'Anything that can go wrong, will go wrong'... Saturday, May 7
「失敗する可能性があるものは、失敗する」…
"Anything that can go wrong, will go wrong," goes Murphy's Law, a law which has been mentioned in this column time and again. This law is said to trace its roots to a United States Air Force base, where it gained popularity among aircraft technicians. "Murphy" was the name of an Air Force member who, in 1949, discovered an incorrect wiring at the base. It was then that he murmured his famous statement, which spread from there and took a number of forms, its popularity a testament to how well it matched the feelings of technicians.
●trance たどる ●roots 生まれたのは、ルーツ ●incorrect 間違った
●wiring 配線(工事) ●base 基地 ●murmur ぼやく ●
「失敗する可能性があるものは、失敗する」というマーフィーの法則には小欄も何度もお世話になった。生まれたのは米空軍基地で、航空機の技術者らの間で「法則」として広まったといわれている。マーフィーとは空軍大尉の名で、1949年に同基地で機器の配線間違いを見つけた。その時にぼやいた言葉、それが(失敗するやり方があるならば、誰かがそれをやる)だった。この言葉がさまざまなバリエーションと共に広がったのは技術者の実感だったからだ
Among those alternate forms is one along the lines of "The likelihood something will break is proportional to its value." This calls to mind Japan's X-ray telescope "Hitomi," which cost 31 billion yen to develop. The nature of its damage has recently come to light, and hopes of restoring the telescope to working order have been abandoned.
●alternate 代替 ●proportional 比例した ●abandon (中途で)やめる
そのなかには「ものが壊れる確率は、その価格に比例する」というのもある。なかなかつらい話だが、日本が費やした開発費が310億円というX線天文衛星「ひとみ」だった。その破損の実態が明らかになり、復旧は不可能と判定されて運用を諦めることになった
Communications with Hitomi stopped last month, and observations by a U.S. organization found it had broken up into over 10 pieces. At first it was thought to have possibly been due to a collision, but analysis came up with a different story. A combination of problems with the software involved in controlling the telescope's positioning and incorrect commands being issued to the satellite led the device to spin incorrectly and break apart. This fits another variation of Murphy's Law that goes something like, "If a series of something goes wrong, it will go wrong in the worst possible way." Hitomi was meant to help reveal the secrets of the universe, but, sadly, what it ended up providing evidence for was Murphy's Law. We call for a thorough investigation into the causes of the failure.
●observation 観測 ●collision 衝突 ●combination 複合
先月から通信が途絶し、米機関の観測では10個以上の部分に分解していた「ひとみ」である。当初は何かと衝突したのかと疑われたが、分析の結果は違った。姿勢制御系のソフトの不具合や指令のミスなどが重なり、異常な回転によって分解したことが判明したのだ。「連続した何かがおかしくなると、最悪の過程をたどりながらおかしくなる」もマーフィーの法則の変化形という。宇宙の謎の解明に挑んだ「ひとみ」だったが、悲しいかな裏付けられたのは先の「法則」だった。ならば原因の深層まで究明してもらわねばならない。
日本のエックス線天文衛星のトラブルは2000年以来3基連続です
JAXAによると、3月26日午前4時10分ごろ、実際には本体が回転していないのに、回転していると衛星が誤認し、静止しようと逆方向の回転を始めたらしい。さらに、姿勢を立て直そうと小型エンジンを噴射したが、事前に地上から送っていた噴射手順のデータにミスがあり、機体が高速で回転。この遠心力によって、本体に接続されていた太陽光パネル6枚が全て脱落したとみられる。
JAXAはトラブル後、ひとみから計3回にわたって電波を受信できたことを根拠に、本体機能が維持されている可能性があるとみていたが、この電波は別の人工衛星のものだったと結論付けた。壊れた機体は高度約580キロの軌道を回っているが、徐々に高度を下げ大気圏に突入して燃え尽きるとみられる。
次のエックス線天文衛星は欧州宇宙機関(ESA)が28年に打ち上げを計画しているだけだ。最新のエックス線天文衛星による空白期間が12年間生じることになり、研究が停滞する恐れがある。(毎日新聞、毎日小学生新聞から引用、転載)
〇その計画は失敗に終わった。
The plan fell through.
/english/phrase/22082?m=1
〇必ずといっていいほど、うまくいきません。
All too often, I just strike out.
/english/phrase/26635?m=1
〇全線停止で復旧の見通しが立ちません。
All train service has been halted indefinitely.
/english/phrase/14370?m=1
〇その原因は何ですか?
What caused it?
/english/phrase/69377?m=1
教訓
最初は衛星が回転していなのに、回転していると錯覚して、それを直そうとして、小型エンジンを噴射したら、本当に回転し始め、止めようとすればするほど、回転して最後は壊れていましまった。裏目、裏目が続いた。まさにマフィーの法則であった。
この前、地下鉄で新入社員の若い女性の車掌がベビーカーが挟まったままの電車を動かした。簡単に言うとあわてたのだった。原発事故も同じようところがある。チェルノブイリでは出力を下げる実験をやっていて、コントロールできなくなった。福島でも最初は電源が回復した時があり、その時に緊急冷却装置を動かせばこんなことにはならなかったかもしれない。当初、東電は緊急冷却装置を使えば、炉が爆発すると判断して、手動で安全に炉を止めようとした。
〇自分の間違いからどんな教訓を得ましたか?
What lessons can you draw from your mistakes?
/english/phrase/70318?m=1
〇あわてないで!
Don't panic.
/english/phrase/622?m=1
憂きわれをさびしがらせよ閑古鳥 芭蕉
奥の細道の旅行を終えて、弟子たちに歓待されて、伊勢神宮の式年遷宮に参拝するため伊勢に向かいます。舟に乗って、大垣の水門川、揖斐川、長等川、から伊勢湾にでます。その長島でこの句を読んでいます。その時の心境です。
↓は風鈴の解釈ではありません。引用です。
あたしゃ、つくづく世の中が嫌になっちゃってるんだけど
独りぼっちだってえのに
カッコー、カッコーってのんきに鳴いている閑古鳥よ
おまえさんみたいになりたいよ、まったく。(朗読・訳・解説:左大臣光永)
飛行機に乗ると必ず非常時の説明があります。飛行機は車より遥かに安全であっても、必ずあります。原発も津波対策や避難計画も大事ですが、実際に緊急冷却装置を働くかどうか実験をしたらどうだと思ます。絶対に壊れないようにすることも大事だが、壊れた場合を想定した訓練もすべきだと思いました。そちらの方が防波堤を高くするより大事ではないかと思いました。
人工衛星の失敗は残念です! 関係者の方々に頑張って頂いて神秘の宇宙の謎を少しでも解明して頂きたいです〜
00年に「アストロE」の軌道投入に失敗した。05年に打ち上げた「すざく」も観測装置を冷却する液体ヘリウムの漏えいが発生。計画通りの観測ができないまま運用が終了し、3回連続のトラブルとなった。
米航空宇宙局(NASA)と共同開発した最新鋭の検出器を搭載し、ブラックホールなど宇宙の謎に迫ることが期待されていた。関係者の落胆は金額以上である。
今日の多肉君もすごいですネ。写真を見返してみると横からの写真が少し映ってましたが、角度が違うのでまた、別もののように見え面白い。ほんとに、多肉の世界は多彩で深い?いつも楽しませていただきありがとうございます。
日本の衛星失敗3回目とは知らなかった。記事にあるように原因の深層解明をしてもらいたい。素人だが、これほど早く原因がわかるくらいなら、本来、事前に防止できる策が考えられたはずと思うが。