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中学レベルの英文法を基本から復習する 動詞のタイプ
その69 動作動詞と状態動詞
動作か状態かによって「動作動詞」か「状態動詞」に動詞を割り振るというやり方があります。この分類は、他動詞、自動詞に関係なくあてはまるものです。
動作動詞の例
移動を表す動詞:come、go、enter、fall、turn、jump、fly、swim
獲得・使用など:take、catch、get、spend、use
加圧・牽引 : push、press、drag、pull、draw
設置・除去 : put、set、remove、replace
開閉・結合・分離:open、close、cover、cut、separate
表現行為 :speak、say、write、smile
社会行為:sell、borrow、buy、steal
生産 :make、produce、manufacture、build
状態動詞の例
存在や関係:be、belong to、contain、live、remain、stand、resemble、exist、lie
心のはたらき:love、think、remember、doubt、agree
知覚・感覚 :hear、see、smell、find、feel、tast
動作動詞は進行形にすることができるが、状態動詞は進行形にできない。というのが両者を区別する一応の基準です。
She resembles a friend of mine. 彼女は僕の友人に似ている
Resembleは直接目的語をとるため他動詞です。「似ている」とうのは動作と関係ないので状態動詞に分類されます。
This box contains 30 apples. この箱には30個のリンゴがある
これも他動詞で状態動詞です。
×This box is containing 30 apples.
He runs fast. 彼は速く走る(自動詞の動作動詞)
He looked at the sky, 彼は空を見た(動作動詞)
〇He is looking at the sky.
進行形にできる動詞
「だんだんそういう状態になってくる」「いままさに~している」という状態変化が含意されている場合は状態動詞も進行形にすることが可能です。
She is resembling her mother more and more.
彼女はますます母親に似てきている
She is smelling the wine. 彼女はワインの香りを嗅いでいる
I’m always hearing something. (幻聴を感じる人)
進行形にすると、何らかの動き・変化が含意される
最近、人の名前をすぐ忘れる状況だと
I’m always forgetting people’s name.
get、become、growは「状態変化」を示すため、進行形と相性がいい
The days are getting longer. 昼間が日差しに長くなってきている
They’re becoming more friendly. 彼らはさらにひたしくなっている
Our company is growing fast. 我が社は急成長している
受動態にできる動詞
動作動詞で目的語を必要とする他動詞の場合は、一般的に受動態で表現することは可能です。他動詞でもresembleのように「対象への作用・影響」が感じられない場合には、受動態の表現はできません。
The horse kicked John. その馬はジョンを蹴った
→〇John was kicked by the horse.
She resembles a friend of mine. 彼女は私の友人に似ている
→×A friend of mine s resembled by her.
形の上では自動詞でも、「自動詞 + 前置詞句」「自動詞 + 副詞 + 前置詞句」の形で、前置詞句の目的語になんらかの作用・影響が及ぶ場合は受動態の表現が可能です。
speak to … ~に話しかける look up to … ~を尊敬する
look down on … ~を軽蔑する
A little girl spoke to me. 少女は私に話しかけた。
→〇 I was spoken to by a little girl.
Moat Italians looked up to Leonardo da Vinci as a “universal genius.”
ほとんどのイタリア人はレオナルド・ダビンチを万能の天才だとみなしている
→〇 Leonardo da Vinci was looked up to by most Italians as a “universal geniues.”
The neighbors looked down on him because he lost everything gambling.
彼がギャンブルですべてを失ったので隣人たちは彼を軽蔑している。
→〇 He was looked down on by the neighbors because he lost everything gambling.
speak to … の受動態として
Speak when you are spoken to. 話しかけられたときに話しななさい。話しかける(speak to (you))には対象への作用が感じられます。ゆえに受動態が可能です。
look up to … には文字通り「~を見上げる」という意味があり
We looked up to the top of Mt. Fuji.
この場合文字通りの意味のlook up to …は受動態にできません。視線を向けることで富士山はなんら影響を受けません。一方、「尊敬する」という意味合いになると、心理的作用が相手(対象)に対してはたらき、相手が何らかの影響を受けることから受動態が可能になります。
Look down on … も文字通りの「~を見下ろす」と「軽蔑する、見下す」の意味がありますが、「軽蔑する」の意味のみ受動態にすることができます。
同じ形でも使い方(意味)によって対象への作用(性)の違いがあるということです。
arrive at … は駅などの場所に到達だと対象への作用性がありません。
We arrive at the airport. 空港に到着した
×The airport was arrived at.
arrive at … 結論に達する→働きかけて結論に達する
We arrived at the final conclusion after a long talk. 長い協議の末、最終結論を得た
→〇 The final conclusion was arrived at after a long talk.
空港というのは主体の影響を受けませんが、「結論」というのは協議者が努力して得るものです。
自動詞か他動詞は、直接目的語をとるかどうかで決まります。しかし自動詞か他動詞かにかかわらず、動作動詞と状態動詞に分類することもできます。
動作動詞は進行形が可能であり、状態動詞は基本的に進行形にできません。
さらに動詞が目的語をとる場合、目的語が表す対象へのはたらきかけ(作用・影響)の有無も重要です。はたらきかけが感じられる場合は受動態で表現することができ、はたらきかけをかんじられなければ他動詞でも受動態にすることはできません。
自動詞でもspeak to someoneのように対象へはたらきかけが感じられるものは、受動態で表現することが可能です。
対象への働きかけのある動詞は動作動詞ですが、動作動詞にはHe runs.のrunのように、作用する対象をとらないものもあります。
ここから富士山が見えるんですよ。
Mt. Fuji can be seen from here.
/english/phrase/4246
は確実に自分のものにしました。