おぼえた日記

2013年11月27日(水)

小説 (ロマン) はロマン語で書かれたもので、女子と小人の読み物である。
君子はそんなものは読まない。君子が読むのはラテン語で書かれた大説である。
これは本朝においても同じで、小説は仮名で書かれており、君子はこれを隠れてこっそり読む。
君子が公式に読むのは真名で書かれた支那伝来の書や、公文書であった。

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本來うたのための文字でしかない、そしてせいぜい當時の貴族の姫君のための玩びものないし、教訓書にすぎなかつた物語作品にもちいられていたかなによつて散文的に構築された世界が、歴史や宗教の問題を構成的・論理的に取り扱いうるというような思想は、紫式部を除けば誰一人持ち合わせていなかつたのである。『古今集』序以來、うたは花鳥の使い--男女の仲立ちのことば--でしかなかつたし、道綱母のいうように古物語の世界はただの「そらごと」=虚妄ばかりであつた。散文のことばの作り出す "時間" "空間" はトータルに整合的に構築されていなければならない、という思考は、紫式部を除けば、まだこの時代の女性たちのものではなかつた。そして、和泉式部もまた例外ではなかつたはずである。(新潮日本古典輯成「和泉式部日記、宸翰本和泉式部集」解説 (野村精一))
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