☆ 冬の湖畔の夕暮れ
◇ 現在の日本における政治情勢の最大の脅威はポピュリズムの蔓延です。これはファシズムの兆候です。
The greatest threat to the current political climate in Japan is the spread of populism. This is a sign of fascism.
Die größte Gefahr für die derzeitige politische Situation in Japan ist die Ausbreitung des Populismus. Dies ist ein Zeichen von Faschismus.
La più grande minaccia per l'attuale situazione politica del Giappone è la diffusione del populismo. Questo è un segno di fascismo.
■ 具体的には今年の東京都知事選であり、兵庫県知事選である。実質的な中身ゼロの倫理観にも劣る候補者がSNSの虚像によって大量の得票を得た。
多くの都民・兵庫県民が印象操作によって簡単に「収穫」されたのだ。
◆ 【社会学習ノート】ENCOUNT より
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https://encount.press/archives/712846/
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2024.12.01
斎藤元彦知事問題で「女性社長が盛った」は本当なのか…弁護士会見が残したナゾと検証すべきこと
著者:西脇亨輔
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■ 元テレビ朝日法務部長・西脇亨輔弁護士が指摘
兵庫県の斎藤元彦知事と知事の代理人弁護士が11月27日、別々に記者会見をした。双方が、PR会社の女性社長が先の知事選について「自分がSNS戦略を企画立案した」などと投稿して知事らに公職選挙法違反などの疑いが浮上した問題に言及。知事の弁護士は「投稿には全く事実ではない記載がある」とした。しかし、元テレビ朝日法務部長の西脇亨輔弁護士は「その会見には疑問が残る」と指摘している。
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「『盛っておられる』というふうに認識しております」
それは淡々と事実だけを述べることが多い弁護士の会見では、あまり聞かない言葉だった。斎藤氏の弁護士が記者の質問に「女性社長が事実を誇張した」と強調するために使用した「盛った」というインパクトの強い言葉は、瞬く間に拡散した。これを受けて女性社長のプライバシーを巡る報道も過熱している。
果たして、この問題を「女性社長が盛った」で片づけていいのだろうか。実は今回の弁護士会見では、多くの疑問点が浮き彫りとなっていた。斎藤氏の弁護士が行った主な弁明は次の通りだ。
まず、斎藤氏が選挙のSNS戦略に報酬を払っていたら「買収罪」になってしまうので「PR会社にはポスター代約70万円しか払っておらず、SNS戦略の報酬など存在しない」と主張した。
しかし、無料で「会社」にSNS戦略をやってもらったとなると、今度は「会社による違法な寄付(企業献金)」として政治資金規正法違反のおそれが出る。そこで、弁護士は「SNS対応をしたのは『PR会社』ではなく、女性社長『個人』」と強調。さらに寄付になるような「価値あるSNS戦略」を女性社長が行ったことはなく、SNSを監修したのは斎藤陣営だったとし、全ては「女性社長が、自分は大仕事をしたと話を『盛った』だけ」という主張をしたのだった。
だが、この斎藤氏側の主張には欠けているものがあると私は思う。それは「証拠」だ。
もちろん、刑事裁判では「疑わしきは罰せず」という原則があり、証拠の用意は被告人ではなく捜査機関側の責任だ。しかしながら今、問題なのは、斎藤氏が政治家として選挙に関する「疑惑」を否定できるかどうか。斎藤氏が疑いを否定したいなら、ただ「違います」と言うだけではなく、一定の証拠や根拠がないと説得力に乏しい。
しかし、斎藤氏側がこれまでに客観的な根拠を示したのは、ポスター代の請求内訳や、県と女性社長の契約関係などにとどまる。しかも、ポスター代については契約書がなく、「選挙ポスターは条件内なら公費負担で無料なのに、わざわざ自腹を切る契約をしたのは不自然だ」という疑問も出されている。
さらに今後の焦点になると、私が思う疑問点が2つある。1つは「女性社長の選挙応援は、本当に『会社ぐるみ』ではなかったのか」、もう1つは「斎藤陣営のSNSを監修したのは、本当に『女性社長』ではなかったのか」だ。これらについての斎藤氏の主張が崩れたら、女性社長の応援は「会社による違法な寄付」だった疑いが高まる。そして、この点への弁護士の回答は、歯切れのよいものではなかった。
PR会社の社員が選挙運動をしたかについて、斎藤氏の弁護士は「携わっていないと認識している」としつつも、こう述べた。
「演説会場に社員さんがいたことまでは確認できているんですけれども、その社員さんが何をしていたかは確認できていないです」
■ SNS理解していない斎藤氏側がSNS操った疑問
また、「SNS戦略を決めたのは女性社長ではなく斎藤陣営だ」と主張しながらも、その「斎藤陣営」の実態について弁護士は「私が確認したところ、今回の知事選挙において、いわゆる総括責任者であったり、選挙の主宰者であると目される人物がいないという風に聞いております」と説明した。
つまり「斎藤陣営」には、はっきりした組織はなく「上司」もいなかったというのだ。とするとSNSに詳しい女性社長に対して、上から指示を出しSNS戦略を監修する「斎藤陣営幹部」など存在したのか。斎藤氏本人のSNSに関する知識については、斎藤氏の弁護士がこう明かしている。
「斎藤氏自身も言っておりましてけど、女性社長から説明を聞くまで、斎藤氏が『SNSが何に当たるのか』『それがどういう利用の仕方があるのか』というのを、皆目、理解されていなかったんだと思います」
SNSについて「皆目」理解していなかった斎藤氏側が、専門家である女性社長の監修なくSNSを操ることができたのか。大きな疑問が残る。
そして、私が驚いたのは会見に向けた事実確認の方法だった。
「まず斎藤氏本人からが、一番聞いております」
そう答えた弁護士は、これまでに斎藤氏とその側近ら計4人からしか話を聞いていないと述べた。そんな一方的と思える情報を基に女性社長の投稿を「盛っている」と決めつけていいのか。
斎藤元彦氏を応援していたはずの女性社長は、斎藤氏からねぎらいの言葉をかけてもらう代わりに「ウソを発表したキラキラした女性」ということにされつつある。しかし、選挙戦の真相を明らかにする証拠はまだ出されておらず、女性社長を「ウソつき」と決めつけることはできないはずだ。
真実はどこにあるのか。「盛った」というフレーズに流されることなく、証拠を基に冷静に検証しなければならないと思う。
□西脇亨輔(にしわき・きょうすけ)1970年10月5日、千葉・八千代市生まれ。東京大法学部在学中の92年に司法試験合格。司法修習を終えた後、95年4月にアナウンサーとしてテレビ朝日に入社。『ニュースステーション』『やじうま』『ワイドスクランブル』などの番組を担当した後、2007年に法務部へ異動。社内問題解決に加え社外の刑事事件も担当し、強制わいせつ罪、覚せい剤取締法違反などの事件で被告を無罪に導いた。23年3月、国際政治学者の三浦瑠麗氏を提訴した名誉毀損裁判で勝訴確定。同6月、『孤闘 三浦瑠麗裁判1345日』(幻冬舎刊)を上梓。同7月、法務部長に昇進するも「木原事件」の取材を進めることも踏まえ、同11月にテレビ朝日を自主退職。同月、西脇亨輔法律事務所を設立。今年4月末には、YouTube『西脇亨輔チャンネル』を開設した。
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