この夏は2泊3日で釜山に行ってきた。「イラッとくる韓国語講座」のテキストに学習の進め方の例が載っていて、ハングルをはじめて4ヶ月目には「韓国に行く」と書かれていた。すでに2年半経ってしまっている私だが、初めての韓国旅行だった。
本当は行くべきだったはずの4ヶ月目がどういう状況かを振り返ってみる。私がやった初級Ⅰの教科書は半年で終わる内容だったから、その約7割が終わった時期だ。
教科書を引っ張り出して確認してみると、ハングルの読み書きが出来、現在形の「です・ます」が出来、数詞で苦労しながら、過去形と敬語を少しかじりつつ、逆説(~만)、確認(~지요)、希望(~고 싶다)、理由(~서)、条件・仮定(~면)、許可求め(~도 돼요?)くらいを覚えたかなというレベルだ。
釜山に行ってみて、まず4ヶ月という時期の正しさを実感。これはちょっとした文法事項を覚えたレベルというよりは、ハングルが単なる記号に見えるレベルでなくなり文字に圧倒されないという意味で、まさに旅行に良い時期かもしれないと思った。
韓国に行ってハングルばかりの街を見ても圧倒されない。これは非常に安心感があった。看板などはほとんど漢字語なので、ちょうど漢字の単語がローマ字で書かれているような感覚だった。覚えていない漢字語も看板に書かれていると類推できるし実感が沸くので頭に入りやすい。
初日は朝8時にフェリーで博多を出発。昼前に釜山港に着くので昼飯は釜山で食べた。夕飯は行きたかったホルモンの店を探して行った。日本語は通じないけれどメニューが読める。「ただ読めるだけ」という状態でも、そのアドバンテージは非常に高い。店員さんにちょっとしたことをハングルで聞いては、お互い身振り手振りで会話した。
二日目はKTXで慶州まで足を伸ばし世界遺産を見物。良洞村では日本語の上手なパクさんが日本語で説明してくれた。北海道に留学していたことがあるとか。
慶州からの帰りはローカル線で機張に立ち寄り。ローカル線はハングルのみの販売機でカードも使えず結局窓口でハングルの筆談をして購入。機張ではタクシーで韓牛の名店へ。
その店は山奥なのでタクシーの運ちゃんに電話して詳しい場所を店に聞いてもらった。ガイドブックの漢字が読めない運ちゃんだったが、やはり名店だからか電話したら運ちゃんの知ってる店だった。その店も日本語は通じない。しかし「ロース」を表すハングル(안심)も知らず、「ロース」と英語で伝わった。
食べ終わって「タクシーを呼んでください」という旅行会話の基本中の基本をここ一番でしゃべろうとしたが「택시를」とそこまで言っただけで、すべて通じてしまったので例文全部はしゃべらなかった。しかし「呼ぶと1000ウォンプラスになりますがいいですか?」と聞き返されてちょっとあせった(1000ウォンにじゃなくハングルの質問に)。
最終日はフェリーが16時出航だったので午前中は甘川文化村へ。二日目に行ったのは昔の村だったが、こちらは釜山のマチュピチュと呼ばれるアーティスティックな現代の村。せっかくだからバスに乗った。降りる場所がさっぱり分からず運転手に小学校のところで降りたい旨伝えた。希望(~고 싶다)の出番だ。どこをとっても絵になる村だった。
そんな駆け足旅行だったが、ハングルが読めるだけでかなり楽だと分かった。4ヶ月といわず、ハングルを覚えたらすぐ行ったほうがいいかもしれない。
それと漢字語を優先的に覚えるほうが効率的だとわかり、釜山の書店で小中学生用の新漢字辞典『한자 新千字 사전』を購入した。イラストあり、漢字の意味や語源ありで、コーパス的な視点で選ばれた千の漢字をハングルで学ぶ辞典だ。奥付を見ると初版が2007年で2011年に6刷となかなかのロングセラーだったのも信頼感ありだと思った。
それと日本ではなかなか入手困難なハングル字幕付きの日本映画DVDを3枚買った。ワゴンセールで安かったため、ポルノDVDをかき分けかき分け中山美穂主演「LOVE LETTER」、志村喬主演の「生きる」、高倉健主演「駅」の3枚を発見して購入した。全部見たが、やはり日本語で聴きながらハングルを読むというのは非常に気持ちがいい。これはクセになる。次回もきっと買って帰ることになりそうだ。次回はそう遠くない気がする。
ほんの三日の釜山旅行だったが、ハングルに囲まれていると自然と目に付くハングルを読むクセがつくので読むのが速くなる。読むのが苦でなくなるのは非常にありがたい経験だったし、ハングルが分からない連れに頼られると頭もフル回転して良い。やはりもっと早く行くべきだった。
苦労したのは銀行の開店時間以外に両替が出来ないことだった。日本以上に両替所がない。欧州とはずいぶん違った。もう少し現金を持っていくべきだった。機張の韓牛の店は高額のはずだったので緊張したが、カードが使えたため思い切り食べた。しかし文化村では買いたいと思う絵があったがカードが使えず買えなかった。
今後はもっと日本語も英語も通じない村や島に行って見たいと思った。なんとかなると思う。今後も漢字語を中心に語彙を増やしていこうと思う。筆ペンで。
でも「택시를」までしか言わせてくれないのは、くやしいですね(笑)
お店の人、素朴で親切だからこそ、先回りしてしまったんですね。いい旅ですね~。
とても素晴らしい釜山、慶州旅行記でした。
そうですか、漢字語ですか。お求めになった漢字辞典良いですね~。
そしてハングル字幕付きの日本映画DVD、こちらも欲しいなと思いました^^