ゴガクル日記のカテゴリで自身の学習言語を選べるようになり、思わず「日本語」を探した。日本語学習者がゴガクルにいればいいのにな。日本語講座もあったよね。
読みたくてまだ読めていないのがリービ英雄さんの「我的中国」だ。「我的日本語」では外国語としての日本語を獲得し、日本文学の作家となったリービ英雄さんによる日本語とのかかわりを興味深く読んだ。
リービ英雄青年が日本語を学んだのは新宿歌舞伎町。その雑然とした空間で生きた日本語に触れていった。万葉集英訳の原点が現代日本の巨大歓楽街にあったのだ。
外国語と自己のアイデンティティについて考えるリービ英雄さんの我的日本語には韓国人作家の李良枝さんも紹介されていて、非常に興味深かったので李良枝さんの「由熙」も読んだ。
「由熙」は在日の由熙が祖国留学をして、そこでの疎外感と祖国愛との狭間で揺れ動く心を描き芥川賞を受賞した短編だ。
母語を意識して客観視して生きる、外国語を通して自分自身のアイデンティティに意識をフィードバックさせる。そういう感覚を私はまだ知らない。どちらかと言えば、日本を脱出する夢ばかり描き、そして常に挫折してきた。
小学生になったばかりの頃、卒園した幼稚園のベルギー人園長から英語を習っていたが、中学になって学校英語に挫折した。どこに失敗の原因があったのかは分からない。おそらくもっと楽しいことがたくさんあり、優先順位が低かったのだろう。
残された時間でどこまで外国語を上達させ、それによってどこまで自身のアイデンティティを見つめることが出来るのかは分からない。そして幸か不幸か日本脱出する日が来るのかも。10年後の日本をイメージできない2011年春。