■「ゴガクル」サイト終了のお知らせ■
長い間、みなさまの学習にお役立ていただいてきた本サイト「ゴガクル」(株式会社NHKエデュケーショナルが運営)は、 2025年9月30日 正午をもって終了することになりました。これまでご利用いただき、誠にありがとうございました。 続きはこちら>
まいにちドイツ語「Österreich-Impressionen」から「今日の学習項目」と「レベルアップの鍵」のおさらい23
Erinnerungskultur
★今日の学習項目
1.単語の意味
Das Bestattungswesen verfolgte seit jeher das Ziel, trauernden Hinterbliebenen einen angemessenen Zugang zur Welt der Verstorbenen zu ermöglichen.
葬儀業界は昔から、悲しみに暮れている遺族が亡くなった人の世界を偲ぶことができる、ふさわしい方法を見つけることに取り組んできました。
この文のdas Bestattungswesenは「葬儀業界」と訳してある。die Bestattungは「葬儀」という意味で、das Wesenは「組織」という意味である。Wesenがこの意味になるのは、もっぱら複合名詞の場合で、例えばdas Schulwesenと言えば「学校組織」のことである。「葬儀組織」では馴染みがないので、同じ意味合いになる「葬儀業界」と訳してある。
2.付加語の構造について
Nicht zuletzt durch architektonisch aufwendig gestaltete Grabdenkmäler und ein klar verständliches Wegesystem entwickelte sich der Zentralfriedhof nach und nach zu einem Anziehungspunkt für die Bürger.
とりわけ手の込んだ構造で造られた墓石やわかりやすい案内表示のおかげで、中央墓地は次第に市民を引き寄せるようになりました。
この文のarchitektonisch aufwendig gestaltete Grabdenkmälerという語句では、3語から成る付加語が名詞Grabdenkmälerの前についている。その付加語の構造をよく観察してみると、最初の2語には格変化語尾がなく、最後のgestaltetには変化語尾がついている。このことから、この付加語はarchitektonisch aufwendigとgestalteteの2つの部分からなっていて、名詞の直前にあるgestalteteはGrabdenkmälerを修飾していることがわかる。architektonisch aufwendigは名詞を修飾しているのではなくて、gestaltetを規定している。gestaltete Grabdenkmälerだけでは「形作られた墓石」という意味で、「どのように形作られているのか」という部分が足りないので、architektonisch aufwendig「建築的に手の込んだ」という意味がgestaltetに加えられている。このように、付加語の中には、内部の構造がいくつかの意味の部分に分かれ、それぞれの間に従属的な関係があるものがある。
同じ文の中にあるein klar verständliches Wegesystemという語句のklar verständlichという付加語にも、同様の構造がある。verständlichはWegesystemを修飾している語で、klarはそのverständlichを修飾している。
★レベルアップの鍵
⇒これからドイツ語の学習を継続していくうえで大事な視点①
語学力を測る基準とも言える語彙、あるいは語彙力については、これからは量だけではなくて、質の改善と向上にも努めること。具体的には、数を増やすために新しい単語をサンプリングして暗記するだけではなく、これまでに覚えてきた資産である単語の内容を改めて検証する。それが「質の改善」につながる。
見直す項目としては、まず覚えている動詞の結合価がある。使おうとしている動詞が何格の目的語を必要としているのか、あるいは特定の前置詞格を要求しているのかということを、意味と同じようにすぐわかるようにすること。また、単純な目的語との結合だけではなくて、例えばdass文とかzu不定詞句などをよく伴うことがあるなど、特定の構文を作ることがあるか否かという知識も大事である。これは名詞についても同じことが言える。
頭の中に入っている「資産」を数倍、有効活用するための方法の1つが、造語法の知識である。今回のテクストの中にもder Touristとder Komponist、あるいはder Liebhaber、der Lieblingなど、造語の知識があればすぐに対応できる単語が使われている。いずれも語尾に素性を示す印がある。-istという語尾をつけた名詞は職業(特に音楽家)、活動、ある集団に属する人物、特徴的な態度を取る人などを表している。-erという語尾の場合は男性名詞になり、職業(Bäcker)、性格(Spötter)、出身国(Japaner)、行為者(Reisender)、道具(Schraubenzieher)などを表す。-lingは男性名詞になり、性格、行為、職業などを表す。語によっては否定的な意味合いを持つ場合もある。
造語は語尾だけで行うわけではないが、注意深く単語を見ていくと、一定の規則が浮かんでくる。現在の語彙力に造語の知識を加えていくことによって、「質の向上」を図ることができる。
_________________________________________________________