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じっくり・たっぷり・はじめの一歩 Sonntag. 2. Oktober
ドイツ語語順テカモロの原則
📚 ドイツ語の自然な語順
ドイツ語は、2番目に動詞を置く、他の語順はどうおいてもだいたいよい
しかし、ネイティブが使う自然な語順はある。
▶ tekamolo の順に置く
te → temporal 時間
いつ? Wann? [vanヴァン] when?
ka → kausal [kaυzáːl] causal 原因となる、理由
なぜ? Warum? [varύmヴァルム] why?
mo → modal [modáːl] 方法・手段(様態)
どのように? Wie? [viːヴィー] how?
lo → lokal [lokáːlロカール] 場所
どこで?・どこから?・どこへ
Wo? [voːヴォー] where?
Woher? [vohéːrヴォヘーァ] where … from どこから
Wohin? [vohÍnヴォヒン] where … to どこへ
te・ka・mo・lo の原則とは
tekamolo ドイツ語の文においては、いつ → なぜ → どのように → どこ、の順に置かれる
temporal(時間)、kausal(理由)、modal(様態)、lokal(場所)の頭文字を取って「te・ka・mo・lo(テカモロ)の原則」といいます。
Das Barchen lauft heute wegen seiner Verlezung lagsam in den Wald.
クマちゃんは今日、怪我をしているので、ゆっくり森へ歩いて行く。
●Bärchen [bεːr-ベーァ-] m. 小熊
laufen [láυfənラォフェン] 歩く、移動する
wegen [véːɡənヴェーゲン] ~の理由で because of
seiner [záInər] 人称代名詞3人称単数2格 彼の
Verlezung [fεrlέtsυŋフェァレツング] f. 傷、怪我 hurt
langsam [láŋzaːmラングザーム] adj. ゆっくりと
Wald [valtヴァルト] m. 森 forest
① heute 今日(いつ temoral)
② wegen seiner Verletzung 怪我をしているので(なぜ kausal)
③ langsam ゆっくりと(どのように modal)
④ in den Wald 森へ(どこへ lokal)
これらはte・ka・mo・loの原則に従って、①~④の順になります。
▶ このルールは絶対的なものではなく、文脈やどこを強調するかによって、必ずしもte・ka・mo・loの順番にならないこともあります。
例えば上の文で、理由である怪我を強調したい場合に
Wegen seiner Verletzung läuft das Bärchen heute langsam in den Wald.
のように、本来「いつ」の後に置かれる 「なぜ」を文頭に持って来ることもあります。その場合は動詞、主語、と続いて、残りの語句をte・ka・mo・loに従って配置します。
▶ 例文
明日、私は自転車でカフェに行く
Morgen fahre ich mit dem Fahrrad ins Café.
いつ+動詞+主語+どのように+どこ
動詞は必ず2番目、主語は動詞の近くに置く
それ以外は「時間→理由→方法→場所(tekamolo)」の順に置くと自然である
▶ 助動詞
Ich kann heute Deutsch lernen. 私は今日、ドイツ語を勉強できる
Heute kann ich Deutsch lernen. 今日、私はドイツ語を勉強できる
助動詞が2番目、動詞の原形が最後
主語と動詞以外の語順は tekamolo テカモロ、の順に置く
Nächsten Monat muss ich geschäftlich nach Deutschland gehen.
来月、私は仕事でドイツに行かなければなりません
いつ+助動詞+主語+なぜ+どこ+動詞の原形
助動詞のルール「助動詞+…文末に動詞の原形」は変わりません
主語は動詞の近くに置きます
それ以外の語句は「時間→理由→方法→場所(tekamolo)」の順に置くと自然です。
▶ 理由は副文で伝えることが多い
Morgen gehe ich in die Bibliothek, weil ich lernen will.
明日、私は勉強したいから図書館へ行く
いつ+動詞+主語+どこ+(コンマ以降)副文で理由
「理由(勉強するために)」は、tekamolo語順で1つの文でも作れますが、上記の例のように副文で作った方が自然です。
📚 目的語の位置:「誰に」、「何を」、はどこに入るか
「誰に」「何を」といった目的語が入る場合はどうなる?
▶ 「誰に」は、いつ temporal の前に
「何を」は、なぜ kausal と、どのように modal どこ lokal の前に置かれる。
Ich schicke ihm täglich aus Liebe spontan viele Briefe nach Japan.
