10月10日(祝・月)、東京・五反田のゆうぽうとホールにて、「韓流!"語楽"ナイト2011」が開催されました。
「テレビでハングル講座」の前期スキットドラマに出演した俳優のイ・ジュニョクさん、そして"トロット王子"の愛称で、今、日本でも注目を集めている歌手パク・ヒョンビンさんをゲストに迎え、観客の皆さんとともに、韓国ドラマやK-POPを通して、奥深いハングルの世界に親しみました。
イベントには、司会に大沢あかねさん、藤原倫己さん、さらに「テレビでハングル講座」の講師を務めるチャン・ウニョン先生と韓流ジャーナリスト古家正亨さんが出演。豪華な顔ぶれがそろった「韓流!"語楽"ナイト」は、2部構成で、2時間半にわたって開催されました。
熱く盛り上がったイベントの様子をご紹介します。
第一部
対面!憧れの韓流スター イ・ジュニョク&パク・ヒョンビン
2大韓流スターが夢の共演を果たした今回のイベント。楽しいトークの中で、イ・ジュニョクさんとパク・ヒョンビンさんの素顔を垣間見ることができました。
● お二人が初めて覚えた日本語・印象に残っている日本語について伺うと...
パク・ヒョンビンさんは「"にぎやか"という言葉がなかなか覚えられなかったので"♪にぎやか・新宿・行きましょう!"という歌を作って3つの単語を覚えました」と、歌手らしいアイデアを披露。一方のイ・ジュニョクさんは、日本の番組で聞いたり、日本人の友達が使っていたりしていた言葉から、「すまん、マジで、うるさい」といった短いフレーズを覚えたとのこと。また、同じく日本の友達に教わったという「お茶しませんか?」というフレーズをイ・ジュニョクさんが紹介したところ、パク・ヒョンビンさんが早速覚えて会場の観客の皆さんを相手に実践、笑いを誘いました。
● お二人の趣味・特技は?
幼いころの夢は漫画家だったというイ・ジュニョクさんが、得意のイラストをその場で描きました。あっという間に完成した自画像の見事な出来ばえに、客席からも驚きの声が上がりました。また、大学では声楽を専攻していたパク・ヒョンビンさんが、カンツォーネ"♪オー・ソレ・ミオ"を披露。トロットとはまた違う、パク・ヒョンビンさんの迫力ある素晴らしい歌声に、拍手がわき起こりました。
知れば楽しい!韓国ドラマセリフの世界~ドラマ『怪しい三兄弟』より~
このコーナーには、翻訳家でもあるチャン・ウニョン先生が参加して、ドラマのセリフから韓国ドラマの魅力に迫りました。題材として取り上げたのは、イ・ジュニョクさん主演のドラマ「怪しい三兄弟」。それぞれに問題を抱える"怪しい"三兄弟とその家族の人生を描いた、笑いあり涙ありのホームコメディです。
チャン先生の考える韓国ドラマのセリフの特徴は
①表現がストレート ②セリフがおおげさ ③ユーモアのあるセリフが多い
の3つ。ドラマから、そうした特徴を持つセリフを紹介しながら、韓国人の持つユーモア精神や国民性などについて解説が加えられる一方、日本語に訳しにくいセリフを、いかに分かりやすく翻訳するかという翻訳の醍醐味についても語られました。
また、観客が「怪しい三兄弟」のワンシーンのセリフに挑戦するコーナーでは、ドラマでイ・ジュニョクさんとその恋人が繰り広げる甘い会話の一部をステージ上で再現(簡略化したバージョン)、3人の観客の方がイ・ジュニョクさんを相手に、恋人役を演じました。セリフの中でイ・ジュニョクさんに"サランヘヨ!(愛してるよ!)"と言ってもらえるチャンスとあって、多くの方が参加を希望。ステージで演じた方々の女優顔負けの演技力と、アドリブも交える高いハングル力に、イ・ジュニョクさんも感激。その熱演と勇気に、客席からも熱い拍手が送られました。
イ・ジュニョクへ!"届け!私の想い"
第一部のハイライトとなったこちらのコーナーでは、事前に募集したメッセージから選ばれた3名の方が、イ・ジュニョクさんに直接ハングルでメッセージを伝えました。
本人を前に緊張しつつも、一生懸命に熱い思いを伝えようとする皆さん。
「これまであなたのいろいろな姿を見てきたけれど、今ここにいるあなたが一番すてきです!」、
