TOEIC Bridge® Testで"Restart"! おとなの英語学習法セミナーを開催しました!

2018年9月6日(木)に開催された『TOEIC Bridge® Testで"Restart"! おとなの英語学習法セミナー』レポートの後編です。 前編では、TOEIC Bridge® Testの紹介、NHK Eテレ「おとなの基礎英語」やNHKワールドの番組でおなじみ、太田エイミーさんの「英会話を続けていくコツ」をお伝えしました。 後編では、太田エイミーさんと一緒に「おとなの基礎英語」に出演していた立教大学・松本茂先生の「英語力を伸ばすための3要素」をリポートします。

エイミーさんのコーナーが終わると、会場後方から松本茂先生が登場。会場からは大きな拍手が起こりました。

モチベーション維持は一生の課題

「英語力を伸ばすための3つの要素」とは、「モチベーションの維持」、「時間の確保」、そして「適切な学習の発想」だと松本先生は言います。
「モチベーションの維持は一生の課題です」。つまり、そのくらいモチベーションを保ち続けることは難しいということです。そのために必要なことは少し先の具体的なゴールを設定すること。「英会話ができるようになりたい」といった漠然としたゴールは、モチベーション維持につながらないというのが松本先生の考えです。
「そこで便利な指標となるのが、TOEIC Bridge® Can Do ガイドです。自分はどういうふうになりたいのか、自分の次の段階はどこかを常に探してほしい」。その言葉に、会場のみなさんは配られた手元の「TOEIC Bridge® Can Do ガイド」を熱心に見ていました。

ながら学習・隙間学習のすすめ

大人の英語学習者にとって「時間の確保」は悩ましいモノ。松本先生はそこをあえて「時間なんてあるわけがない」とバッサリ。にもかかわらず「時間をかけずに効率的に英語を勉強することはできない」とも言います。
では、どうすればいいのか。松本先生のアドバイスは「ながら学習・隙間学習」。朝ご飯、通勤、家事……など用事をこなしながら英語を聞く。ちょっとした隙間時間に英語を読む。辞書を引かなくてもいい。とにかく英語とふれあう時間を増やしていくことが必要です。
「大事なのは『英語で楽しむ』こと」と松本先生。スポーツやガーデニングなど自分の趣味や好きなハリウッド俳優について英語で検索すると、楽しんで読むことができます。「自分の好きなことなら多少難しくても許せます」という松本先生の言葉は、会場の笑いを誘っていました。

個人学習→対話→実践の繰り返し

松本先生おすすめの学習法は「PICサイクル®」。 「Practice(個人学習)→Interaction(対話的学習)→Communication(実践)」を繰り返し行う学習法です。 「外国語学習はスポーツに似ています。イチローのビデオだけ見ても打てません。球を投げてもらって打つ練習をし、試合に出る。打てなかったら反省して素振りをする……この繰り返しなんです」と松本先生は言います。

学ぶときに日本語を介在させない

「PICサイクル®」を回すときに土台となるのが個人学習です。 そのときに重要なのは「日本語を介在させないこと」。たとえば、わからない単語がほとんどない簡単な英文を黙読すると、頭の中で英単語を一つひとつ日本語に変換しなくても理解できます。 松本先生が黙読する英文の例の一つとしてあげたのは、TOEIC Bridge® Testのリーディング問題。「設問はだいたい60 wordsくらい。中学校レベルの英語で理解できます」。 このような英文をたくさん読み続けていくと「日本語に訳さなくても理解できる」という感覚がつかめるようになっていくのだそうです。
「英語を読むとき日本語に訳している人は、英語を話すときにも日本語を翻訳しようとしてしまうから言葉が出てこなくなる」。そこで「言いたいことを簡単な言い回しに変える」など個人学習についてたくさんアドバイスしてくれました。

全部理解できなくても、楽しみながら学習しよう!
「対話」「実践」は日本にいてもできる

「対話的学習」は日本人同士でも十分できると松本先生は言います。
「相手の言うことを事前に想定できないから対話は難しい。難しいから練習になるんです」。
また「実践」についても「日本にいても十分可能」だと言います。
「海外旅行に行かなくても、SNSで海外へ発信してもいい。国内のボランティアに参加するのもいいですね」と松本先生。困っている外国の方にちょっと英語で情報を伝えるだけで、相手は大いに安心できます。
「これこそ共生社会につながるのではと思います」。松本先生の真摯な言葉に、会場は聞き入りました。

細かいことにこだわりすぎない

「細かいことにこだわるほど英語は出てこない。英語を全部理解できなくていいので、英語にふれる時間を増やしてください」。
松本先生からのエールに会場からは拍手がわき起こりました。
松本先生のお話を通じて、楽しく英語で会話するためには、モチベーション維持のために目標を設定しながら、個人学習→対話→実践を繰り返すことが必要だと、つくづく実感させられるセミナーでした。