Lesson 92 前置きの副詞① 程度を表す副詞と頻度を表す副詞
副詞は名詞以外の「動詞」「形容詞」「副詞」などの品詞を修飾するほか、文章全体を修飾することがあります。まずは「程度を表す副詞」と「頻度を表す副詞」です。典型的な前置きの副詞です。
AyakaがKeitaに、スピーチコンテストで優勝したセイジがなぜ英語が上達したのか、その秘訣を教えています。
A: こんにちは、ケイタ。誰がスピーチコンテストで優勝したの?
K: セイジだよ。彼の英語は驚くほどすばらしかったんだ。
A: それは不思議なことじゃないわ。私は彼の秘密を知っているわよ。
K: 教えてよ、アヤカ!とても知りたいんだ。
A: 彼はいつも6時45分になる前に起きて、好きな英会話番組を聞いているのよ。
K: ああ。だったら、その番組はとても効果があるにちがいないね。
A: もちろんよ!
K: 分かった、僕は明日からそれを聞き始めることにして、次のスピーチコンテストで優勝したいな。
A: 頑張ってね!
A: Hi, Keita. Who won the speech contest?
K: Seiji did. His English was surprisingly good.
A: It’s no surprise. I know his secret.
K: Tell me, Ayaka! I’m really curious.
A: He always gets up before 6:45 and listens to his favorite English conversation program.
K: Oh. So, that program must be really effective.
A: Absolutely!
K: All right, I’ll start listening to it from tomorrow, and I hope to win the next speech contest.
A: Good luck!
REAL GRAMMAR FOR COMMUNICATION~会話に役立つ文法~
●「程度を表す副詞」
His English was surprisingly good.
(彼の英語は驚くほどすばらしかったんだ)
surprisingly(驚くほど)がgoodの前に置かれ、surprisingly goodと形容詞を前から修飾しているのは「指定ルール」が働いているからです。「(ただ単にgoodなのではなくて) surprisinglyレベルでgoodなのです」とgoodのレベル指定を行っているからです。ほかの「程度を表す副詞」も同じ位置です。
The movie was very [so / really / quite] good.
(その映画は、とても[すごく・本当に・かなり]よかった)
●「頻度を表す副詞」
He always gets up before 6:45.
(彼はいつも6時45分になる前に起きる)
頻度を表す副詞は、動詞の前が定位置です。強調するときに文頭に置く-など多少の自由度はあれ、この位置が基本です。それはやはり「頻度レベル」を指定するから。この文は「いつも(always)レベルでgets up」。alwaysでgets up以降を指定する、縛る意識で作られます。ほかの頻度副詞も同じです。
He often works out. (彼はよく運動する)
He usually works out. (彼はふだん運動する)
He sometimes works out. (彼は時々運動する)
He hardly ever works out. (彼はほとんど運動しない)
He never works out. (彼は決して運動しない)
GRAMMAR IN ACTION~文法の実践~
①私の秘書は極めて有能です。
「有能」は「効率・手際がよい」という意味の efficient、人に対しても妻えます。 My secretary is extremely efficient.
ただの efficientではなく、extremely(非常に・極端に)とレベル指定するのがポイントです。
②僕のガールフレンドはいつも僕たちのデートに遅れるんだ。
My girlfriend is always late for our dates.
頻度副詞は動詞の前に置き、頻度レベルを指定しますが、be動詞の場合にはその後ろ。be動詞にはさしたる意味がないため「素通り」するというわけです。
③私はめったに肉を食べません。
「ほとんど・めったに~しない」という頻度を表す副詞は rarely / seldomです。
hardly/ barely/ scarcely は[量、能力、程度などが]「ほとんどない」という意味で、頻度を表す副詞ではありません。everや neverを補うことにより、頻度が少ないことを表すことができますので、hardly ever/ almost never / scarcely everを 1語のようにまとめて扱ってください。seldomは書き言葉、パブリックスピーチなどで使われる堅い言葉で、会話では hardly ever/ almost never がよく使われます。
I hardly ever eat meat.
④私は週末、いつも[よく / ときどき]働いています。
I always [often/ sometimes] work on the week.
⑤私は週末、めったに[決して]働きません。
I hardly ever [never] work on the weekend.