私は毎日彼に、愛情ゆえにおのずとたくさんの手紙を日本に送る
●schicken [ʃíkənシケン] 送る send
ihm [iːmイーム] 人称名詞 er の3格 彼に
viele Briefe たくさんの手紙を(4格をとる目的語)
語順
① ihm 彼に(誰に)3格をとる目的語
② täglich 毎日(いつ) temporal
täglich [tɛːklɪçテークリヒ] adj. 毎日の daily
③ aus Liebe 愛情ゆえ(なぜ)kausal
Liebe [liːbə] f. 愛情 love
④ spontan おのずと(どのように)modal
⑤ viele Briefe たくさんの手紙を(何を:4格をとる目的語)
⑥ nach Japan 日本へ(どこへ)lokal
▶ 否定文の場合はどうなる? nicht の正しい位置
昨日、やったので、割愛します。
nicht の位置
全文否定のとき、nicht は一番うしろに置く、しかし場所より前に置く
Er kommt nicht. 彼は来ない
Er kommt heute wegen einer Erkaltung nicht zur Party.
彼は今日、風邪のためパーティーに来ない
全文否定のとき、nicht は、場所(どこ)の前に置く
📚 まとめ:語順のルール
te・ka・mo・loの原則に、目的語や否定が入る場合は、以下の語順になる。
① 「誰に?」・・・Dativ(3格目的語)
② 「いつ?」(Wann?)・・・temporal (時間)
③ 「なぜ?」(Warum?)・・・kausal (理由)
④ nicht(否定文の場合)
⑤ 「どのように?」(Wie?)・・・modal(様態)
⑦ 「何を?」・・・Akkusativ(4格目的語)
⑧ 「どこで?/どこから?/どこへ?」(Wo?/Woher?/Wohin?)・・・lokal(場所)
全部合わせると「Da・te・ka・ni・mo・Ak・lo(ダテカニモアクロ)の原則」になる
●Dativ [dáːtiːf] m. 与格、3格
Akkusativ [ákuzatiːf] m. 対格、4格
Mittelfeld [mítəlfεlt] n.(文法)文の)中域
📝 語順
ドイツ語は語順が自由だから英語やフランス語に比べて簡単だ。(と地獄格変化と最悪文法上の性)と言われる。実際、語順は割と自由です。
Ich liebe dich. 私は君が好きだ
Dich liebe ich. 君が私は好きだ
●dich [dIçディヒ] 人称代名詞 du の4格(目的語)
Ich gehe heute mit meiner Mutter in die Stadt.
(I’m going to town with my mother today.)
私は今日母と街へ行く
→ Heute gehe ich mit meiner Mutter in die Stadt.
→ Mit meiner gehe ich heute Mutter in die Stadt.
としてもまったく問題ない
が
Heute gehe mit meiner mutter ich in die Stadt.
Ich gehe in die Stadt mit meiner Mutter heute.
などの語順は基本的によくない。何がよくないのか、いくつかの規則がある(10個ほど?)
📝 ドイツ語の語順の大原則
▶ ドイツ語は、動詞が文の2番目に来る
(主語は動詞の近くに置きます)
Ich liebe dich. → Dich liebe ich. は言えるが
Ich dich liebe. とはいえない。
▶ 枠構造
動詞っぽい要素が複数ある場合(have been, I can play baseball)過去分詞や助動詞がある場合の本動詞は文末に配置される。英語でドイツ式にするのなら I can baseball play. になる。
(ドイツ語の授業はほとんど出席しなかったが、ドイツ語のかなり難しい文をこの枠構造で説明していた記憶があり大変重要だとは思っていた)語順に関連するが、意味的に重要な語句は後ろ(文末側)に来る(英語も同じ)
Wind-bell hat gestern Abend viel getruken.
風鈴は昨日の夜たくさん酒を飲んだ
●gestern [ɡέstərnゲスタァン] adv. 昨日 yesterday
gestern Abend 昨夜 viel [fiːlフィール] 多く much
この文は英語の have にあたる動詞 haben の3人称単数の活用が文の2番目にきて、文末 getrunken(trinken 飲む、の過去分詞)が文末に置かれて、現在完了形の文を作っている。
▶ ドイツ語では多くの場合普通の過去の事象を表す時には現在完了形を使います。
Das muss Wind-bell unbedingt machen.
それを風鈴はなんとしてもやらなければならない。
●unbedingt [ύnbədIŋtウンベディングト] adv. ぜひとも、絶対 absolutely
muss は話法の助動詞 mussen 3人称単数活用(must)、文末のmachen ~する(do)
2番目に来る動詞と文末に来る過去分詞に挟まれた部分の語順
この2番目に来る動詞と文末に来る過去分詞に挟まれた部分、ドイツ語でいう所の中域(Mittelfeld)での語順についてが、本日の日記のテーマ、ドイツ語の語順についてです。
それでは、やっていきましょう、ですが、紙面の関係で来週することにします。
●Mittelfeld [mítəlfεlt] n. 2番目に来る動詞と文末に来る過去分詞に挟まれた部分
今日の図
動詞は必ず2番目、そして主語は動詞の近くに置きます。
それ以外の語句は「時間→理由→方法→場所(tekamolo)」の順に置くと自然です。(例文の場合は、「理由」の語句がありません)