◇ラジオ英会話 2024.11.8&15 L145 Review
L141 時表現の役割①:命令文の基本
Please show me that thing.
Slow down.
Come over here.
Keep it to yourself.
Please take off your shoes.
Sign here, please.
Take it easy.
Try this apple pie.
L142 時表現の役割②:命令文のバリエーション
Don’t blame me for something he did.
Don’t ever [Never] do it again.
Don’t you do it!
Don’t you ever come back!
You, stay where you are!
Do visit us more often.
Do be more careful.
L143 時表現の役割③:「提案・要求」などの内容を表す節
I recommend that you eat at their sushi bar.
I suggest you stay at the Hotel New Onishi.
I propose / insist that we take a break.
It’s important [essential] that he be on time.
L144 現在形①:「広く一般的な内容」を表す
What do you do for a living?
I work in marketing.
I own a restaurant.
I write novels.
I live in Tokyo.
I have two dogs.
I work out twice a week.
I leave home at 6:30 a.m.
Cats are mammals.
A.警備員としてビジターにビルの入り方をアドバイスする
このゲートは通れますか?
Can I enter through this gate?
あなたのIDを見せてもらえますか?このエリアは従業員専用です。
Show me your ID, please. This area is for employees only.
お客様はまず受付でチェックインし、来訪の目的を述べなくてはなりません。
Visitors have to first check in at reception and state the purpose of their visit.
B.友人と遊んで遅くに帰ってきた娘を注意する
ただいま
I’m home.
ねぇ、今何時だと思っているの?
Hey, what time do you think it is?
もうこんな遅くに帰ってこないように、いい?
Don’t come home this late anymore, OK?
ひとりで夜外出するのはあぶないことだってあるんだ。わかった?
It can be dangerous to be out alone at night. Got it?
◇フランス語 応用編 Leçon10 vendredi 15 novembre
Arrias a tout lu ② 物知り屋アリアス ②
◎今日のテクスト
il discourt des mœurs de cette cour, des femmes du pays, de ses lois et de ses coutumes; il récite des historiettes qui y sont arrivées ; il les trouve plaisantes, et il en rit le premier jusqu'à éclater. Quelqu'un se hasarde de le contredire, et lui prouve nettement qu'il dit des choses qui ne sont pas vraies. Arrias ne se trouble point, prend feu au contraire contre l'interrupteur : ...
アリアスはその宮廷の習俗、この国の女性、法律、習慣について説く。その国をめぐる逸話をあれこれと談じる。この逸話が笑い話だとみると、誰よりも先に吹き出し、声を立てて笑い出すのもかれだ。かれに反論して、あなたの言っていることは事実ではないと、きっぱりと口にする者もいる。だが、アリアスは 慌てない。それどころか、話を遮った相手にこう怒り出すくらいだ。(…)
◎語彙説明・構文のポイント
il discourt des mœurs de cette cour, des femmes du pays, de ses lois et de ses coutumes;
discourir de qc で「~について長々と論じ立てる、駄弁を弄する」
des mœurs は 「(個人や社会の)風俗、習俗」
ある社会集団が独自に備えている道徳や行動規範、価値観の総体のこと。社会間の比較や変化を測るのに使われた概念。
des femmes du pays, de ses lois et de ses coutumes 「その国の女性たち、法、習慣について」
il récite des historiettes qui y sont arrivées;
réciter [古] 「~を物語る」
historiette「逸話、小話」
qui y sont arrivées 中性代名詞yはdans le pays に代わる。「そこで(その国で)起こった」
il les trouve plaisantes, et il en rit le premier jusqu'à éclater.
