■「ゴガクル」サイト終了のお知らせ■
長い間、みなさまの学習にお役立ていただいてきた本サイト「ゴガクル」(株式会社NHKエデュケーショナルが運営)は、 2025年9月30日 正午をもって終了することになりました。これまでご利用いただき、誠にありがとうございました。 続きはこちら>
[SAT ADDS "ADVERSITY SCORE"] -Friday, May 17, 2019-
「SATの『逆境点数』を加算」-(アメリカ大学適性試験に大きな変更)-
*(今週1週間は、アメリカのABCニュースを取り上げます。キャスターはごく普通の日常会話で語るので、ときに文法的な規範から外れることもありますが、あまり気にすることなく、解説を参考に生き生きとした英語に触れてください。
英語タイトルのSAT ADDS "ADVERSITY SCORE"は「SATの『逆境点数』を加算」です。日本でも、大学入学共通テストにおける英語民間試験導入で経済格差が大きな問題になると指摘されていますが、アメリカの大学入試では一体何が起こっているのでしょうか。
今回のニュースには、いくつもの熟語が出てきます。これらの表現を覚えて、大学入試のあり方について考えてみましょう。)
This morning, there's a big change for the SATs. A new system is giving test takers a score based on the hardships in their lives. The so-called adversity score is calculated from 1 to 100, factoring in the crime rate and poverty level in the students' neighborhood, as well as their parents' income. The College Board, which oversees the SAT, says race is not a factor in that scoring.
The scores will not be revealed to test takers, but schools will see the numbers when reviewing college applications. Fifty colleges and universities have already tested out the program, and the College Board plans to expand the score to 150 schools this fall.
The change comes with America's college admission system in the spotlight as dozens of wealthy parents face charges for allegedly paying large sums of money to get their kids into elite universities.
Some educators say the new scoring system is a step in the right direction, and helps level the playing field.
今朝は、SAT(アメリカの大学進学適正試験)が大きく変わるというニュースをお伝えします。新しい方式では、受験生の生活の困難さに応じて点数が与えられます。このいわゆる「逆境点数」は、受験生が住んでいる地域の犯罪率や貧困水準、それに親の所得といった要素を計算に入れて、1から100の数字を算出するものです。SATを運営する「カレッジボード」(アメリカ大学協議会)によりますと、この採点方式では受験生の人種は計算に入れないということです。
こうして算出された点数は、受験者には知らされませんが、学校側は入学願書を審査するときに見ることになります。すでに50の大学がこのプログラムを試験的に導入していて、「カレッジボード」はこの秋、逆境点数を採用する大学を150校まで拡大する考えです。
今回のSATの変更は、数十人に及ぶ裕福な親たちが一流大学に子どもを入れるために大金を支払ったとして罪に問われ、アメリカの大学の入学選考法が注目を集めたことがきっかけです。
これを受けて、教育関係者の中には、新しい採点方式は正しい方向に踏み出す第一歩で、(入試における)競争の条件を平等にする助けになると話す人もいます。
[VOCABULARY]
-[SAT]=[Scholastic Aptitude Test]⇒[Scholastic Assessment Test]=[SAT]
-[test taker]受験者
-[hardship]困難
*(SATは、もともとはScholastic Aptitude Testの略称でしたが、1990年にScholastic Assessment Testに変わり、現在はSATが使用されています。民間のCollege Board「カレッジボード」(米国大学協議会)がアメリカの大学への進学希望者を対象に行う、全国共通の「大学能力評価試験」で、日本では「大学進学適性試験、大学適性試験」などとも訳されています。毎年200万人が受験します。)
-[so-called …]いわゆる…(通称・俗称を紹介するときに使います)
⇒[the so-called adversity score is …]いわゆる「逆境点数」は、…
