おぼえた日記

2024年2月3日(土)

動詞の...ing形(現在分詞)が使われている文は、意味が曖昧になることがあります。その場合は文脈から判断する必要があります。

例として、今回のニュースに出てくる文を見てみましょう。toutingの前後に注意してください。

(1)「“~しながら”~する」
She will attend events in Thailand touting Hokuto's countryside charms.
「彼女はタイでのイベントに参加します、北杜の田舎としての魅力を宣伝しながら。」

今回のニュースでの捉え方が、この形ですね。この女性の業務が観光振興であるという文脈から判断して、toutingという現在分詞を「~しながら~する」という用法と解釈したものです。実際に、彼女はタイでの何らかの(複数の)イベントに参加して、北杜の魅力を宣伝するということです。

(2)「“~する”~」
しかし、...ing形(現在分詞)には「“~する”~」という意味になる用法もあります。現在分詞が形容詞のように働くものです。今回の文では、
She will attend [events in Thailand touting Hokuto's countryside charms].
「彼女は、[北杜の田舎としての魅力を宣伝するタイでのイベント]に参加します。」
のように解釈することもできます。([ ]内を、ひとかたまりの名詞フレーズとして解釈しています。)
この場合、北杜の田舎としての魅力を伝える(複数の)イベントがタイであり、そこに彼女が参加するという意味になります。

(3)「~して、“(そして)~する」(分詞構文)
上記のような曖昧さを避ける1つの方法が、toutingの前にカンマを付けることです。話し言葉では、かすかなポーズ(間)を取ります。カンマによってevents in Thailand とtoutingが切り離されるため、次のように文の意味が変化します。
She will attend events in Thailand, touting Hokuto's countryside charms.
「彼女はタイでのイベントに参加します、そして北杜の田園地方の魅力を宣伝します。」
より自然な日本語訳としては、「彼女はタイでのイベントに参加し、北杜の田園地方の魅力を宣伝します。」ですね。

カンマ+...ingは「分詞構文」と呼ばれる形です。この形の特徴は、動詞(ここではtout)の主語が、その文の主語(ここではshe)であると判断されることです。カンマを付けるだけで(かすかな間を置くだけで)、このように文の意味が変化します。

この文を同じ意味で普通の文として書き直してみると、例えば次のようにできます。
She will attend events in Thailand, touting Hokuto's countryside charms.
→She will attend events in Thailand, and she will tout Hokuto's countryside charms. または、
→She will attend events in Thailand to tout Hokuto's countryside charms.

一般的に、分詞構文で書かれた文章の方が引き締まって見えます。ただし、分詞構文にはいろいろな用法があり、意味が曖昧に聞こえることも多いです。英文を書いたり話したりするとき、もしも内容の正確さに自信がなければ、無理に分詞構文にせず、普通の文で表現したほうがいいかもしれません。

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