ゴガクルのサイトの読者の方で、大西順子氏が分かる方と分からない方、
どちらが多いかなと考えると、間違いなく、分からない!という方では?と
思います。
大西順子氏は、高校卒業後、アメリカのバークレー音楽院をトップで卒業された
ジャズピアニストです。デビュー以来、私は氏の力強い演奏に感激し、気づいたら、
とりわけ東京、名古屋の公演の追っかけをしていました。
その大西氏が、10年ほど前、突然、ステージから姿を消されました。
そんな頃、最後に演奏を拝聴したのは、名古屋の公演だった記憶がします。
当時の中日新聞の文化事業部のO氏の話の中に、ひょっとすると、
今後しばらくは?と思わせるキーワードがありました。
それから、本当にしばらく、大西氏の名前を見聞きすることはなかったのですが、
昨年、『楽興の時』がリリースされ、今年は、『バロック』をrリリースされました。
そして、今日、『バロック』の凱旋公演と言ってもいい公演が、東京の渋谷で
開催されました。
10年余のブランクにもかかわらず、渋谷のホールは満席ででした。
『バロック』のレコーディングを担当した多くのミュージシャンが、この日ために
渋谷に結集していました。ロビーには、ユナイテッド航空のバーナーが、
One Night Showのためにアメリカから駆けつけたミュージシャンの足を
提供したのでしょう。
コンサートは、この10年の静寂の間、大西氏がさらなる成長を遂げていることを
見せてくれるものでした。大西氏を除くメンバー、金管3人、ベース2人、
ドラム、パーカッションの7名は、全員ジャズの名手でした。
2時間の演奏中、開演から、びっくりするほどのハイテンションで演奏されていた
ドラムのハーリン・ライリー氏の手がつるというハプングが起こりました。
即興音楽たるジャズの素晴らしさを、大西氏の新たな出発としてお誘いした、
知人で文化施設の取締役の益子氏も感じ取っていただいたようです。
ライリー氏が、手がつってステージを一時抜けられようとする時に、
バトンを引き継ぐドラマーが登場したのにも、びっくりさせられました。