さて、今日は昨日予告したとおりハムザについて取り上げます。
【そもそもハムザって??】
ハムザは日本語で「声門閉鎖音」と呼ばれます。声門を閉じると出ます。
もっと分かりやすく言うと「あっ!」と言ったときの「っ」がそれに相当します。
基本的にはء◁と表記されます。
ハムザには「結ぶハムザ」と「切るハムザ」の2種類があり、それぞれハムザトルワスル(亜:هَمزَةُ ﭐلوَصْلِ◁)、ハムザトルカトイ(亜:هَمزَةُ ﭐلْقَطْعِ◁)といいます。
では、ハムザトルワスルから見ていきましょう。
ハムザトルワスルの場合は常にアリフと一緒に、且つ語頭のみ用いられます。他の語に先行された場合、ハムザはその母音(ア、イ、ウのいずれか)と共に脱落し、代わりにワスラ記号が付され、発音されなくなります。
定義としてはこんな感じです。
つまり、
・ハムザトルワスルはء◁と表記されず、アリフと一緒になるということ
・直前に何か語が来ると発音されなくなる
ということ。大事なのはこの2点でしょうね。
ハムザトルワスルの例として次のようなものがあります。取りあえず挙げてみます。
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定冠詞أَلْ◁のأَ◁
اِسْمٌ◁やاِثْنًانِ◁などの特定の名詞
関係代名詞اَلَّذِي◁などのاَ◁
第1型の命令形、動詞派生形の第7型から第10型まで
の完了形、命令形、動名詞に現れるハムザ
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こんなのを今覚える必要はないですね。特に命令形、完了形、動名詞はまだやっていませんし、派生形も途中までしかやっていません。
ちなみにا◁はハムザの音をはじめ、ありとあらゆる音を表します。アラビア語のアルファベットの中では一番ややこしいです。
では次にハムザトルカトイについて見ておきます。
ハムザトルカトイはハムザトルワスルと異なり、他の文字に先行されても脱落しません。つまり、いつ、どこでも絶対に発音されるというもの。ハムザトルワスルに対し、こちらは少し傲慢ですね。
ハムザトルカトイで注意するのはその音を表すアルファベットです。語頭、語中、語末の3パターンについてまとめておこうと思います。なお、それらが使われている単語などはここでは省略します。
《語頭》
語頭の場合、أَ、◁إِ、◁أُ◁のいずれかで表記されます(「イ」の音はハムザが上に付いているもので表記することは一般的にありません)。
《語中》
語中ではأ、◁إ、◁ؤ、◁ئ◁のいずれかで表記されます。ئ◁を語中に書くときの書き方に注意が必要です。
《語末》
語末ではأ、◁إ、◁ؤ、◁ئ◁を用いて書かれる場合もありますし、ء◁という風にハムザ単独で表記されることもあります。
これらは単語によって異なりますが、これを知っているとアルファベットを見ただけでハムザを発音するのか、省略して良いのかが一目で分かるようになります。
こちらもかなり厳格に規則があるみたいなので1つ1つ覚えていこうと思います。