木田元による長谷川宏訳「精神現象学」の書評 : (http://book.asahi.com/reviews/reviewer/2011072804196.html)
これまでの翻訳で「実在的でない意識の諸々の形式は、進行と関連そのものとの必然性によって、完成されるであろう」と訳され、なにがなんだか分からなかったところを、長谷川さんは「ものをとらえそこなった意識の形態が、全体としてどういう意味をもつのかは、知の進行とつながりの必然性を通じてあきらかになる」とやってみせる。これならよく分かる。
ヘーゲルの原文はこちら :
Die Vollständigkeit der Formen des nicht realen Bewußtseins wird sich durch die Notwendigkeit des Fortganges und Zusammenhanges selbst ergeben.
イポリットによる仏訳はこちら :
Le système complet des formes de la conscience non réelle résultera de la nécessité du processus et de la connexion même de ces formes.