おぼえた日記

2017年2月11日(土)

Don't be shy to ask for help 助けを求めるのにもじもじしない  Saturday, February 11


My mother, who is living on her own in Otaru, Hokkaido, has been seeing a physician regularly as she is aging and has chronic health conditions. The other day, I accompanied her to her clinic when I visited her.
●physician 内科医 ●aging 高齢 ●chronic (病気の]慢性の
いきなり個人的な話題になるが、私の母親は、北海道小樽市でひとり暮らしをしている。もう高齢で持病もあり、定期的に内科に通院している。先日、私も東京から戻って診察に付き添った。


The physician, whom I met for the first time, looked a little younger than I am, with a gentle smile on his face. When my mother complained about her lack of physical strength, the doctor tenderly asked her, "Are you eating well?" In response, my mother said, "I don't feel like eating much." If this conversation had taken place at our home, I certainly would've snapped back at her, "You deserve a lack of physical strength because you aren't eating right. You should make a better effort to eat!"
●lack of … ~がない ●physical strength 体力 ●snap 鋭く言う
●deserve ~を受けるに足りる ●effort 努力
はじめて会う内科の医師は、年齢は私よりも少し下という感じ、にこやかな男性だった。母親が「体力がなくて」と言うと、やさしく「食事はちゃんとなさってますか?」ときく。それに対して母親は、「ごはん、あまり食べたくないんですよね」という答え。これが家での私との会話だったら、つい「食べてないなら体力がつかなくたって仕方ないじゃない。もっとがんばって食べてよ!」などときつい口調で言ってしまいそうだ。

Alas, the physician told my mother, again with a smile, "That's a bit of a problem. Are you eating half a serving of rice? Why not eat a little more?" My mother replied, nodding, "You're right. I will try my best."
●serving (食べ物)一人分 ●nod うなずく
しかし、内科医は笑顔のまま、「それは困りましたね。ごはん茶わん半分くらい? もう少し食べましょうよ」などとアドバイス。それには母親も、「そうですね、がんばってみます」とうなずいている。

That's how it went throughout the examination, at the end of which the doctor turned to me and said, "You work in Tokyo, don't you? You must be busy, so you don't have to accompany her here regularly. I will contact you if anything comes up."
●anything comes up 何か起これば
診察は万事、そんな調子で進み、最後に医師はこう言った。「娘さん、東京で仕事してるんでしょう? 忙しいと思うので、ふだんの通院には来なくて大丈夫ですよ。何かあったらこちらから連絡しますから」。

When I looked at my mother, she was also nodding at his words. Tears almost welled up in my eyes as I had been expecting him to tell me something like, "Why are you making her live by herself? You should be living with her as a daughter."
母を見ると、母親もいっしょにうなずいていた。私は逆に、「どうしてひとり暮らしなんかさせてるんですか? 娘なら同居すべきでしょう」などと怒られるのではないか、と思っていたので、そのひとことに思わず涙が出そうになった。

I was amazed to learn how it can be soothing and open up your mind just to have a third-party professional mediate between you and a close family member, in a relationship that would otherwise be filled with selfishness and emotional codependence, or accusations and complaints.
●soothing 和む ●selfishness わがまま ●emotional 感情的に
●codependence 共依存、(互いに強く依存している人間関係) ●accusation 非難
●complaint 不平、愚痴
母娘など家族だとお互いワガママが出たり甘えが出たり、つい相手を責めたり文句を言ったりしてしまう。そこに誰か第三者のプロが介入するだけで、こんなに気持ちがなごんだり素直になれたりするものなのだ。

People today tend to be tightly wound up, thinking, "We shouldn't be depending on others. We should work it out on our own," resulting in stress mounting within the family. This can often result in an exchange of harsh words or a build-up of mutual contempt. Instead of plunging into such an abyss, it's better that we ask for support in order to maintain our emotional health so that we can feel compassion and affection for others.
●wind up ねじを巻く ●harsh どぎつい ●contempt 軽蔑 ●plunge 陥れる
●abyss 深い穴 ●in order to … ~するためには ●maintain 維持する
●compassion 同情心 ●affection やさしいさ
いまの時代、「ひとに頼るのはよくない、自分たちだけでなんとかしなきゃ」と緊張し、家族の中の圧力がどんどん強まってしまうことがある。そうなると、それぞれが心にもないひどい言葉を口にしたり、相手を憎く思う感情が高まったりする。それよりは、上手に他人の力も借りながら、思いやりややさしさを失わないだけの余裕をキープしておいたほうがよい。

"Thank you in advance for your future support, doctor," we said, as we left the examination room with a smile.
「じゃ先生、これからもお願いします」と私たち母娘は笑顔で診察室をあとにした。

When I get back to Tokyo, I would also like to tell my patients and their family members, "Take it easy. Please count on us." (By Rika Kayama, psychiatrist)
私も東京に戻ったら、診察室で患者さんの家族に「ムリしすぎないで。私たちにおまかせください」と言ってあげられるようにしなきゃ、と思ったのだった。(香山りか 精神科医)



