■ français■
否定の表現は奥が深そうですね。
暗記するしかないと思ってたのですが、フランス語らしさが否定表現にあるのかなと思うと急に興味が出てきて、少し調べてみることにしました。
調べてみようと思ったのはchibikoさんのおかげです^^
★否定表現 (参考図書:「初めてのフランス語 15のエチュード」白水社)
店員:Vous avez de la monnaie?
客: Non, je n'ai pas de monnaie.
Je n'ai qu'un billet de 100 francs.
店員:こまかいお金をお持ちですか?
客: いや、こまかいお金は持っていない。
100フラン札しか持っていないのですよ。
♦ne 〜 pas
pas を辞書で引くと、「歩、歩み」と出てきます。(le premier pas 第一歩)
ne 〜 pas は「一歩も動かない」というところからできた表現みたいですね。
ne のほうはnon と同じ言葉からできていて、英語のno、イタリア語のnon などと同じ仲間です。
Pas question! 問題にならん!
Pas possible! 不可能だ!
Pas encore. まだです。
(Ne)t'en fais pas. 心配しないで。
ne がない否定文を見かけますが、これは否定の意味をもっている ne の影が薄くなり、pasの方が単独で使われるようになったものです。(会話のくだけた表現では、neの省略がよくされる)
♦ne…que しか~でない
今回参考にした本によると、
「ne...que」は「否定というより否定の形をかりた強い肯定」
「~だけは~である」 と、特定の人やもの事柄を強調する表現。
だそうです。
J' aime Catherine. 私はカトリーヌが好き。
Je n'aime [pas] Catherine. 私はカトリーヌが好きでない。
Je n'aime [que] Catherine. 私はカトリーヌしか愛さない。
Je n'ai [plus] d'argent. 私にはもうお金がない。
Je n'ai [que] de la monnaie. 小銭しか持っていない。
d'argent(お金。もとは銀貨の意味)という言葉は、たいてい部分冠詞が使われる。
この語は直接目的補語なので、否定ne〜pas の影響で de (d')に変わる。
それに対して二つ目の文中の、”de la monnaie”(小銭)は形を変えていない。
というのは 「ne 〜 que」が内容的には否定ではないから。
(⇒小銭だけは「持っている」ので de monnaie にはならない)
♦否定のde(不定冠詞、部分冠詞が否定のとき de に変わる理由)
Tu as faim. 君は空腹だ。
Il a soif. 彼はのどがかわいている。
Nous avons raison. 私たちは正しい。
これらの表現(冠詞がない文)を否定にするときは、単にne〜pas を使えばよい。
▷Vous n'avez pas faim? おなかはすいていませんか?
ところが名詞に冠詞がつくと、話がこみ入ってきます。
Il a une voiture. 彼は車を持っている。
(動詞avoir の直接目的補語は voiture 車)
この文をそのまま否定にすると、
× Il n'a pas une voiture. 彼は一台の車は持っていない。
これでは、「車を持っていない」ことを言いたいのか、「1台も持っていない」ことを強調したいのか、「1台ではなく2台なら持っている」「車はないが自転車なら」
と言いたいのか、はっきりしない文になってしまいます。
そこでよけいな誤解を招かないように、数を表す不定冠詞(un,une,des)や、量を表す部分冠詞(du,de la)が、このように直接目的語についているとき、否定ではこれらを[de] に変えるのです。
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Il a une voiture. 君は車を持っている。
○Il n'a pas de voiture. 君は車を持っていない。
♦ ne 〜 plus 「もう(もはや)〜でない」
単なる否定でなく、時間的な経過を頭に入れて話すときに使う。
Je ne suis plus jeune. もう若くはない。
Tu n'es plus seul. もう君もひとりぼっちではない。
♦ ne 〜 jamais 「今までに一度も〜ではない」「決して〜ではない」
これも、時間の流れを意識している。
Il ne porte jamais de chapeau. 彼は決して帽子をかぶらない。
Il n'est jamais content. 彼は決して満足しない。
Etes-vous allé au musée? 博物館へ行きましたか?
Non, jamais ( je ne suis jamais allé au musée).
このようにjamais (一度もない)を単独に使うこともできます。
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plus (英more,most)もっと…;一番…:(否定)もう…ない
jamais(英never)(否定)決して…ない