最終章(作品12)の前の松浦弘明先生のひとことガイド。
「第25〜27室で必ず押さえておかなければいけない作品は、テキストで取り上げたラファエロの「ヒワの聖母」とミケランジェロの「聖家族」ですが、レオナルドを含む彼ら三巨匠が次々とフィレンツェから離れていったのちの絵画様式、つまりマニエリスムの展開にも注目す撃でしょう。Andrea del Sarto, Pontormo, Rosso Fiorentino, Bronzino,といった画家たちが、三巨匠の手法(maniera)のどこをどのように引用し、あるいはいかに壊して、新しい独自の様式を築こうとしたのかを、彼らの作品から見つけ出してみてください。
作品12 Michelangelo, Sacra Famiglia, 1506〜08 circa
ミケランジェロ、「聖家族」1506〜1508年頃
Commissionata da un mercante fiorentino, Agnolo Doni, questa tavola è l’unica pittura attualmente esistente che sia stata realizzata con certezza da Michelangelo prima degli affreschi della Cappella Sistina(1508〜12).
フィレンツェの商人アニョーロ・ドーニによって依頼されたこの板絵は、ミケランジェロがシスティーナ礼拝堂の天井画(1508〜12)以前にかれが制作したと確証のある唯一現存する作品である。