■美術に見るイタリアの女性像 Le donna italiane nell'arte⑧-2
Combattere con la penna ペンで闘う
Christine de Pizan(クリスティーヌ・ド・ピザン)
①La polemica che ne scaturì è conosciuta come “La disputa sul Roman de la rose”, e vi parteciparono altri commentatori.
(こうして始まった論争は他の論者も加わって世に「『薔薇物語』論争」として知られるようになりました。)
polemico 論争 / scaturire (自)始まる 湧き上がる
partecipare (自)参加する 関与する/ commentatore (男)論説者
② Le prima lettere degli intellettuali conservatori erano scritte con un tono che ridicolizzava le donne.
Tuttavia, quando si vide che anche il preside dell'Università di Parigi si era schierato dalla parte di Christine, i conservatori tacquero e la disputa , durata due anni, si concluse con la vittoria di Christine.
(保守派の論者たちによる初期の書簡は、女性を揶揄するような調子で書かれています。しかし、やがてパリ大学総長までクリスティーヌ側の論陣に加わったのを見て、保守派は沈黙し、2年にわたる論争はクリスティーヌの勝利に終わりました。)
intellettuale 男/女 知識人 / conservatore 男 保守派 保管人
ridicolizzare(他)物笑いの種にする
si vide che... みられた vide:vedere 遠過去/preside(大学の)学部長
si era chierano dalla parte di...>schierarsi dalla parte di…
→~の側につく
concruse concludereの遠過去 3単直接法 concludersi(自)終わる
③ Inutile dire che ci vorranno ancora diverse centinaia di anni prima che gli ideali di Christine si realizzino. Tuttavia, la sua sfida fu il punto di svolta per un graduale cambiamento della "questione femminile" durante il Rinascimento.
(言うまでもなく、クリスティーヌの理想が実現するまでには、その後数百年ものさらなる時間を必要とするのです。 しかし、クリスティーヌの挑戦をきっかけとして、ルネサンス時代に「女性を取り巻く状況」が徐々に変化し始めたのです。
Inutile dire che ~ 言うまでもなく
reallizzarsi 実現する /sfida 挑戦/ svolta 転換点
graudare (副・形)次第に /cambiamento 変化
questioone(女)問題 質問
〇文法[vi]の使い方
Vi parteciparono altri commentatori.
(そこへ他の論者たちも加わった)
▼「vi」の役割
①人称代名詞:「あなたたちを」「あなたたちに」
②再帰代名詞:「あなたたちを」「あなたたちに」
③指示代名詞:それに *上の例文は③。
④場所を表す副詞:「あそこに、そこに、あちらに」
*vi sono...(~がいる~がある)
ci sono...よりも文語的な表現。
①の用法例
Vi ringrazio molto.(ありがとうございます)
*仕事の場面や留学時に頻出します。ringraziare(例をいう)
<作文>
その伝説を信じるものが大勢いる。
→④の派生用法 vi sono...を使う。
→Vi sono molte persone che credono in quella leggenda.
〇フェミニズム
クリスティーヌ・ド・ピザン作「女の都」(1405)では、英雄的な行為が男性だけではなく女性にもみられることを挙げ、女性が蔑視や偏見を恐れる必要のない、公正と義と理性によって治められるユートピア(utopia)の到来を願いました。本書は、女性の地位向上を唱えた最初の書であり、女性が女性に向けて書いた最初の書としても重要です。
1789年フランス革命で「人権宣言」が出されますが、その人権(diritti dell'uomo)の対象は、男性のみ。これに対して女性が反発したのがフェミニズム運動(femminismo)の始まりとされています。実際には、その少し前から、女性に選挙(elezioni)での投票(voto)を認める参政権uffragioを求める動きが始まっています。
イタリアのフェミニズム運動の特徴は教育機会の平等を求めた点に特徴がありますが、ファシスト政権によって一時苦境に立たされます。その後、1960年代に労働面での格差(disparità)や文化的差別(discriminazione)の解消などが求められてきました。
*文化的差別:例えば女は家庭、家事育児介護は女性の役割と考えること
番組パートナーのMariangera Rago先生によると、イタリアはカトリック社会であることから離婚に関する法律は1970年に成立。成立するまで大変な議論があったことを覚えているそうです。
全くの偶然ですが、今週は2話とも政治に関係する物語が続きました。今日の選挙の行方が気になります。
そして、文化的差別を残している国は今も多いでしょうね。
とりあえず、日本は?
そしてアメリカは?
気になる所です。