◇クリスの英語でよもやま話 第44回 2024.11月号
November - the Most Boring Month? 11月―いちばん退屈な月?①
1.What is your image of the month of November? For many in my country, November conjures up a rather dull, gloomy image. In literature too. In T. S. Eliot's Murder in the Cathedral, we find the line: "Since golden October declined into sombre November." And Sir Walter Scott, in his poem Marmion, writes: "November's sky is chill and drear, November's leaf is red and sear (withered)."
conjure up~ (イメージなど)を呼び起こす
sombre (アメリカ英語では somberが一般的)陰鬱な
drear (文学的表現。drearyと同義)陰気な、うっとうしい
sear (文学的表現)枯れた、しおれた
withered 枯れた、しおれた
皆さんの11月のイメージは? 私の国では多くの人が11月に少々どんよりとしていて憂鬱なイメージを思い浮かべる。 文学でもそうだ。T・S・エリオットの詩劇「寺院の殺人」には、「黄金の10月が陰鬱な11月へと移ろい」という一行がある。サー・ウォルター・スコットも彼の 「マーミオン」という詩の中でこんなふうに書いている。「11月の空は冷たく陰気で/11月の木の葉は赤く枯れている」
2.It's a time when the vibrant colors of autumn begin to fade as trees shed their leaves, and the crisp air of October gives way to November's frosty chill.
vibrant 明るい、鮮やかな
crisp さわやかな、すがすがしい
frosty 凍るような、いてつく
11月は、木々が葉を落とすにつれて秋の鮮やかな色合いがあせ始め、10月のさわやかな空気が11月のいてつく寒さに移り変わる時期なんだ。
3.However, as a November child, I feel it is my duty to come to November's defense and point out some of the many positive aspects of this amazing month!
come to ~'s defense ~を弁護する
だけど11月生まれの私としては、11月を弁護して、このすばらしい月が持つ数々の魅力のいくつかを指摘するのが自分の務めだと感じている!
4.Let's start with November 16. Why is this day so special? Well, the main reason, of course, is that it's my birthday! Just joking! Far more importantly, it is The International Day for Tolerance, declared by UNESCO in 1995 to generate public awareness of the dangers of intolerance. I'm sure you'll agree with me that such a message is needed more than ever in these very troubled times. Those of you who have followed my articles over the years will know that this theme is close to my heart. I often talk about travel and the power it has to open our minds and hearts to different cultures. The beauty of the world lies in the diversity of its people, and tolerance is the key to enabling us to celebrate such diversity.
tolerance 寛容
generate~を生む・もたらす
awareness 意識、自覚
intolerance 不寛容
diversity 多様性
まずは11月16日から始めよう。この日がなぜそんなに特別なのかって? いちばんの理由はもちろん、私の誕生日だから! なんてね! それよりはるかに重要なのは、この日が国際寛容デーだってこと。1995年にユネスコが不寛容のさまざまな危険性について世間の意識を向上させる宣言をした日だ。そういうメッセージが今みたいな騒乱の時代にはこれまでになく重要だという点については、きっと皆さんも同意してくれると思 う。読者の中で何年も私の連載を読んでくれている人たちは、このテーマが私にとって本当に大切だってわかっているはずだ。私はよく旅について、そして、さまざまな異文化に対して私たちの心を開く旅の力について話をする。世界のすばらしさはそこに住む人々の多様性にあって、寛容は私たちがそうした多様性をたたえられるようにするカギなんだ。
◇ラ・ブリュイエールを読む Leçon6 vendredi 8 novembre
Dans cent ans「100年後には」②
◎今日の表現:非人称構文
非人称構文には、Il pleut. / Il neige. などの非人称構文でしか用いない動詞(非人称動詞)を用いるものと、Il est cinq heures. / II fait froid.のように、通常の動詞を形式主語のilとともに組み合わせて用いるものの2つがあります。
このとき、形式主語 ilの意味は漠然としており、動詞のあとに続く部分によって主語の意味が補完されます。こうした非人称構文の特徴は、実際の主語となる要素を文の末尾に置くことで、その意味をはっきりと強調することができることにあります。
非人称主語とともに用いられる動詞には、さまざまあります。
① Il arrive beaucoup de spectateurs dans les dernières minutes avant le spectacle.
舞台が始まる直前に、多くの観客が到着する。(自動詞 arriver)
② Il se passe quelque chose de crucial dans l'évolution de nos sociétés.
私たちの社会の発展において、決定的に重要な何かが起きている。
(代名動詞 se passer)
それぞれを人称構文で言い直すと、
① Beaucoup de spectateurs arrivent dans les dernières minutes avant le spectacle.
② Quelque chose de crucial se passe dans l'évolution de nos sociétés.
となります。
☆11/16が「国際寛容デー」であることは今回初めて知りました。1996年に国連総会で制定されたこの記念日は、世界中で互いの違いを受け入れ、共に生きるための寛容さを促進する日であり、文化や宗教、民族の違いを超えて、平和で調和のとれた社会を築くために、寛容の重要性を再確認する機会となっているのだそうです。まさにクリス先生が常に大切にしているテーマですね。
クリス先生は、どの国や地域で過ごされても、その土地の方と上手にお付き合いされそうですね。イギリスではクリス先生の誕生月である11月はもう初冬なのですね。イタリアも風と雨が多い月のようですが、所替われば季節の捉え方も変わり面白く思いました。
今日、田中一村展に行ってきました。素晴らしい作品を残されたことに感動しました。
でもいろいろな事を静かに思いやれる時期でもあります。
寛容の重要性を感じます。
久しぶりの仲間と楽しい時間が持てそうです。