おぼえた日記

2013年3月1日(金)

« ブラウン神父の秘密 » 9. « マルヌ城の喪主 » の最終節 (2/2)。

He stood up abruptly and looked round at them.
“We have to touch such men, not with a bargepole, but with a benediction,” he said. “We have to say the word that will save them from hell. We alone are left to deliver them from despair when your human charity deserts them. Go on your own primrose path pardoning all your favourite vices and being generous to your fashionable crimes; and leave us in the darkness, vampires of the night, to console those who really need consolation; who do things really indefensible, things that neither the world nor they themselves can defend; and none but a priest will pardon. Leave us with the men who commit the mean and revolting and real crimes; mean as St. Peter when the cock crew, and yet the dawn came.”
“The dawn,” repeated Mallow doubtfully. “You mean hope ― for him?”
“Yes,” replied the other. “Let me ask you one question. You are great ladies and men of honour and secure of yourselves; you would never, you can tell yourselves, stoop to such squalid reason as that. But tell me this. If any of you had so stooped, which of you, years afterwards, when you were old and rich and safe, would have been driven by conscience or confessor to tell such a story of yourself? You say you could not commit so base a crime. Could you confess so base a crime?” The others gathered their possessions together and drifted by twos and threes out of the room in silence. And Father Brown, also in silence, went back to the melancholy castle of Marne.

神父は突然立ち上がると一同を見回した。
「私たちは、このような人々に bargepole ではなく、benediction (祝福、祈り) をもって、touch (触れ) なければなりません。彼らを彼らの地獄から救う言葉をかけなければなりません。私たちだけが、彼らをその絶望から解き放つことができるのです。あなたがたの人間的な慈悲は彼らを見捨てるがよろしかろう。 あなたがたは、あなたがたの意に適う悪徳をすべて許しながら、当世風の罪責に寛大である己を寿ぎつつ、ご自分の primrose (サクラソウの、安楽な) 道を辿っていればよろしい。 私たちの邪魔はしないでいただきたい。私たちは人間性の闇の中に、夜にしか徘徊できない吸血鬼のもとに留まります。本当に慰めを必要とする人々、弁護の余地のないことをしてしまった人々、何人も、彼ら自身でさえも、弁護できないことをなしてしまった人々に慰めを、聖職者だけにその権能が付与された慰めを与えるために。 私たちが、卑劣極まりなく、怖気をふるわせずにおかない本当の罪責を犯してしまった人々ともにあることを許してください。 聖ペトロスは三度まで主を否認したけれど、それでも夜明けはやってきたのです。」
「夜明けだって、」Mallow は疑わしげに繰り返した。「奴に希望があるとでも?」
「あります、」神父は答えた。「あなたがた、名声に包まれ、自分にこれっぽっちの不安ももっていない、名士連であるあなたがたに質問させてください。 自分がかくも愚劣な reason (たわごと) にまで品位を落とすことは絶対にない、と断言できるあなたがたに。もしあなたがたのうちの誰かが、これほどの罪責を犯し、何十年か後に、年老い、金銭の憂いなく、事が露見する心配もない状態に身を置いて、それでも良心あるいは、confessor (聴罪者) に促されたとして、告解できましょうか。 自分がこのような卑劣な罪責を犯すことはありえないと断言できるあなたがたは、このような卑劣な罪責を告解する勇気をお持ちでしょうか?」 一同は手荷物をとると、二人、三人と沈黙のうちに部屋を出た。 B. 神父は、やはり沈黙のうちに Marne の暗く閉ざされた城へと、とって返した。


とびきりの探偵小説を読んで (私の名探偵 No. 1 は、ホームズ (Sherlock Holmes) にあらず、 ポアロ (Hercule Poirot) にあらず、この神父)、こういう個所が一番 記憶に残っているんだから、私って双葉の頃から度し難い人間だったんですね。

コメント欄は語学を学ぶみなさんの情報共有の場です。
公序良俗に反するもの、企業の宣伝、個人情報は記載しないでください。
※コメントするにはログインが必要です。
※コメントを削除するにはこちらをご覧ください。
送信

ilyaさんを
フォロー中のユーザ


この日おぼえたフレーズ

おぼえたフレーズはありません。

ilyaさんの
カレンダー

ilyaさんの
マイページ

???