書物を読んでみるという行為は理にかなってると思う。
前回挫折した最大の理由は、その厚さだったように思う。333ページくらいで結構重い。また辞書にも載っていない固有名詞が最初に出てきたこともある。いつまでたっても読み終われないかもしれないという気分に負けた。
しかしいま1日20分程度、電子辞書とWebを活用しながら本文を読んでみると、結構面白く固有名詞も少ない(文法用語は多いが)。1日に半ページ~1ページ程度しか読めないが、それで週5日読めれば2.5~3ページ進むともいえる。52週あれば156ページ読めるから、2年ちょっとあれば全部読み終われる。読了できそうな量かもしれないと思い直して始めてみた。
また昨年から漢字語に注目しはじめたことも大きい。辞書を引かざるを得ない単語のほとんどは漢字語なのだ。次が固有語の形容詞や副詞で、逆に動詞などは類推しやすい。漢字語は読みがひとつだけだから、何度か出てくれば類推できるようになる。そうなると、分厚い本でもかなり読めるようになる。
ネイティブが正しい文章を書くための文法書だから、書かれている韓国語の文章もそれなりに模範的な文章でもあるのだろう。出てくる例も日常的なものが多いような気もする。それらがレアリア的に作用すればさらに面白い。日本人の常識にない例やことわざを楽しめればしめたものだ。
書かれた内容が文法的に正しいという安心感もあり、クイーンズハングル(男だからチョナングルとでも命名するか)をしっかり身に着けられるなら一石二鳥だとポジティブシンキングで臨みたい。
ドラマは好きだからハングルで書かれた原作小説は持ってますけど、それはある程度すらすらよめるようになってから読むつもりで買ってありますが(書籍はあるときに買っておかないと絶版のリスクがあるので)。
韓国のブックストアの書評などを見ると、ネイティブでもハングルの綴りを覚えられないという悩みを持っていたりとか、正しく美しい文章を書きたいという願望を持つ人もいるようで、この手のライティング教本はたくさん出ているようです。そういう教材に興味深々の今日この頃です。
こんばんは。
相変わらずの冴え渡る考察... (何気にお名前を入れてみましたが^^;)
物語本が好きな私なら最も敬遠しそうなご本を選ばれて、さすがだなぁと感じ入ってしまいました。それに何だか興味も湧いています。また是非進捗状況をお知らせ下さい。^^