Learn from the mistakes of others. You can’t live long enough to make them all yourself.
他人の失敗から学びなさい。あなたは全ての失敗ができるほど長くは生きられないのだから。
Eleanor Roosevelt (エレノア・ルーズベルト)米国のファーストレディ、人権活動家、世界人権宣言の起草者 / 1884〜1962)


The greatest mistake you can make in life is be continually fearing you will make one.
われわれが人生において犯す最大の過ちは、間違いを犯しはしないかと絶えず恐れていることである。
Elbert Hubbard (エルバート・ハバード) (米国の作家、アーティスト、哲学者 / 1856〜1915)


For one swallow does not make a summer, nor does one day; and so too one day, or a short time, does not make a man blessed and happy.
一羽のツバメが来ても夏にはならないし、一日で夏になることもない。このように、一日もしくは短い時間で人は幸福にも幸運にもなりはしない。
Aristotle (アリストテレス)(古代ギリシアの哲学者 / 紀元前384〜紀元前322)

If I had my life to live again, I'd make the same mistakes, only sooner.
人生をもう一度やり直せるとしても、同じ間違いをするでしょうね。ただし,もっと早いうちに。
Tallulah Bankhead タリューラ・パンクヘッド (1902-1968) アメリカの女優
☆make は今日で終わります。明日から break です。


    ヒヨが飛ぶ
ヒヨはどこへ、なにをめざす!! まだまだ、引っ張ります!!!
滋賀県の北部は大雪警報が昨日から出ていました。その割に大津の方はときどき雪が降りましたが青空でした。夜から雪が降り始めました。今日の大津は雪国です。

風鈴 さん
Kikuzou さん コメントありがとうございます
失敗を恐れて何もしない人生を送ってはダメよ。失敗を恐れず、前を向いて生きなさい!でないと、後悔するよ。
・・・という意味ですね。いまからでも遅くはありません。失敗を恐れずとは、後ろを見せず逃げないこと、言い訳をしないことですね。今日の風鈴はとても前向きです。
make は頑張ってなにかを作り上げる。棚から牡丹餅ではいけないという響きのあるコトバでした。
2017年2月12日 7時10分
Kikuzou さん
エルバート.ハーバードの言葉、身にしみます
2017年2月11日 21時39分
風鈴 さん
アメリカ民主主義 さん コメントありがとうございます
今週の香山先生のお話はかなり個人的なお話でした。いつもは社会的な話や専門の精神科の話が多いので、ちょっと感じが違いました。それだけ、身近な話題で、共感できる部分も多くありました。また、これからの老老介護の問題なども示唆されています。いつもはちょっと評論家、精神科の専門家としての高所からの感想や意見でしたが、今回はもっと身近な香山先生個人として医者は香山先生の患者さんとどう接するのかということも述べられていてとてもよかったです。
2017年2月11日 17時03分
風鈴 さん
YOSHI さん コメントありがとうございます
鳥は寒いときはどうしているんでしょうね。今日の朝は雪が降ったので、カメラを持って散歩に行きました。カメラを持って行くと、さっぱり鳥に会いませんでした。が数枚撮りました。鳥は羽毛に覆われているので寒さには強そうです。ヒヨドリはもともとは熱帯性の鳥ですが、雪の中で元気に飛び廻っていました。今週はヒヨドリを中心に進めたいと思います。
2017年2月11日 16時53分
風鈴 さん
k403 さん コメントありがとうございます
第三者というかお医者さまのことば、助言は絶対ですね。効きます。というか、本人はわかっているのだと思います。香山先生のお母様も娘さんがいたからだと思います。いい親になるんです。娘さんが、居なかったら、そんなに素直に先生の前で素直になっていないと思います。本人はわかっていても憎らしいことを言ってしまうものです。
2017年2月11日 16時48分
土曜日の香山リカさんの話はいつも楽しみに読ませていただいています。でも、今回の話を英語で読んだ時、誰が誰を診断しているのかを誤解して、理解できませんでした。香山さんは医師だから診療しているに違いない先入観で読んだことが原因です。

外国語で読むと、語彙力などの足りない部分を先入観で補う癖があるので、注意しなければと気付かされました。
2017年2月11日 10時02分
YOSHI さん
ヒヨドリは近くにいるのですが、地味な色なのと動きが早いので良く見えません。
昨日は関東も雪が降って寒かったです。この寒さで鳥はどうしているんでしょう~
2017年2月11日 9時53分
k403 さん
今日の香山リカさんの言葉、よく分かります。
第三者がいると違うんですよね。
物わかりが良くなって…(-ω-;)というか、いいふりするんです。
専門家にはバレバレなんですけど(^_^;)
第三者に入っていただくのって大事ですね。
2017年2月11日 9時19分
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