He announced his retirement from the sumo ring, feeling a limit of his physical strength.
彼は体力の限界を感じて、相撲界からの引退を表明した。
この feeling は because he felt と書き換えることができる。feeling の1語に理由の接続詞と主語と時制(過去)のすべてが凝縮されているから、使うのには便利である。そう考えると、次のような分詞構文は中途半端なものに思えてこないだろうか。
When being asked about his biggest rival, he named Akebono.
最大のライバルは誰かと聞かれて、彼は曙の名を挙げた。
これは次のような分詞構文の書き換えの過程で、①の段階にあるように感じる。
When he was asked about...
→ When * being asked about... ①
→ * * Being asked about... ②
→ * * * Asked about... ③
しかし、歴史的にはまったく逆である。分詞構文は古英語期にその萌芽が確認され、中英語期(1100~1500年)で現在のような形を完成させていた。①の When being asked…は、元の形に時の接続詞を補ったものにほかならない。では、分詞構文の歴史的な経緯を見ていこう。
分詞はもともと形容詞として、特定の動詞のあとに置かれて、「~しながら」の意味で使われていた。
come running 走ってやって来る
sit smoking タバコを吸いながら座っている
lie sleeping 眠ったままでいる
stand looking at a dog 犬を見つめている
分詞構文への移行は、これが土台になっている。
He sits smoking. ④
→He sits smoking a pipe. ⑤
→He sits in an armchair smoking a pipe. ⑥
→He sits in an armchair, smoking a pipe. ⑦
分詞はもともと目的語をとらなかったが(④)、次第に目的語をとるようになった(⑤)。次に、副詞句(in an armchair)が割って入り(⑥)、分詞要素(smoking a pipe)が主動詞から離れた。これが独立した要素である印象を与えるようになると、最終的に構造が2分された(⑦)。これが分詞構文の変遷である。
私にとって苦手な単元なのですが、衝撃的な解説により(笑)楽しくなってきました。
①→②→③ではなく逆だなんて、またまたびっくりです。