Padiglione
言葉の不思議
少し前から疑問に思っていたんですが、万博などにある「パビリオン」という言葉がイタリア語では padiglione と言うんですが、語源のラテン語の papilionem からどういう経緯でこのスペルにたどり着いたのか不思議でした。
まずラテン語、papilionem というのは「蝶」という意味で、 その後、テントもpapilionemと呼ばれるようになりました。と、いうのも当時の軍隊のテントの形がちょうど、蝶が羽を休ませている時の形に似ていたため、そう呼ばれるようになったようです。
他の言語でパビリオンはどう呼ばれているのか気になって調べてみましたが、
英語では Pavilion
フランス語では Pavillon
スペイン語では Pabellon
ドイツ語では Pavillon
となってみんな大体似ています。スペイン語がbを使っているのはスペインではvの発音はbで発音しているのでこのスペルになったと想像しています。
でもイタリアはv音があるのにもかかわらずなぜかd音になっているのは音声学的にも納得がいかないんです。
検索してわかったのは、
サルデーニャ地方の方言ではパビリオンのことを papaglion と呼ぶことと、
昔はイタリアもpavilione と言っていたということ、
あとは、ボローニャはportico とよばれるアーケードの町で有名ですが、そのボローニャのマッジョーレ広場の東側にあるバンキ宮殿からガルヴァーニ広場にあるボローニャ大学のキャンパス、アルキジンナジオまで続く長ーいporticoがあるんですが、このportico、 pavaglione という名前なんだそうです。 この名前の由来は「蝶」という意味からきているのか、「テント」という意味からきているか2説あるんですがどちらかはまだ明らかになってはいないらしいです。
前者の場合、昔は現在のガルヴァーニ広場でシルクを作るための蚕やその繭が売り買いされていたようで、そのporticoの軒下に関係のあるお店が立ち並んでいたようです。当然蚕は成虫になると蝶になるのでそこからその名前がつけられたという説。
後者はportico自体が日光や雨からさえぎるという大きなテントという意味でそう名付けられた説。
とわかったのはここまででした。
そして仕方なく最後の頼みの綱、語源辞典で調べてみたら、昔はpavilione、そしてそれが変化してv音が抜けた pailione そして最終的に響きが良いために padiglione と言われるようになったようです。
え?響きがいいからだけだったの?と拍子抜けしてしまいました。
「釘」という意味の chiodo も 昔は chiovo、 そして chioo になってそれから今の chiodo になったそうですよ。
二週間もやもやしていたのはなんだったんだって感じです。
でもおかげでこの単語は忘れにくくなったと思います(笑)
調べるって言ってもwikipediaにお世話になっています(^^;)
語学は、「読む」・「書く」・「聞く」にわかれますが、何かを調べるときは「読む」訓練だと思ってやっています。
「イタリア語が歌うよう」ですか。あまり考えたことがなかったですねー。
何か国語も勉強されてる桜梅桃梨さんならではの感覚ですねー。
でも確かに抑揚がはっきりしているのかもしれませんね。
他の言語はどんなイメージがありますか?
私はタモリさんのなんちゃって外国語がすごく好きなのですが、あの彼の外国語に対するセンスがすごくほしいです。
Chiamarlo saggio è un parolone ma grazie mille!