「『職業としての政治 (マックス・ウェーバー, 1919/01/28)』
Wer die absolute Gerechtigkeit auf Erden mit Gewalt herstellen will, der bedarf dazu der Gefolgschaft: des menschlichen »Apparates«. Diesem muß er die nötigen inneren und außeren Prämien -- himmlichen oder irdischen Lohn -- in Aussicht stellen, sonst funktioniert er nicht. [...] Von dem Funktionieren dieses seines Apparates ist der Führer in seinem Erfolg völlig abhängig. Daher auch von dessen -- nicht: von seinen eigenen -- Motiven. Davon also, das der Gefolgschaft: der roten Garde, den Spitzeln, den Agitatoren, deren er bedarf, jene Prämien dauernd gewährt werden können. Was er unter solchen Bedingungen seines Wirkens tatsächlich erreicht, steht daher nicht in seiner Hand, sondern ist ihm vorgeschrieben durch jene ethisch überwiegend gemeinen Motive des Handelns seiner Gefolgschaft,
暴力を用いてこの世に絶対の正義を打ち立てようとするものは Gefolgschaft (手下ども)、人間からなる »装置« を必要とします。彼はこの装置に nötigen (必要とされる) 内的・外的 Prämien (特別報酬) を、天上の、あるいは、地上の Lohn (報酬) 約束しなければなりません。でないと、この装置は機能しません。[...] 指導者が成功するかどうかは、彼の装置がうまく機能するかどうか、即ち、この装置、かれの手下どもを、うまく動機づけられるかにかかっています。彼に必要なのは赤衛軍、密偵、煽動者であり、これらに特別報酬を継続的に提供するひつようがあります。彼がこれらの条件下に達成したことは、だから、彼が steht nicht in seiner Hand (自由に裁量していいことではなく)、その手下どもの、多くの場合、倫理的にすこぶる卑賤な動機づけによって vorgeschrieben (規定されて) います、」
レーニンが赤衛軍、密偵、煽動者を必要としたように、己の高邁な理想を実現するためには、突撃隊、ゲシュタポ、収容所が必要だ (とヒトラーは考えた)。
あれが、理想とする「美しい国」を実現するためには、権力を奪い取り、そして、維持し続けなければならなかった。そのためには使えるものは何でも使う、統一教会のような美しさとは無縁な装置とも手を結ぶ、それは権力本能が損なわれていない政治家ならば当然のことだ、と言われて (自分で述べたてているだけだが)、うまく反論できない。
装置への対価 (布教に便宜をはかったことがもたらす影響) が集票組織としての働きに見合うものであったかどうか。劣悪な理想には悪性腫瘍のような装置がお似合いだったのでは、そんな気がする。その所為で暗殺されてしまったのは計算違いだったかもな。
「遺稿集『美しい国 日本の使命』は安倍晋三の著書『美しい国へ』のネタ本だとインターネットなどで噂になったが、推測の域を出ていない[13]。(Wikipedia)」というのは初耳でした。