⇒[a so-called expert]専門家と呼ばれている(が、話者/筆者がその人を専門家として認めていないことを示唆している)⇒文脈によっては「本来そう呼ぶに値しないが」と軽蔑・不信の念を込めて使うときもある。
-[adversity]逆境
⇒[adversity score]逆境スコア、正式には[Environmental Context Dashboard]
-[calculate]計算する
-[factor in-]~を計算に入れる
-[crime rate]犯罪率
-[poverty]貧困
-[neighborhood]近所
⇒[one's neighborhood]~の自宅近辺
⇒[neighbor]近所の人/隣人、文脈によっては「隣国」
-[A as well as B]BだけでなくAも、=(BよりAを強調している)
⇒[A and B, as well as C](AとB)とC、=(A,B and C)3項目を並列している
-[income]所得
-[the College Board]「カレッジボード」(米国大学協議会/民間運営)
-[oversee]監督する/運営する
-[race]人種
*(adversity score「逆境点数」に算入されるのは、前文の3つ(受験生が居住している地域の犯罪率や貧困水準、親の所得)を含む全15項目ですが、その中に「人種」は含まれません。)
-[reveal](これまで非公開にしてきたものを)明らかにする、公開する/開示する
-[the scores]=[the numbers](逆境スコアの)点数
-[review]審査する
-[application]願書、(適用/応用)
-[colleges and universities](ここでは、広く一般に)大学
⇒collegeは、米国では、広義に「大学」一般を指す場合と、総合大学の「学部」や「単科大学」を指す場合があります。英国では、オックスフォード大学やケンブリッジ大学などの総合大学を構成する独立した「コレッジ(カレッジ)」を指す場合と、「専門学校」を指す場合があります。
-[test out-]~を試す、~を試行する
⇒全ての大学がこの方式の採用を決めているわけではありません。出願者の個人情報はすでに十分あるので、こうした評価方式の必要を感じないとしている大学もあります。
-[admission]入学者選考
-[be in the spotlight]注目の的になって、脚光を浴びて
-[face charges for-]~の罪で告訴される
-[allegedly]申し立てによると
*(今年3月、有名女優や企業の最高経営責任者など50人以上が、自分の子どもをアメリカの名門大学に入学させるために合計で2,500万ドル(約28億円)を支払ったことが明るみに出て、大問題になりました。賄賂を使い、SATなどの学力テストで替え玉受験をさせたり、誤答を正解にこっそり直してもらったり、 運動選手であるかのように偽ってスポーツ推薦を得たり、学習障害を装い時間を延長してもらったりした不正が2011年頃から続いていたのが、暴露され裁判になったのです。)
-[a step in the right direction]正しい方向に踏み出す一歩
-[level]平らにする/水平にする、同じレベルにする
-[playing field]競技場、競争の条件
⇒[level the playing field]競争の条件を平等にする
⇒[a level playing field]水平な競技場、公平な競争条件
*(「逆境スコア」を加算する採点方式とは、貧困地区の一人親家庭で育った子が、与えられた境遇で精いっぱい努力してある成績を出したなら、その成績を境遇の恵まれた子の成績より高く評価することが「競争の条件を平等にする」助けになるということです。このような考えに対し、学力テストでは純粋に学力だけを見るべきだという主張も多く、この新システムには賛否両論があります。)
[KEYWORD]
-[adversity]逆境/不運、困難/困難な出来事、災難
*. adversity score 「逆境点数」
1. Online search engines have had the adverse effect of making us less likely to try to remember facts and information.
オンラインの検索エンジンの弊害は、私たちが事実や情報を記憶しようとしなくなってきたことでしょう。
-[adverse]不利な/好ましくない
⇒[adverse effect]悪影響
-[adversely]逆に、不利に
⇒[adversely affect-]~に好ましくない影響を及ぼす、~に不利に働く
2. The president's proposal for healthcare reform was opposed by his adversaries at every opportunity.
大統領の医療制度改革案は、ことあるごとに政敵の反対に遭ってきました。
-[adversary]敵対者/敵
-[at every opportunity]ことあるごとに
3. Jose overcame adverse circumstances to become the first member of his family to attend a university.
ホセは逆境を克服して、家族で初めて大学進学を果たしました。
⇒[adverse circumstances]逆境
攻略!ABCニュース英語
★[2019/4/15]米不正入学事件で女優ら出廷
H☆Mさん | 2019年4月21日のおぼえた日記
/mypage_424177/diary/2019-04/21.html