Lesson 107 notのクセ (2) 文脈の否定はカウントしない
notの持つ「クセ」の2つめ。英語では「文脈の否定は勘定に入れない」というクセです。否定疑問文Don’t you ~?と訊かれたときの返答に注意しましょう。「文脈の否定は勘定に入れない= notを無視」して、Do you like ~?と尋ねられたときとまったく同じように答えればいいのです。
アメリカのカンザス州から日本にやって来たJoeが落ち着かない様子なのでRikaが理由を尋ねます。
R: ジョー、どうかしたの?
J: この制服を着ていると、ちょっと暑いんだ。
R: 私たちの学校の制服が気に入らないの?
J: いや、気に入っているんだけど、こんな天気じゃ暑すぎるよ。
R: カンザス州のあなたの学校には制服がないの?
J: うん、ないよ。僕たちはいつもふだん着なんだ。リカ、君は制服を気に入っているの?
R: ええ、そうよ。私はこのセーラー服タイプの制服が好きなの。とてもかわいいし、毎日何を着たらいいのか考える必要もないわ。
J: うーん、それはいい指摘だ。そんなことは考えてもいなかったよ。
R: What’s wrong, Joe?
J: I’m kind of hot in this uniform.
R: Don’t you like our school uniform?
J: Yes, I do, but it’s too hot in this kind of weather.
R: Don’t you have school uniforms at your school in Kansas?
J: No, we don’t. We wear casual clothes. Rika, do you like your uniform?
R: Yes, I do. I like this sailor suit type. It’s so cute, and I don’t have to think about what to wear every day.
J: Umm, that’s a good point. I hadn’t thought about that.
GRAMMAR FOR COMMUNICATION~会話に役立つ文法~
Don’t you like our school uniform? - Yes, I do.
(私たちの学校の制服が気に入らないの? - いや、気に入っているよ)
notのクセ、それは「文脈の否定はカウント(考慮)しない」ということです。
この受け答えを見てみましょう。答える側はYes, I do.(いや、気に入っているよ)と答えていますね。日本語では「気に入らないの?」という質問の「ない」を勘定に入れるため「いや、気に入っているよ」となりますが、英語は質問のnotをカウントせず、Do you like our school uniform?と尋ねられたときとまったく同じ答え方Yesになるのです。
もうひとつダイアログの文を眺めてみましょう。
Don’t you have school uniforms at your school in Kansas? -No, we don’t.
(カンザス州のあなたの学校には制服がないの?-うん、ないよ)
こちらも否定をカウントする日本語は、「制服がないの?」と尋ねられ「うん、ないよ」。でも英語はDo you have ~?と尋ねられたときと同じようにNoとなっていますね。一見複雑そうですが「英語は文脈の否定をカウントしない(=無視する)」と覚えておけば、迷うことはありません。次はもう少しシリアスなケースを考えてみましょう。
「あなたは私を捨てたりはしないよね?」
You’re not ditching me, right?
「もちろん (捨てないよ)」と答えるのは、どちらでしょう?
Of course. / Of course not.
この質問、答えを間違えたらとんでもないことになります。Of course.なら「もちろん(捨てますよ)」になってしまいます。英語は文脈の否定をカウントしないため You are ditching me.に対するのと同じ受け方になるからです。「もちろん捨てないよ」なら、Of course (, I’m ) not (ditching you).としなければなりません。くれぐれもご注意ください。
GRAMMAR IN ACTION~文法の実践~
否定疑問文とその回答です。回答に注意して練習しましょう。
①私たちを手伝いたくないの?-いや、手伝いたいよ。
②マイクのパーティーに行かないの?-うん、行かないよ。
③ヘレンをクビにするつもりはないよね?-もちろん (そのつもりはないよ)。
④知らなかったの?-うん、知らなかったよ。
① Don’t you want to help us? - Yes, I do.
② Aren’t you going to Mike’s party? - No. I’m not
③ You’re not going to fire Helen, are you? - Of course not.
④ Didn’t you know that? - No, I didn’t.
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Dialog 44 初めて自転車に乗る日 The First Day on a Bike
母親(M)が息子(S)に自転車の乗り方を教えています。
Q. How is the boy balancing on the bike?
(男の子の自転車のバランスとりはどう?)
M: まず最初に、自転車に乗ってバランスをとる練習をする必要があるわ。
S: そんなの難しいよ!
M: まだペダルに足を置かないで。片方の足で押して、滑るように進むの。
S: 助けて!
M: ブレーキを使って!いいわ!こつがつかめてきたよ!
S: ここからどうするの?
M: ここからは曲がる練習よ。左じゃなく-右に曲がって。そう!うまい!
M: First of all, you need to practice how to balance on your bike.
S: That’s hard to do!
M: Don’t put your feet on the pedals yet. Push off with one foot and glide.
S: Help!
M: Use your brakes! Good! You’re getting the hang of it!
S: Now what do I do?
M: Now practice turning. Turn right. Not left-right! Good job!
□まず、まず最初に first of all
□~上でバランスをとる balance on~
□それ(をするの)は難しい! That’s hard to do![決まり文句]
□ペダル[アクセント注意] pedal[pédəl]
□一方の足で押して前に出る push off with one foot
□滑走する、滑らかに[静かに、こっそりと]動く (名)(エンジンなしの)滑空 glide
□ブレーキ brake[通常複数。例 put on the brakes(ブレーキをかける)]
★~のこつをつかむ get the hang of ~
こつ hang / key / ropes / secret / trick / recipe/ knack
□ここからどうするんですか? Now what do I do?
□曲がる練習をする practice turning
□うまい!お見事! Good job!
★You’re getting the hang of it!こつがつかめてきましたよ!
励ましの表現。get the hang of~は「~の仕組みが分かる、やり方に慣れる」といった意味のイディオムで、このように現在進行形で励ますことがよくあります。
A: けん玉の調子はどう?
B: 悪くないです、飛行機をやりますよ、ほら!
A: うわー!こつがつかめてきましたね
B: どうも。
A: How are you doing with your kendama?
B: Not bad. Here goes the airplane. There!
A: Wow! You’re getting the hang of it!
B: Thanks.
A: You’re going to have to teach me that trick.
B: It’s easier said than done.
♣ what do I doに強弱をつけて言う Now what do I do?
(ここからどうするんですか?)
副詞Now、疑問代名詞what、動詞doは内容語なので強調し、機能語である助動詞doと代名詞Iは弱め、what do I doは「ワッドゥアドゥー」のような発音で。
あなたは、まず最初に、この低い平均台でバランスのとり方を練習する必要があります。
行ったり来たりして。
いいですね!こつがつかめてきましたよ。
First of all, you need to practice how to balance on this low balance beam.
Go back and forth.
Good! You’re getting the hang of it.
☆back and forth 前後に、行ったり来たり、行きつ戻りつ、往復して
The lead in the match kept changing back and forth.
試合は逆転また逆転の連続だった。
A. He’s getting the hang of it.
毎月起きている『大』自然災害、防災・救済体制整備、急務な課題です。野党がもっと声を上げて議論してほしいものです。
政府はお友達や海外には日本の税金をばらまいていますが、国内の被災者の方々に税金を使うのが優先だと政府に訴えたいですね。