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Dialog 38 スポーツ用品店で At the Sporting Goods Store
ジャック(J)とサム(S)がスポーツ用品店の前を通っていると、サムが展示されたテントに気付きました。
Q. What is one of the reasons Sam likes the tent?
(サムがそのテントを好きな理由のひとつとは?)
S: お父さん、このテント、とてもいいと思うよ!
J: (読んで)「組み立てるのが簡単です」。うーん。
S: 防水だよ。
J :「3人が寝られる」か。
S: そうだよ!いいでしょう、お父さん?お父さんとお母さんと一緒に裏庭で野宿したら、きっと楽しいよ。
J: テントの中で寝ることにお母さんが賛成するかどうかは定かじゃないね。
S: 気に入るに決まってるよ!
S: Dad, I really like this tent!
J: (Reading) “It’s easy to set up.” Hmm.
S: It’s water-resistant.
J: “It sleeps three people.”
S: Yeah! Please, Dad? It’d be so fun to camp out with you and Mom in the backyard.
J: I’m not so sure your mother would agree to sleeping in a tent.
S: I’m sure she’d love it!
□スポーツ用品 sporting goods
□私は~がとてもいいと思う。 I really like~
□組み立てるのが簡単で easy to set up
□防水・耐水性の water-resistant
★sleep(他)《施設が》〈人数を〉宿泊させる、収容できる[受身・進行形不可]
accommodate《施設、車が》〈人数を〉宿泊させる、乗せる
house《人、施設が》〈人を〉宿泊させる、泊める
□いいでしょう、お父さん? Please, Dad?
□~できたらとっても楽しいですよ。 It’d be so fun to~[仮定法の言い回し]
□野宿する camp out
□~であるかは定かではない。 I’m not so sure ~
★~することに賛成する agree to ~ing / agree to do ~
・agree to ~ing / agree to 名詞
このtoは「方向性」を表す前置詞、toのイメージ「→」は、「方向性」を示すだけですので「~に(淡々と)同意する(だけ)、~を受け入れる」という『間接的、客観的』なニュアンスになります。ちなみにこの「→」の先には「提案など」が入り、「人」は入りません。
They need to agree to some kind of middle ground.
(彼らは何らかの妥協点に同意する必要があります)
・middle ground 中立[中道]の立場、妥協案[点]
・agree with~
toに対してwithは「共にいる」イメージの前置詞なのでagree with 〜は「〜に(心から)賛成する」というイメージになります。agree withは「人」「提案など」の両方に使えます。相手の提案に快く賛成する場合は、to ではなくて、I agree with you. または I agree with that.という使い方になります。
・agree to不定詞
agree to不定詞は toの持つ「これから(→)する」のイメージが作用して「これから~するのに同意する」「同意して、これから~する」という『積極的、主体的』なニュアンスを持ちます。
Let’s agree to disagree. まあ意見の相違ってことで。
□~はそれを気に入るに決まっています! I’m sure ~’d love it!
★I’m sure she’d love it! 彼女は気に入るに決まっています!
確信を伝える表現。まだお母さんに聞いていないけれど尋ねたらきっとそうすることを気に入る、という気持ちで、willではなくwouldを使うことで、仮定のニュアンスを含ませています。
A: 父への何かいいお土産を考えています。
B: いいですね。
A: この帽子はどうでしょう?
B: 気に入るに決まっています。
A: I’m thinking of a good souvenir for my father.
B: That’s nice.
A: What about this cap?
B: I’m sure he’d love it.
♣長母音/i:/に留意する It sleeps three people. (3人が寝られます)
長母音を弱めると意味が伝わりづらくなるので、sleeps, three, peopleの長母音をしっかり言いましょう。It sleepsは Itの /t/ の舌先の位置をキープしたまま sleepsに流れ込むと言いやすくなります。
A. One out of: It’s easy to set up. It’s water-resistant. It sleeps three people.
100% always 常に、必ず
90% almost always ほぼ必ず
80% usually, normally, generally 普通は、たいていは
70% very often, frequently とてもよく、頻繁に
60% often しばしば、よく
50% sometimes ときどき
40% occasionally たまに
10~30% seldom, rarely めったに~しない
0~10% almost never, hardly ever, scarcely ever まず~しない
0% never 決して(全く)~しない
サムは、お母さんが裏庭で野宿することに賛成するに決まっていると思っています。
The tent is easy to set up and it sleeps three people.
Sam is sure his mom would agree to camping out in the backyard.