おぼえた日記

2024年4月24日(水)

(28)アメリカの工業化
 Before 1850 the United States did not meet the requirements necessary for industrialization.
1850年までは米国には工業化に必要な条件が整っていなかった。
※単語
necessary 必要なという意味の形容詞、後置修飾語として使うこともある
参考a necessary condition 必要条件
to select something necessary to make a necessary selection 選び分ける
requirement 必要なもの、必要条件

Technological difficulties and deficiencies of transportation had prevented the exploitation of mineral resources.
技術上の困難と輸送機関の不備のために鉱物資源の採掘が妨げられていた。
※単語
deficiency 不足、欠陥
transportation 輸送
prevent 妨げる
exploitation 利用、開発、採掘
mineral 鉱物
resources 資源
Despite an inflow of capital from London and immigrants from Germany and Ireland, the United States in1850 was short of capital and labor.
ロンドンからは資本、ドイツとアイルランドからは移民が流れこんではいたが1850年の米国には資本と労働力が不足していた。
※単語
inflow 流入
immigrant 移民

Population was still too small to provide a satisfactory market for a large industrial structure; and the scattered character of settlement aggravated transportation problems.
人口はまだ乏しく巨大な産業構造に十分な市場を提供することができなかった。
人々が住む場所が分散しているため輸送問題は一層困難になっていた。
※単語
scatter 分散させる
settlement 開拓地、移民部落
aggravate 悪化させる
There were too few trained engineers and factory managers; and the government did little to encourage manufacturing.
熟練した技術者と工場管理者の数はあまりに少なく政府も工業生産促進のための施策はほとんど行っていなかった。
※単語
manufacturing 製造工業
After 1850, a high birth rate , a declining death rate, plus heavy immigration from Europe trebled the population of the United States in fifty years.
1850年を過ぎると出生率の増加と死亡率の減少、さらにヨーロッパからの莫大な移民のために50年間で米国の人口は3倍になった。
※単語
decline 低下する、減少する
treble 3倍にする
It stood at 75,000,000 in 1900, exceeding that of any state in western Europe.
1900年の人口は7500万で西欧のどの国よりも多くなっていた。
※単語
stand at 寒暖計、スコアなどが…である
exceed 超える、超過する
The increase yielded labor needed for industrialization and presented a market for factory products.
この増加によって工業化に必要な労働力が生まれ工業製品のための市場ができあがった。
※単語
yield 産む、もたらす
present 提供する
The supply of capital was also growing.
資本の供給も増加していた。
British money continued to pour in, and was supplemented by domestic funds, accumulated through the piling up of profits.
英国からの資金流入は続いており、それを補うものとして利潤蓄積の結果蓄えられた国内資金もあった。
※単語
supplement 補う
accumulate 蓄積する
With capital and labor available, businessmen were able to improve transportation and exploit natural resources.
資金と労働力を自由に使えるようになった実業家は輸送機関を改善し自然資源を開発することができた。
Improvements in science and technology (notably the rise of the engineering profession) speeded the process, as did the development of managerial efficiency.
科学技術の進歩(特に技術者の職業的地位の向上)は能率的管理の進歩と同様に工業化の過程を促進するものとなった。
※単語
notably 特に、顕著に
engineering 工学技術
managerial 経営上の、管理上の
To top things off, the federal government favored manufacturing after 1860.
最後の仕上げとして連邦政府も1860年以後は工業化に好意的な政策を採用した。
※語句
to top things off 物事をしめくくるために
federal 連邦の
favor 援助する、好意を示す
The industrialization of the United States thus became possible.
このようにして米国の工業化は可能になったのである。




難しい単語がかなりありました。内容的にもイギリスの産業革命は高校の世界史で学習しましたがアメリカの工業化はあまり記憶がありません。
アメリカというとリンカーンのfor the people,禁酒法時代のシカゴのアンタッチャブル、大恐慌とルーズベルト、マッカーサーのGHQ、公民権運動のキング牧師くらいの知識しかありません。