「あなたの透き通った瞳に、私を見つけることができるなら...」などの愛のメッセージに、隣で真剣に耳を傾けるイ・ジュニョクさんでしたが、「お寿司にワサビが必要なように、私にはイ・ジュニョクさんが必要」と比喩を使ったメッセージでは、思わず噴き出す場面も。会場も大いに沸きました。
第二部
パク・ヒョンビン LIVE
K-POPがテーマとなる第二部は、パク・ヒョンビンさんのライブで幕を開けました。
代表曲「シャバン シャバン」、尾崎豊の名曲をカバーした「I LOVE YOU」、そして9月に発表した「明日、君がいない。」と「ゴンドゥレ マンドゥレ」の4曲を披露。
しっとりとしたバラードでは会場全体がうっとりと聴き入り、トロットの軽快なリズムには客席も手拍子を打って盛り上がりを見せました。
古家正亨の"K-POP最新事情"
日本で初めてK-POP専門のラジオ番組を立ち上げ、日本のK-POP界の第一人者である古家さんが、現在の日本でのK-POPブームについて解説しました。
皆が憧れる共通のアイドルが不在の日本において、少女時代やKARAといったガールズグループは、日本の少女たちの支持を得てブームを生み出していると分析。FTIslandやCNBLUEといったロックバンドなど、今後は、幅広いジャンルのK-POPが日本に入ってくることで、ブームを越えて、ジャンルとして定着するだろうと予想しました。
歌詞から学ぶ!ハングルミニ講座
K-POPの歌詞を題材にハングルを学ぶコーナーで取り上げた楽曲は、イ・ウンミさんの「エイン イッソヨ(恋人がいます)」。ドラマ「ラストスキャンダル」の挿入歌としても有名なバラードです。
K-POPをうまく歌うコツとして、チャン先生が挙げたのが「"パッチム"に気をつけよう!」ということ。パッチムは母音が付かない子音で終わる音のことで、日本語にはないこのパッチムの音をきれいに発音することで、ハングルの歌は上手に、かっこよく歌うことができるというチャン先生のアドバイスに、古家さんも大きくうなずきます。早速パッチムに注意しながらサビのワンフレーズを、発音練習した後、パク・ヒョンビンさんのリードで、客席の皆さんと「エイン イッソヨ」を合唱しました。
K-POP イントロクイズ
K-POPのカラオケイントロを聞いて曲名を当てるこのコーナー。
客席のK-POPファンの皆さんには簡単な問題だったのでしょうか。すぐに多くの手が挙がりました。
1曲目は、パク・サンチョルさんのトロット「ムジョコン(無条件)」。正解した女性2人と、藤原さんが「ムジョコン」を熱唱し、会場が多いに沸きました。
続いての2問目は、人気ガールズグループWonder Girlsの「Nobody」。パク・ヒョンビンさん、大沢さんと一緒に正解者がステージに上がり、Nobodyを歌って踊ります。振付を完璧にマスターしていた藤原さんのダンスが、ステージを一層盛り上げました。
みんなで歌おう!K-POP
最後はドラマ「天国の階段」の主題歌として有名なキム・ボムスさんのバラード「ポゴシプタ(会いたい)」をステージと客席が一体になって大合唱しました。
イ・ジュニョクさん感想
『こんなに多くの方がいらっしゃってくださって驚きました。私が皆さんにエネルギーを差し上げようと思っていたのに、逆に僕の方がたくさんエネルギーをもらいました。感動しました。忘れられない良い思い出になりました。これからも、日本で一生懸命活動して、皆さんにお返ししたいと思います。』
パク・ヒョンビンさん感想
『本当に楽しかったです。これほど楽しいとは予想していなかったです。ハングルにとても興味を持っていただき、ドラマやK-POPがこんなに愛されていることを知り、私もこれから地道に活動を続けていきたいと思います。応援よろしくお願いします。』
ドラマやK-POPへの尽きない想いを残して、2時間半にわたるイベントの幕が降りました。
出演者と観客の皆さん一緒に、楽しみながらハングルの奥深い世界に触れたスペシャルな夜でした。
このイベントの模様は以下の予定で放送されます。ぜひ、ご覧ください!
【放送予定】
■特集『韓流!"語楽"ナイト2011』
2011年12月24日(土)20:00~20:50 NHK Eテレ