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まりあさんの おぼえた日記 - 2017年8月7日(月)

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おぼえた日記

2017年8月7日(月)のおぼえた日記

無冠詞


原則として、フランス語の名詞にはすべて冠詞がつきます。
英語とは違って、不定冠詞の複数にまで冠詞(des)をつけます。ですから、英語よりも、冠詞がたくさんつきます。
無冠詞にするには、それなりの理由が必要です。
以下に、どのような場合に無冠詞になるか、整理してみましょう。

1. 冠詞の代わりとなる言葉がついている場合


具体的には、以下のような言葉です。
##所有形容詞
  votre nationalité (あなたの国籍)
##指示形容詞
  ce garçon (この少年)
##疑問形容詞
  quelle voiture (どの車)
##一部の不定形容詞
  aucun homme (いかなる人も)
##量を表す形容詞句
  beaucoup de femmes (多くの女性)
  un peu de patience (少しの忍耐)


最後の「形容詞句」とは、2 語以上で 1 語の形容詞と同じような意味になる言い廻しのことです。英語の a lot of ~ (多くの~)などと同じです。

2. 都市名


都市名は無冠詞です。


  Paris (パリ)


ちなみに固有名詞でも、国名・地方名には定冠詞がつきます。


  le Kanto (関東地方)


日本の地方名はすべて男性名詞で le がつきます。

3. 列挙・対比


  hommes, femmes, vieillards, enfants (男も女も、老人も子供も)
  jour et nuit (昼も夜も)


また、前置詞を介して、同じ単語を反復するときには、無冠詞にすることがあります。


  de fleur en fleur (花から花へ)
  pas à pas (一歩一歩。「リエゾン」により「パザパ」と発音)

4. 同格


  Paris, capitale de la France (フランスの首都、パリ)


同格の場合、典型的にはこのようにコンマを打ち、コンマの後ろの名詞が無冠詞になります。
ここでは、「capitale (首都)」という女性名詞が無冠詞になっています。

5. 属詞


「属詞」になる名詞は、基本的に無冠詞です。「属詞」とは、être (=英語の be 動詞)などの後ろに置かれる言葉のことです。詳しくは「6文型」のページで説明します。


  Il est étudiant. (彼は学生です)


英語だと、「He is a student.」というように、冠詞がつきます。
フランス語の場合、「属詞」の部分には基本的に形容詞がきます。「étudiant」も、いわば形容詞的に使われているので、無冠詞だといえます。
ここに冠詞をつけると、特殊なニュアンスが出てくる場合があります。例えば、


  Il est un étudiant.


と言うと、「彼は一人の学生です」というよりも、文脈によっては「彼は単なる一人の学生にすぎません」というような感じが出てきます。


ただし、 C'est ~. という表現の場合は、不定冠詞をつけるのが普通です。


  C'est un étudiant. (それは学生です)

6. 一語化


  l'eau de mer (海水)


「eau」は女性名詞「水」で、定冠詞 l' がついています。「de」は前置詞(英語の of )。「mer」も女性名詞で「海」ですが、「海の水」が「海水」となって一語化されているため、de の後ろで無冠詞になっています。


  le chemin de fer (鉄道)


「chemin」は男性名詞「道」で、定冠詞 le がついています。
「fer」も男性名詞で「鉄」ですが、「鉄の道」が「鉄道」となって一語化されているため、やはり de の後ろで無冠詞になっています。

7. 「de + 名詞」が一語の形容詞のように意識される場合


これは上の 6. とも重なりますが、「de + 名詞」が一語の形容詞のように意識される場合は、 de の後ろの名詞が無冠詞になります。
例えば上の 6. の例だと、「de mer」は marin (海の)、「de fer」は ferroviaire (鉄道の)という形容詞のように意識されているから無冠詞なのだともいえます。あるいは、


  voix de cristal (澄み切った声)


「voix」は女性名詞で「声」、「cristal」は男性名詞で「クリスタル、水晶」で、逐語訳すると「水晶の声」ですが、この「de cristal」は cristallin (水晶のように澄んだ)という形容詞のように意識されています。
つまり、実体(実物)として実際に目の前に「水晶」があるわけではなく、声の一種類として、「水晶のような」声だと形容しているだけなので、無冠詞になっているといえます。

8. 前置詞 de の後ろの不定冠詞 des および部分冠詞


前置詞 de の後ろでは、不定冠詞の複数の des と部分冠詞は、必ず省略されます。


  la production de céréales (穀物の生産)


「production (生産)」は女性名詞で、前に定冠詞 la がついています。
「céréales」は、女性名詞「céréale (穀物)」に複数の s がついています(穀物といっても、大豆や小麦など、色々種類があるため、複数です)。これを、


× la production de des céréales


と言うことは絶対にありません。
あまり他の参考書には書かれていませんが、これは重要な規則です。

9. 前置詞 en, sans などの後ろ


特定の前置詞 en (~内で)、sans (~なしで)などの後ろでは、原則として無冠詞になります。


  en prison (刑務所内の、服役中の)


これを、場所を表す前置詞「dans (~の中で)」を使うと、


  dans la prison (刑務所の中で)


と冠詞(この場合は定冠詞)がつきます。
どちらかというと、dans は具体的、en は抽象的なニュアンスがあります。

10. 熟語表現


熟語表現では、かなりの割合で無冠詞になります。


  avoir lieu (起こる)
  avoir besoin de ~ (~を必要としている、~が必要だ)


「lieu (場)」は男性名詞で、もともと「avoir lieu」は「場を持つ」という意味。
「besoin (必要性、欲求)」は男性名詞で、もともと「avoir besoin de ~」は「~という必要性を持つ」という意味。
どちらも、熟語化され、無冠詞になっています。

11. 諺


古くから存在する諺では、通常なら冠詞がつく場合でも、無冠詞になることがよくあります。これは古い語法の名残りで、昔は冠詞は必要がない場合も多かったからです。

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とてもよくわかりました。文法書でもここまで整理していなかった記憶があります。
2017年8月7日 22時36分
ごん忠五郎 さん
3人
役に立った

Bonjour まりあさん!
私もイタリア語の冠詞を整理しなければいけないと思いました。
参考にさせていただきます!
2017年8月7日 21時32分
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