■「ゴガクル」サイト終了のお知らせ■
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分詞構文は、中英語期になって「時」から「原因・理由・条件・譲歩」などへ用途が広がったが、いずれも when を元とする意味にとどまっている。順を追って見ていこう。
I cannot go when I haven't been invited. (理由)
招待されていないので行けない。
when は文脈によって because の意味にもなるので、「理由」へ移行するのは納得できる。
Come when I call you. (条件)
呼んだらすぐ来い
「私が呼んだときは来い」から「呼んだら来い」になるのは自然の流れで、この場合は when から条件(=if)へ移行している。
Why walk, when you have a car. (譲歩)
なぜ歩くんだい、車があるのに。
「なぜ歩くんだい、車があるときに」と直訳できる。この例からは when が逆説にもなることがわかる。文脈によっては when が譲歩(=though)に移行する。
このように、when は意味の幅が広いので、文脈によってニュアンスに差が生じる。学校文法で「分詞構文は時・原因・理由・条件・譲歩の意味がある」と教えるのは、あくまで日本語の解釈によるもので、ネイティブスピーカーにとって意味の差はさほどないのかもしれないのだ。
次に分詞の位置について見ていこう。実際の例を観察すると、分詞は文頭より、文末もしくは文中にくるほうがはるかに多い。これは、分詞構文がもともと補語(=形容詞)として文末の位置に置かれていたからである。文頭や文中にも現れるようになったのは、副詞句として完全に独立するようになってからなので、まだ歴史が浅い。
Turning to the right, you'll find the building.
右へ曲がると、その建物があります。
分詞の主語が文の主語と異なる分詞構文を「独立分詞構文」と呼ぶが、これについてもかなり誤解されているようだ。
The day being fine, we decided to go swimming.
天気がよかったので、私たちは泳ぎに行くことにした。
The weather having cleared, he went out for a walk.
雨もあがったので、彼は散歩に出かけた。
これは分詞の前に主語を補ったものではなく、ラテン語文法にあった構文を模倣したものである。実際、この2つの例では、理由の接続詞(たとえば since)が抜けるだけで、さほど簡略になっていない。修辞上の効用もあまりないので、通常の英文ではあまり使われない形だ。
🌸苦手な動名詞、過去分詞、分詞構文について、この機にもう少し学びたい。