LED電球が売れているというニュースを見た。LEDといえば中村修二教授だ。20世紀中には発見されないと言われていた高輝度青色LEDを20世紀中(1993年)に発見し時の人となった。
しかし日本ではその発見に対する対価を求める裁判のほうが話題になった。サラリーマン研究者のあまりに低いインセンティブに物申す裁判だった。
最終的に8億円ちょっとで和解したそうだけど、最初は200億円くらいの対価を求めていたんじゃなかったかな。そのくらいの価値は充分ある大発見だったと思う。
外国の研究者からは“スレイブ中村”と同情され、結局アメリカに移住した中村教授。頭脳流出してしまったわけだ。私は中村修二さんの「怒りのブレイク・スルー」他の著書を読んで憤りを覚えたものだった。
青色があると光の三原色がそろうので応用範囲がいきなり広がる。省電力で明るく超寿命のLEDを交通信号に使うというはいいことだと思うのだが、全部それをやってしまうと信号の交換作業が減って既得権益が損なわれてしまう某機関はあえてやらないという噂もあった。本当なんだろうか。
そういう話を聞くたびに、日本は既得権益だらけでがんじがらめの国だなと思う。利権といいかえてもいい。発明・発見がそのまま新しいビジネスに結びつかない。抵抗勢力が強すぎる。
自然エネルギー開発はその権化のような電気利権との戦いだ。LEDには反骨のエネルギーがもっとも似合うと思う。LEDブームのなかでそんな思いを強くした。