■「ゴガクル」サイト終了のお知らせ■
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Visiting “The Special Exhibition Lascaux: The Cave Painting of the Ice Age” of Kyushu National Museum (2)
Mural paintings of Lascaux cave were said to be particularly the most excellent ones, among those which Cromagnonians had drawn, on the perspective of their richness of colors, techniques, and the number (about 600 animals) and the size of drawn animals. They were full-scale, to less than one millimeter accuracy replicas, thanks to the latest techniques such as a three dimensional laser and artists’ work taking massive time. In this exhibition, people in general like us can have a look at the interior of the cave even researchers aren’t allowed to enter these days.
Refined ochers were used as a pigment, and line carving was combined. With line carving, huge bulls and horses running with short steps and neighing were expressed lively. Our ancestor, Homo sapiens, achieved art with fertile creativity 20,000 years ago. I don’t have a layman’s knowledge and ability when it comes to painting; however, is it human instinct to draw a picture?
How did they draw a picture on the place of two meters high in a dark cave? In fact, they already used a lamp with animal fat. It is said that they also used a ladder or a long brush and painted a picture as a group.
Moreover, Cromagnonians’ artistic carvings and various tools were displayed in this exhibition. For example, an accessory of a bison licking its body, made of a reindeer’s horn, looks so cute. The shape of a horse was carved on a spear; it is very stylish as a weapon. Cromagnonians made a needle from an animal’s bone and sewed clothes out of an animal’s skin and fur. They really demonstrated their formidable talents!
ラスコー展に行ってきた!(2)
ラスコー洞窟の壁画は、クロマニョン人が描いた数ある壁画の中でも色彩の豊かさや、技法、そして600頭とも言われる描かれた動物の数と大きさなどが格別に素晴らしいそうだ。それを3次元レーザースキャンなど現代の最新技術と、アーティストらが膨大な時間をかけ、手作業で1ミリ以下の精度で実物大の洞窟壁画のレプリカを完成させた。この展示で、私達一般の者が、研究者ですら入ることができない洞窟内部の世界を体験することができる。
精製した黄土を顔料として使った彩色と線刻を組み合わせた壁画は、線刻ならではの繊細な表現で、巨大なウシや、小走り、いななくといった躍動感あふれるウマの姿が見事に表されている。2万年前の私たちの祖先、ホモ・サピエンスは、豊かな創造性で芸術を作ったのだ。私は絵心は全くないが、絵を描くというのは人間の本能なのだろうか?
彼らは暗い洞窟で、それも2mほどの高いところにどうやって描いたのだろうか?実は既に獣脂を使ったランプを使用していた。またハシゴに登って、また何人かの共同作業で壁画を描いたと言われている。
さらにクロマニョン人が残した芸術的な彫刻や多彩な道具も展示されている。トナカイのツノで作ったアクセサリーなどは、体を舐めるバイソンの可愛い姿を模倣している。投槍器には馬の形が彫られていて武器なのになんともおしゃれだ。なんと骨で縫い針を作り、氷河期に毛皮の衣服をまとうことができたのだ。おそるべし、クロマニョン人!
(写真)
左上:「泳ぐシカ」
5匹のシカの頭部が、あたかも群れで川を泳いでいるように見える。
左下「背中合わせのバイソン」
黒いバイソンが反対向きに2頭描かれている。バイソンは春先に冬毛が抜け落ち生え変わるので、この絵は春の姿を表したものと考えられるそうだ。
右上「褐色のバイソン」
右向きのバイソンには7本の線が体に記されている。幾重もの線刻と多彩な色使いとを組み合わせている。
右下「井戸の場面」
長い槍で腹を引き裂かれ、人に向かって角を突き出すバイソンと倒れた人。人の頭はなぜかトリで、ラスコー屈指の謎の一つだそうだ。
アメリカ民主主義さん、
考古学に興味があるだけで専門ではないのでわかりませんが、ラスコー洞窟は地下に広がっている洞窟です。閉ざされたことで、保存に適した条件(ある程度乾燥していてカビが発生しない、生物の吐く二酸化炭素の量は少ないなど)が整っていたのでしょうね。
shaberitaiさん、
同感です。お皿の模様にしたいぐらいの素敵な絵もありました。
(続く)
「アルタミラ洞窟壁画」は、同じくクロマニヨン人が描いたものですね。私は「ラスコー洞窟壁画」について調べていて、初めて知りました。どちらも旧石器時代に描かれたものだと言われていますが、ラスコーの方が少し古いと思います。「アルタミラ洞窟壁画」のレプリカは世界で3箇所にあります。
• アルタミラ博物館(現地)
• 国立考古学博物館(スペイン、マドリード)
• ハビエル城博物館(三重県志摩市の複合リゾート施設「志摩スペイン村」のテーマパーク「パルケエスパーニャ」内)
今週伊勢に行くので、博物館だけでも見てこようかな?
temariさん、
そうなんです。壁画だけでなく、アクセサリー、狩猟用の武器、その他生活用品もたくさん出土していますね。トナカイの角から作られた「体をなめるバイソン」のアクセサリー、本当に可愛いです。
peko-san,
Although I’m not artistic, our ancestors were! So is my son…
(続く)
こちらこそ、読んでいただいてありがとうございます。わざわざ九州まで足を運んだ甲斐がありましたー
NZ loveさん、
以前、ネアンデルタール人のことを書いたことがありますが、クロマニヨン人は、やはり私たちの祖先のホモ・サピエンスに分類されるだけあって、かなり文明の差がありますね。滅びる種と生き残る種の違いを感じます。ただネアンデルタール人とクロマニヨン人の混血もいたそうです。こうして種を保存していくのですね。
ちばけんさん、
はい、旧石器時代の氷河期です。毛皮は欠かせないですね。裁縫技術もすごいです!
Charさん、
たまたま少年の犬が穴に落ちて、お友達と救助していた際に見つけたようです。お手柄ですね。遺跡って結構偶然発見されることがあり、面白いですね。
それにしても実物を見つけた少年、2万年以上も前のものと知った時は驚いたでしょうね。
まさに、「恐るべし、クロマニョン人!」
今の抽象画にも通じるものがあるように思えます。