おぼえた日記

2019年4月9日(火)

He announced his retirement from the sumo ring, feeling a limit of his physical strength.
彼は体力の限界を感じて、相撲界からの引退を表明した。

この feeling は because he felt と書き換えることができる。feeling の1語に理由の接続詞と主語と時制(過去)のすべてが凝縮されているから、使うのには便利である。そう考えると、次のような分詞構文は中途半端なものに思えてこないだろうか。

When being asked about his biggest rival, he named Akebono.
最大のライバルは誰かと聞かれて、彼は曙の名を挙げた。

これは次のような分詞構文の書き換えの過程で、①の段階にあるように感じる。

When he was asked about...

→ When * being asked about... ①
→ * * Being asked about... ②
→ * * * Asked about... ③

しかし、歴史的にはまったく逆である。分詞構文は古英語期にその萌芽が確認され、中英語期(1100~1500年)で現在のような形を完成させていた。①の When being asked…は、元の形に時の接続詞を補ったものにほかならない。では、分詞構文の歴史的な経緯を見ていこう。

分詞はもともと形容詞として、特定の動詞のあとに置かれて、「~しながら」の意味で使われていた。

come running      走ってやって来る
sit smoking      タバコを吸いながら座っている
lie sleeping      眠ったままでいる
stand looking at a dog 犬を見つめている

分詞構文への移行は、これが土台になっている。

He sits smoking. ④

→He sits smoking a pipe. ⑤
→He sits in an armchair smoking a pipe. ⑥
→He sits in an armchair, smoking a pipe. ⑦

分詞はもともと目的語をとらなかったが(④)、次第に目的語をとるようになった(⑤)。次に、副詞句(in an armchair)が割って入り(⑥)、分詞要素(smoking a pipe)が主動詞から離れた。これが独立した要素である印象を与えるようになると、最終的に構造が2分された(⑦)。これが分詞構文の変遷である。

KANNA さん
ほんとに、びっくりですよね~。

私にとって苦手な単元なのですが、衝撃的な解説により(笑)楽しくなってきました。
2019年4月10日 8時11分
YOICHI さん
分詞構文にも歴史あり、なのですねえ。想像したこともなかったけど。
①→②→③ではなく逆だなんて、またまたびっくりです。
2019年4月9日 15時05分
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