[問題] 整数の足し算と掛け算は以下の性質を有する:
1) (a + b) + c = a + (b + c)
2) a + b = b + a
3) (a b) c = a (b c)
4) a b = b a
5) a (b + c) = a b + a c
6) a + 0 = a となる足し算の単位元 0 が存在する。
7) a + (-a) = 0 となる足し算の逆元 -a が存在する。
このとき、
0 a = 0
であることを証明しなさい。
これができると、結合法則や分配法則を覚えたてのお子さまに、一瞬優位に立てるかもしれません。(逆に嫌われるかもしれませんが、そこは自己責任で。 Je n'y suis pour rien. Ce n'est pas de ma faute.)
[解答 (間違いがあれば指摘ください)] (a 掛ける b は a*b で表記することにします。問題とは表記法が異なるのでご注意。)
6) から、0 + 0 = 0、5) と併せて、
a*0 = a*(0 + 0)
= a*0 + a*0,
両辺に a*0 の逆元 -(a*0) を足すと (括弧が鬱陶しいので (-(a*0)) を、(-a*0) と略記する)、
a*0 + (-a*0) = (a*0 + a*0) + (-a*0),
7) から、
左辺 = 0,
1) と 7) と 6) から、
右辺 = a*0 + (a*0 + (-a*0))
= a*0 + 0
= a*0,
つまり、
0 = a*0,
4) から a*0 = 0*a 故、
0*a = 0.
Q.E.D.
私は、数学も言語の一種だと思っています。
自然言語ほど猥雑でない分、清潔で精緻。
誤りはありえるけれど、嘘はつけない。など、など。
朝からゴガクル日記に数学の証明問題とは
驚き桃の木山椒の木ですね。
仕事でもこんな難問には出くわしませんよ。