<パリ白熱教室 3回目>
3回目はトマ・ピケティー教授の教育格差による不平等である。
技術の進歩が、高スキルの労働者の需要を増大させるが、高いスキルは高い教育によって得られるので、教育格差が所得格差につながる。
驚いたのは、各国の大学授業料。アメリカのハーバード大学は年間44,000ドル(約530万円)も必要である。これに対してパリ経済大学はEC圏内の学生であれば無料の場合もあるという。最高でも海外留学生と同じ約1万ユーロ(約132万円)である。
一方、日本の国立大学は54万円、私立でも文系であれば100万円である。
この結果、ハーバード大学の学部生の親の平均年収は45万ドルで、所得分布のトップ2%に位置するという。要は、親に相当な収入がないとハーバードが大学にはいれないということだ。
一方で、スキルが低い労働者は買いたたかれ、低賃金になりやすい。雇用者が絞られて、求職者が多いと、市場のメカニズムから賃金が下がってしまうので、これを補正するのが、最低賃金制度である。また、あえる一定以上の賃金が保証されるので、労働供給を促すという側面も持つ。
この1時間あたりの最低賃金の国別比較も面白い。アメリカが7.2ドル(約850円)・日本は780円とほぼ同等であるのに対して、フランスは9.5ユーロ(約1300円)とやや高い。
さて、この最低賃金であるが、戦後まもなくはアメリカの方がフランスより高かった。これが、フランスはインフレの都度増加させていったのに対して、アメリカはインフレでも金額の変えなかったので、今日の差がついたという。
面白いことに、ドイツは最低賃金の導入をこれから行う予定であり、北欧はこの制度がないそうだ。労働組合に守られているので不要との話である。
最後に、上位1%の所得者が、国民の総所得のどれだけを占めるかの国別時系列の推移である。アメリカやイギリスでは1980年台から今に至るまで増加傾向である。これはレーカノミクスやサッチャー改革で高額納税者の最高税率が引き下げられたことも原因であるが、CEOが幸運による収益までを自分の報酬としたことも大きい。
これに対して、フランスや日本は1940円台から横ばいとなっている。また、新興国(インドや中国では近年、上位所得者の占有率が増加している。
共産党国家が所得格差の小ささで資本主義国のフランスや日本に負けるなど、マルクスは夢にも思っていなかっただろう。周近平政権が高級官僚の腐敗撲滅を推進する理由もよくわかる。
<2015年フランス語講座応用編> Amour sans frontiére
Leçon4 Présentation
★ ポイント解説
Je vous jure
まったくもう(激おこ) jourerは誓う
★ 語句
mec 野郎
★くだけた表現
Quelle question!
そんなこと聞く?(くだらない質問だ!)
まったく同感です。
日本でも私立の医学部の学費は高額で金持ちの子息しか行けませんが、ハーバード大学がそれ以上ですね。
ただ、幸いなことに、大学の授業はネットで聴講することができるものもあります。人文科学のスキルは、授業料を払わなくても得られるかもしれません。
「ごめんよ~(泣)お金が無くてハーバードにお前を通わせることができないんだよ!」という人がいるかもしれないのですね?
でも日本でも、大学入学までにかける塾代などの教育費だけでも、
やはり「ある程度以上の親の経済力」は絶対必要だとつくづく思い知らされます。
どこの国も生活していくので「いっぱいいっぱい」の人たちには、高いスキルを身につけるのは簡単なことではないですね(T_T)格差社会は簡単には解決できません。