Politica Italiana
Sistema elettorale italiano イタリアの選挙制度
La nuova legge elettorale "Il Porcellum" 新選挙法のミソ
昨日イタリアの選挙制度について書きましたが、本当は続きを書くつもりが現在のイタリアの選挙法について読むのと理解するのに時間がかかってしまいました。
現段階で自分なりに理解したことを書きますので、もしかしたら間違っているかもしれません。
その場合、訂正していただけると非常にありがたいです。
さて、昨日イタリアは基本的に比例代表制度をとっているとお伝えしましたが、2005年の改正後の現在の選挙法は今までの比例代表制とは少し様子が違うようです。
色々特徴的な点がありますが、まず現選挙法 Porcellumについて書いておこうと思います。
発音はポルチェッルゥムと発音します。
みなさん、ご安心を。
これはporcello をラテン語風にもじった造語なのでみなさんの辞書にはのっていないと思います。
さて、なぜ今の選挙法がporcelloと呼ばれているのかというと、この法の発案者、カルデローリ議員がとあるテレビのインタビュー中に "una porcata" 「きたない法だ」と発言したからです。
porcelloとは豚の意味もあるので、選挙についての記事でよく豚のイラストが描かれているのはこういうわけです。
なぜ「きたない」のかはあとでわかりますが、元老院(Senato)と代議院(Camera)では少し状況が違いますので別々に書こうと思います。
Caso del Senato 元老院の場合
州(人口が多い州などは州内ではさらに2、3区と分けられている)ごとに選挙区が分けられ、各選挙区ごとに比例代表制度に基づいて選出されます。(だだし、ヴァッレ・ダオスタ州とトレンティーノ=アルト・アディジェ州は小選挙区制)
選挙区ごとに議席の定数は決まっています。
拘束名簿式(sistema delle liste bloccate)で有権者が政党名を記入し、その票数にもとづいて各党に議席を割り当てます。
日本でもそうですが、名簿の順番は各政党側が決めるので有権者が直接どの候補者を当選させるのかを決められないという仕組みになっています。
党内のパワーバランスで順位は当然決まるわけで、いくら有権者に嫌われていても名簿の順位が上ならば、当選する可能性が高いということです。
これが一つ目の「きたない」。
ちなみに非拘束名簿式はイタリア語ではvoti di preferenza と呼ばれています。
ご褒美システム premio di maggioranza
日本では「プレミアム制」と呼ばれていますが、
この新しい選挙法、polcellumではその選挙区で過半数、もしくは一番多く票をとった党(もしくは連合政党)にその選挙区に与えられている議席のうちの55%を与えるというシステムがあります。
これによって、一番多く票をとる政党の議席数がすでに選挙前に決まっているのです。
内訳はこうなっています
ピエモンテ州 定数22 一位の政党獲得議席 13
ロンバルディア州 定数47 一位の政党獲得議席 26
ヴェネト州 定数24 一位の政党獲得議席 14
フリウリ・ヴェネツィア・ジュリア州 定数7 一位の政党獲得議席4
リグーリア州 定数8 一位の政党獲得議席 5
エミリア・ロマーニャ州 定数21 一位の政党獲得議席 12
トスカーナ州 定数18 一位の政党獲得議席 10
ウンブリア州 定数7 一位の政党獲得議席 4
マルケ州 定数8 一位の政党獲得議席 5
ラツィオ州 定数27 一位の政党獲得議席 15
アブルッツォ州 定数7 一位の政党獲得議席 4
モリーゼ州 定数2 一位の政党獲得議席 1
カンパーニア州 定数30 一位の政党獲得議席 17
プーリア州 定数21 一位の政党獲得議席 12
バジリカータ州 定数7 一位の政党獲得議席 4
カラブリア州 定数10 一位の政党獲得議席 6
シチリア 定数26 一位の政党獲得議席 15
サルデーニャ 定数9 一位の政党獲得議席 5
気付いた人もいたかもしれませんが、ロンバルディア州の議席数、他の選挙区と比べて異常に多くありませんか?
この仕組み、ベルルスコーニが一枚かんでいる気がしてなりません。
ロンバルディア州はベルルスコーニの地元なのです (=_=)
と、言うわけで事前に55%の議席数は決まっており、あとの45パーセントを比例で割り振っていくことになるのです。
PAROLA DEL GIORNO これなーんだ?
昨日の正解は
marabut
でした
marabuttoやmarabutoとも言われています
本日の単語
situazione nella quale viene garantita a ciascun soggetto parità di trattamento, di opportunità o di condizione giuridica
正解は明日