
2009年5月 2日 (土)
テーマパークで英語を使おう! ~ Vol.2 ホテルにチェックイン
食事の前に、チェックインしなくちゃ 前回のレストラン予約編はいかがだったでしょうか? どこまで続くかわかりませんが、このシリーズ、最初の土曜日の更新で掲載していこうと思います。さて、先にレストランの予約について書いちゃいましたけど、やっぱりホテルにチェックインして落ち着かなければ、リゾートライフも始まりません。 テーマパークで英語を使おう! ~ Vol.1 レストランの予約(2009.4.4) 具体的なほうがわかりやすいでしょうから、ウォルト・ディズニー・ワールド(Walt Disney World)限定の話も出てきますが、あしからず(というか、他はあまりよくわからないし)。 空港からホテルへ だいたいのケースでは、空港からホテルまではバスが運行されていることが多いと思います。予約時になにか案内があったはずですので事前に確認を。私がよく行くWalt Disney Worldでディズニーの直営ホテルを使う場合には、「Disney Magical Express」というバスが利用できます。ホテルの予約後にWEBサイトから到着および出発の予定(日時と便名、人数と滞在ホテルなど)を登録しておくとバウチャーと荷物用のタグシールがが送られてきます(旅行代理店でも手配してくれると思います)。 オーランドへの米国内での乗換の際、預け入れ荷物に送られてきた黄色のタグシールを貼り付けます(これ重要!)。 こうすれば、名前と行き先のホテルをディズニーのスタッフが(実際にはバス会社のミアーズの社員かもしれませんが)ピックアップして部屋まで運ぶ算段をしてくれます。つまり、空港に着いたら手荷物だけもってバスに乗っちゃえばいい、ということですね。 オーランド国際空港についたら、Baggage Claim(荷物受け取り場)をスキップして手荷物だけをもって専用カウンターへ行きましょう。受け取ってあったバウチャーを見せると乗り場の列を教えてくれます。2つか3つのホテルを巡回するバスですが、だいたい30分間隔くらいで出発しています。 出発前に、ドライバーが立ち寄るホテルの名前を順にいいますから、自分が降りるホテルのところで元気に手をあげましょう。忘れると通過されちゃうかもしれませんよ。 ホテルに着くと、ドライバーがマイクで「Disney's Beach Club」などというふうにホテル名をいいます。忘れずに降りましょう(まあ、別のホテルに着いちゃっても、なんとかなりますけどね)。 ホテルに着いたら、いよいよチェックイン バスのカウンターではバウチャーを見せるだけでなんとかなりますから、本格的に英語を話さなければならないのはここから。代理店経由であればそこから、直接予約ならばディズニーから、バウチャーが届いているはずです。順番がきたら呼ばれたカウンターに行き、それを見せましょう。相手はディズニー・スマイルで「Hello! welcome.」「How are you?」といった具合に迎えてくれますから、負けずに「Hello!」「Fine, thanks!」と元気に答えましょう。もぞもぞしていても仕方ありませんよ。 ここで必要なのは、バウチャーの他にパスポートと、ホテルのキーに登録するクレジットカードです。予め取り出しやすいところに用意しておきましょう。 予約はすでにコンピュータに登録されているはずですから、この段階で質問攻めにされることはありません。どっしりと構えていきましょう。 まずはパスポートの提示を求められるはずです。けれど、「Passport please.」とは言われません。だって海外旅行客ばかりじゃなく、米国内のゲストが圧倒的に多いのですから。だいたいは「Do you have a photo-ID?」「Photo-ID please?」などと言われますから、慌てずにパスポートを見せましょう。 ちなみに、お酒を販売するレストランや売店でも、ときおり「Photo-ID」の提示を求められます。面倒でもパスポートは持ち歩きましょう。 よく言われますが日本人は若く見えるので、私がこの提示を求められなくなったのは、ようやく37、8歳になってからでした(それでも毎回提示を求める律儀なお店もありますけど)。 作業中の雑談が関門? この間、キャストはコンピュータにいろいろと入力をしたりしながら、「Where did you come from?」「Is it the first time visiting here?」「Honeymoon?」など、いろいろと話しかけてきます。英語に自信がないとうっとうしいかもしれませんが、ムッツリとしているとなにか不都合でもあったかとよけいにいろいろと尋ねてくるか、あるいは対応が悪くなってしまうかも。だいたい質問内容は上に書いたとおりですから、にこやかに切り抜けましょう。 Cast: Where did you come from? Guest: We came from Tokyo, Japan. Cast: Is it the first time visiting here? Guest A: Yes, it's the first trip to Disney World. I'm so excited!(初回なら) Guest B: This is the second time but first at this hotel. Umm...nice place!(二回目以降なら) Cast: Honeymoon? Guest A: Yes! we got married last week!(新婚ホヤホヤなら) Guest B: No, it's our fifth anniversary trip.