今年度から小学校の5、6年生の授業で外国語活動が必修化された現場の模様を
国谷裕子キャスターが取り上げていました。
今まで小学校で英語は教科として教えていなかったため、現場の先生方や
教育委員会が当惑があるのは分かるのですが、そこで現場が生徒のことを
考えどう対応するかで大きな差が生まれる気がしました。
外国語指導助手を雇ってお願いすれば、指導助手を斡旋する業者が
いますから業務委託しようという考え方が生まれたのでしょう。
しかし、業務委託の決定が入札で行われていて、最低価格で落札した会社に
業務が委託されるということに、まずびっくりしました。
今、大学教育では、「教育の質」の確保が話題になっていますが、
教育と入札というのは何か相容れない感じがします。
質の保証が担保されないまま、安ければいいという考え方には
納得できません。
入札する斡旋業者は、自分のところの外国語助手の適性や教育力を
アピールした上で、しっかり入札に臨んでいるのでしょうか?
それとも、1コマいくらで年35コマという計算だけなのでしょうか?
うちの派遣する助手は、全員TESOLの資格を持っているとPRした
斡旋業者もいるのでしょうか?
指導助手の先生が毎回変わる状況が現出したり、そのクラスの
担任の先生とどう授業を進めていこうというようなコラボレーションもなく、
指導助手の先生の時間、担任の先生の時間と区分されてしまっている
状況を垣間見る中で、このままでいいんだろうかと思ってしまいました。
そんな中、尾道の小学校で頑張っていらっしゃる村山久美先生が
紹介されて、少し安心しました。尾道の教育委員会の取り組みにも
感動しました。手作り感があり、英語は国際語で、いろいろな国の人が
コミュニケーションにつかうものであり、WASPだけのものではないと。
NHKで今、「ニュースで英会話」を担当されている立教大学の鳥飼玖美子先生が、
以前担当されていた「クロスロード・カフェ」のように、いろいろなバックグラウンドの
人々が英語でコミュニケーションをする、それぞれアクセントもあり、違った文化背景も
ある、そんな世界に飛び込んでいく小学生の教育にもう少し文部科学省も各都道府県の
教育委員会も知恵を絞ってほしいなと思いました。
なせJETプログラムを拡大して、小学校にもALTを派遣しようとしないのでしょうか?
教育は、次世代の国を担う人材への投資です。
文部科学省の副大臣の鈴木寛氏は、参議院議員選挙に立候補される前は、
慶応義塾大学の湘南藤沢キャンパスの総合政策学部で教鞭を取られいてたはずなのに、
この現実をどうお考えになっていらっしゃるのでしょうか?
SFCのノウハウは、大学だけのもの?
大学の教育の質の保証が求められている中、初等中等教育のつけを
大学が4年でなんとかできると文部科学省のみなさんが考えて
いらっしゃるなら、困ったものです。