【フランス語メモ】
http://www4.ocn.ne.jp/~ysato/gramm1.htm より・・・
◆不定冠詞
不定冠詞の話をする前に、フランス語にはどんな種類の冠詞があるのか紹介しておきましょう。
そもそも冠詞は「名詞の前に付いて名詞の表す概念に限定を加える」語であるとされています。難しい?でしょう。実は私もこれでは分からないのです。冠詞は古典ギリシャ語では、ほとんど指示代名詞「これ」のような役割をしているだけで、存在しないに等しいのですし、古典ラテン語にもありません。古代フランス語の時代になって徐々に発達してきました。最初に発達したのは定冠詞で、指示代名詞「これ」のような使い方がだんだん一般化したのですが、中世の終わりごろになると、フランス語はしだいに単語の最後の音を発音しないようになってきました。はしょっちゃったわけです。その結果、複数表示のsが音に出てこないので単数か複数か分からない。それからやはり単語の最後のeを発音しなくなったので、これが女性名詞の語尾であることが多かったことから、名詞の性が分からなくなってきたのです。これでは不自由だから、原則的に名詞の前に冠詞をきちんと置いて、名詞の性や数をはっきりさせようではないか、ということで冠詞というものが発達してきたのです。けれどもすべての名詞が「これ」というニュアンスでいいはずがありません。「これ」でなくて「どれでもいい」ものもあります。そこで「どれでもいい一部」だよ、というニュアンスの部分冠詞が登場しました。後に詳しく見ますが、部分冠詞は定冠詞に「部分のde」を付けた形です。しかし、まだ問題が起こりました。「部分ではなく、ひとつなのだ」というニュアンスを付ける必要が生じたのです。そこで数字の1をそのまま持ってきて不定冠詞が生れました。定冠詞、部分冠詞、不定冠詞の3種類はこうして生れたのです。
だったらこの順番で勉強すればいいのですが、フランス語文法には不思議な慣習があって、「やはり1だから」ということなのでしょうか、不定冠詞、それから英語でそれと対立する価値を持つ定冠詞、最後に「特殊だから」というので部分冠詞という順番で勉強していくことになります。このページでもそうした慣習は便宜上、採用したのですが、本当は私は疑問を持っています。
ですから、冠詞は「性・数」が表示してある「名詞がかぶる帽子」だという比喩がよく使われます。しかし私はもっとラディカルに「冠詞は服だ」と提唱します。つまり名詞は自分一人だけだったら「裸」(=無冠詞)でかまわないわけです。けれども名詞は表現の中で他の単語の中に入って関係を結ばなければいけません。いわば世間に出ていくのですから裸では困ります。服を着るわけです。男は男の服、女は女の服を着ます。そして服には「私服」と「制服」があります。今、私の家に「こんにちは」と誰かがやってきたとしましょう。私と面識の無い人です。その人が私服でいたら、「何かご用でしょうか」と聞くことになります。これは「不特定」な状態の相手です。けれども、作業服を着た人ならば「修理ですか?検針ですか?」ということになります。これが「特定化」された状態です。冠詞の機能もこれと似ています。そこで、
「特定」冠詞が定冠詞。「不特定」冠詞が不定冠詞と部分冠詞。
という概念を覚えてください。
そして
不定冠詞は「可算的」、部分冠詞は「不可算的」
と考えてください。
不定冠詞は「不特定なものを可算的に示す」ということになります。「どれでもいい1個、あるいは数個」です。
単数男性 un
単数女性 une
複数 des
フランス語、実はあまり進んでるとは言えませんが、勉強するのは楽しいですね♪
チャレンジャー65さんが時々相手してくださるので、有難いです。
アレックスさんはスペイン語、メールのやり取りで鍛えておられますよね。
いつもすごいなあと思いながら、読ませてもらっています。