(結婚5周年旅行なら) Guest C: No, it's just a familly vacation.(ただの家族旅行なら) その場の状況に応じて適当な受け答えをするのは慣れが必要ですが、ここは旅の始まりが気持ちよければそれで良い場面です。肩の力を抜いていきましょう。 ホテルキーにクレジットカードを登録するかどうか尋ねられますので、なにか事情がなければ登録しておきましょう。カードキーで買い物ができるのでとても便利です。 Visa,Master,AMEXだけでなく、日本のJCBカードもOKです。プリントアウトした紙にサインを求められますが、クレジットカードの裏面と同じサインをします(わざわざローマ字でサインする必要はありません)。ときおり、ため息混じりに漢字の感想を言われることがあります。ここぞとばかりに優越感に浸りましょう。 手続きが完了すると、パンフレットなどを一式渡してくれ、見取り図で部屋を教えてくれます。 間違いがないように見取り図にボールペンやマジックペンで黒々とマルをつけてくれますから、きっとわかりやすいです。とはいえ、数字の書き方にクセのある人も多いですから、確認はしたほうが良いですね。 仮に部屋が気に入らない(ロビーから遠くて不便だとか、できるだけ上の階が良いとか)場合には、ここで交渉してみるのもいいかもしれません。「Could you arrange nearer room from robby, please?」「If it is OK, I would like 4th or 5th floor. Would you arrange for me?」とかですね。 ただし、フロアなんかは料金が違ってくるかもしれないので、どの程度要望が通るかは保証の限りではありません。私はあまり注文をつけるほうではないので。 すべてが終わったら、「Do you have any requests or questions?」みたいなことを訊かれます。特になければ「It's OK. Thank you.」とでも言って部屋に向かいましょう。 さあ、いよいよリゾートライフの始まりです。 荷物の受け取り スーツケース等を一緒にもってきた場合には、ここでベルサービスがカートに入れて運んでくれます。部屋番号を伝えましょう(さっきカウンターでもらった見取り図を渡しちゃうのが早いです)。ここでも、道すがらチェックインカウンターと同じく「どこから来たの?」「ディズニー・ワールドは初めて?」「移動はいかがでしたか?(How was your flight?)」などと話しかけられます。まあ、決まり切ったことなので適当に答えます。 あれこれ訊かれるのがいやならこちらから話しかけても良いですね。 「How big this hotel is. How many rooms do you have?」「Is it a busy time now?」「Do you have many Japanese guests here?」とか。「I'm really exhausted by 20 hours flight.」なんて言っておくと、気を遣ってあまり話しかけてこないかもしれません。 部屋についたら、荷物を運び入れてくれ、なにか質問や要望はないかと訊かれます。特になければ、忘れずにチップを渡して別れましょう。 「Disney's Magical Express」を利用していれば、スーツケースなどは別に係員がピックアップして、その日のうちに部屋に届けてくれます。 もちろん、荷物を待っている必要はありません。日本からの便だとだいたいの場合はチェックインを終えると16時~18時くらいにはなっているはずですから、夕食にでかけましょう。戻ってくる頃には荷物が入っているはずです。この方法だと、荷物を運び入れてもらってもチップが不要、というメリットもあります。ちょっとせこいですけど。 トラブル対応も貴重な練習のチャンス! そうそう、一度、どうやら乗換のタイミングがギリギリになって荷物があとの便で到着したらしく、翌日まで届かなかったことがありました。仕方がないので早朝にロビーへ行き、ベルサービスに「荷物届いていませんか?(Hello. I arrived last evening and used Magical Express. I wonder if you received my suitcases last night.とか言ったんだと思います)」と訊きました。保管庫に一緒について行ったところ、ちゃんと届いていましたので、「I'll take them to your room soon!」ということになり、部屋で待っていると5分ほどで届きました。 もちろん、ベルサービスに電話をして同じように頼むこともできます。けれど、私は相変わらず電話は苦手なので、直接行って尋ねたほうが気楽だったのです。 こうしたちょっとしたトラブルは旅にはつきものですから、起こってしまったら何とかするしかないですね。まあ、旅行会社によっては24時間トラブル対応サービスなんかもありますが、自分で解決してみるとなんだか旅の達人に近づいたような満足感もあります。 さて、チェックインが終わって荷物もそろったら、あとは滞在を楽しむだけです。 日本からオーランドへの飛行機は、乗り換えもあって到着が夕方から夜になるのがほとんどだと思います。おそらくチェックインを終えると夕食の時間になっているでしょう。 まずは腹ごしらえをして、きっと長旅で疲れたでしょうから時差調整も兼ねて早めに休みましょう。ここで興奮して夜更かししちゃうと、明日から時差ボケに苦しむことになりますから、くれぐれもお気をつけください。 |
2009年5月 5日 (火)
接続法に仮定法 ~ 愚痴学習法?