plaisant [古][文章語] 「おかしい、笑いを引き起こす」
il en rit rire de qcで「(冗談など) 「に笑い興じる」en = de ces historiettes
le premier 主語の同格「最初に」
jusqu'à éclater éclater [古]「爆笑する」jusqu'àはここでは「程度」を表し、笑いが爆笑に至ること。
Quelqu'un se hasarde de le contredire,
se hasarder [古]de+不定詞「思い切って、決死の覚悟で~する」
le contredire contredire qnで「~に対して逆の意見を述べて反対する」leはここではアリアスを指す。
et lui prouve nettement qu'il dit des choses qui ne sont pas vraies.
et lui prouve nettement qu' que 以下の従属節の事実内容について、その正しさを「彼に明らかに証明する」こと。
il dit des choses qui ne sont pas vraies 「彼は真実でないことを言っている」
Arrias ne se trouble point,
se troubler「動揺する、狼狽する」
prend feu au contraire contre l'interrupteur : ...
prendre feu [古風] contre qn 「~に対して怒る」
interrupteur (まれに)「人の話の邪魔をする人」
◎Explication de texte
前回に「ことばを奪い取って」話し始めた、アリアスの描写が続きます。
≪ il discourt≫ とアリアスは話し始めます。このあとに続く文が、主語代名詞 ilと動詞の組み合わせを反復していることに注目しましょう。
≪ il discourt... il récite... il les trouve... il en rit... jusqu'à éclater. ≫
「彼は」「彼は」「彼は」・・・。食卓での客どうしのおしゃべりのはずが、 実はスポットライトがあたっているのはアリアス一人だけですね。
まるでアリアスという俳優のワンマンショーのようです。代名詞の多さにも注目しましょう。代名詞は直前のことばに言及してそれを指示する品詞ですが、ここでは代名詞で言い換え、付け加えられているのは、アリアスのことばだけです。
≪ il discourt des mœurs de cette cour, des femmes du pays, de ses lois et de ses coutumes ≫
≪ il récite des historiettes qui y sont arrivées ≫
≪ il les trouve plaisantes ≫
≪ et il en rit le premier jusqu'à éclater ≫
よく聞くと、そこにいるはずのほかの人々のことばはどこにもありません。
とうとう あたかも、アリアスは、自分一人で作り出した滔々と流れることばの渦の中で、みずから酔いしれているかのようですね。
はい。アリアスの語る世界は、アリアス以外の誰も知りません。まるで、 虚無から創られた mythe (神話)の世界のようです。
フランス語の mythe はギリシャ語のミュートスを語源として持ち、「神話」を意味します。 ギリシャ語でミュートスはロゴスと対立しています。 ロゴスが理性的な「説明・理論・論理」を意味するのに対し、ミュートスは真偽のはっきりしない「ことば、演説、物語、作り話」も指します。「フランス語の mythe もそれは同じです。アリアスは、自分自身で真偽のはっきりしていないことばの世界を作り上げていく、ことばの主人です。しかし同時に、この非現実の世界をさらに複雑にこしらえればこしらえていくほど、アリアスは自分のついた嘘の中に、どんどん絡め取られ、奴隷のように鎖につなげられてしまうかのようです。
ことばのこうした進め方は、アリアスの心理的なプロセスを反映しているといってもよいでしょうね。アリアスは、自分の世界をこしらえては、それをひたすらいっそう複雑にしていきます。
エゴイストに特有の、果てることのない自己言及の迷宮世界ですね。
そうです。そうして彼は自分自身を、自分のことばの宇宙の中に、孤独に閉じ込めていくのです
☆アリアスは自分が作り上げた滔々と流れる言葉の渦の中でみずから酔いしれ、そしてこの非現実の世界の中にとどんどん絡め取られ、奴隷のように鎖につなげられてゆく…、ラ・ブリュイエールの皮肉を込めた冷ややかな人物描写に、子供の頃に読んだ「裸の王様」を思い出しました。
フランス語はよく知りませんが、フランスの歴史や文化には多少興味がありますから、フランス語の応用編は時々聞くようにしています。
ぴのみさんの解説、とても参考になります。
ぴのみさんの的確なコメントに、なるほどと納得しました。