1850年は日本の幕末の頃。黒船来航が1853年、明治維新が1868年です。
南北戦争は1861年4月〜1865年4月で、同時期にアメリカも歴史の大きな転換を迎えていました。

若草物語も南北戦争下のマサチューセッツが舞台です。
モンゴメリの「赤毛のアン」は1880年代のカナダ。
スタインベック「怒りの葡萄」は大恐慌後のオクラホマが舞台。1930年代末の農業の機械化を進める資本家と土地を追われてカリフォルニアを目指す貧困農民の軋轢を扱った人間ドラマ。
エレナ・ポーターの「少女パレアナ」は1920年〜1921年のボストンが舞台。
19世紀半ばの西部開拓時代、過酷な生活で精神を患った妻達を迎えに行き故郷の教会に連れ帰る若い女性が主人公の映画「ミッションワイルド(原題’The Homesman’)」も印象に残っています。(ちなみに西部開拓時代は1803年のルイジアナ購入から1890年のフロンティア消滅までを言う)
アメリカの苦難の中力強く生きて行く人間群にとても惹かれます。
宗教をバックボーンにした善良な市民が束になって実在しアメリカを形作って行ったエネルギーを感じます。
日本の幕末、明治維新の明日の日本を考え命をかけて行動した人間像に重ねて見るところがあります。

◎アメリカの移民の歴史
移民として外国に出て行くのがemigration 、外国から入って来るのがimmigration 。
ケネディ家もジョンFケネディの祖父がアイルランドからの移民の成功者で今や名門セレブです。
ちなみに南北戦争時代の南部ジョージアの上流社会が舞台の小説「風と共に去りぬ」のスカーレットの父ジェラルド・オハラもアイルランド出身です。

移民の中核はイギリスからの新教徒で彼らは後にWASPつまり白人、アングロサクソン、プロテスタントと呼ばれアメリカ社会の中核となっていきました。
1789年アメリカ独立革命。
1833年イギリスが奴隷貿易を禁止する。
アヘン戦争に破れた中国からの移民が急増。
1845年アイルランドでジャガイモ飢饉で貧困から逃れるためアメリカに移住した。
19世紀後半ビスマルク時代のドイツからアメリカへの移民も多かった。
1868年ハワイへに初めて日本人が移民している


この「アメリカの工業化」を読んでアメリカが超大国になったのは移民が大きな役割を果たしていることを改めて認識しました。





スッチー さん
おはようございます。

immigrationは知っていましたが、emigarationは初めて知りました。
日本人のハワイへの移民は明治維新と同じ年だったのですね。
2024年4月24日 9時12分
Nhiro さん
おはようございます。

アメリカの工業化のことについて難しい単語の説明と合わせて読みました。

イギリスは、たくさんの植民地を、アメリカは、たくさんの移民の受け入れを、
どちらの国も人を安い労働力として扱ったことに変わりありません。

たくさんのことを学ぶ機会を持ちました。
日記のアップを有難うございます。




2024年4月24日 6時59分
pretty naoko さん
おはようございます。

ペリー艦隊が日本から持ち帰ったものがスミソニアン博物館に展示されてあるそうです。
その中に箱根細工もあるとか話を聞きました。
ペリーが持って来たものは知っていますが、日本からもらった物はよく知っていないので、確かめたい気持ちはあります。
スミソニアンには7月に行きますが、ツアーですから宇宙開発関係の展示をみるでしょうね。
2024年4月24日 6時45分
おはようございます
今までのとは単語レベルが上がりましたね。
With capital and labor available 資金と労働力を自由に使えるようになった←うまい表現で感心します。

一番の要因はカルフォルニアで金が見つかって、世界中から多くの人がそれを求めてやってきたことでしょう。採掘、輸送手段も進歩したことと思います。

「風と共に去りぬ」映画館で2回見たことがあります。長編ですのでインターミッションありました。
2024年4月24日 5時54分
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