後悔は先に立たず 語学学習がちょっと壁に当たると、頭をもたげてくるのが「なんでもうちょっと若いときにやっておかなかったんだろう」という後悔の念。やらなかったものはしょうがないのだけど、もう少し記憶力にも理解力にも自信があった頃にやっておけば、今頃は...と考えてしまいます。単語ひとつ、熟語ひとつを覚えるのも時間がかかるし、ついさっきまで格変化表とにらめっこしていたのに、いきなり「Mein Frau ist~」とか書いちゃってます。20代の頃なら、こんなことはなかったのに。 でもまあ、その頃にはやらなかったのだから、いまさら嘆いても何にもなりません。責める相手がいるとしたら自分ですが、過去の自分に腹を立てても得るところなどないわけです。 それでも、あのとき○○をしておけば、いま別の自分がいたかもしれないのに、という思いは共通のものなのでしょう。 そんな、実際には現実ではない条件を仮定して、それだったらなにかが実現しているのに、と悔やむ表現が、仮定法です。そう思うと、仮定法が身近に感じられませんか? もし私が鳥だったら 仮定法といえば一番有名な例文は、これじゃないでしょうか?If I were a bird, I would fly to you. どこかの英語教室のコマーシャルでも使われていたような(検索してみたら、宣伝のほうは「I wish ~」だったようです)。 中学や高校では遠距離恋愛なんていうのは実感がなかったので、この例文を習っても今ひとつピンと来なかったんですが、単身赴任なんかを経験すると、こういった距離感というのは身につまされる感じで。 ドイツ語の接続法(の、非現実話法)だと、変化する動詞の形が「接続法II式」なんていう名前になります。うーん、「II式」ってところがなんかこう「IV号戦車パンター」って感じですな。 Wenn ich ein Vogel wäre, würde ich zu dir fliegen! ドイツ語だとこんな感じです。単純に動詞や助動詞が接続法II式になるだけなので、単純といえば単純かもしれません。 さんざん、名詞の性だの格変化だの形容詞の弱語尾と強語尾だのとやってきたせいで、簡単に感じられるだけかもしれませんけどね。それでも、接続法はドイツ語の文法では最後のほうに出てくるわりには、文法自体がものすごく複雑で理解しにくい、というものではありません。 とはいえ、使うケースを想定すると、この表現が簡単に口から出てくるようなら、他にも相当バリエーションに富んだ表現を使える状態といえそうです。 私が英会話で仮定法を使うようになったのも、ようやくこの2,3年のことです。使い始めれば意外になんとかなっちゃうものですが、使わなくても日常会話で困るということもあまりないので、後回しにされがちかも。「仮定法過去」とか、いかつい名前でソンをしているんじゃないでしょうか。 もしもっと早くからドイツ語を学んでいたらなあ! というわけで、ラジオ講座を聴き、テキストやワークブックに取り組むたびに、心の中でこうつぶやいています。Wenn ich früher Deutsch gelernt hätte! 「もっと早くにドイツ語を勉強してたら!」というわけです。 でも上にも書いたとおり、こんなことは言ってもしょうがなくて、この作文をしている時間に目の前のワークブックに取り組むべきなのですが、ドイツ語で考えるところが多少はマシですかね。 そんなわけですから、みなさんも学習中に愚痴をいいたくなったら、外国語に直して貴重な学習チャンスとして活かしましょう。仮定法攻略には一番かもしれませんよ(なんか違う?)。 |
2009年5月 9日 (土)
学習開始半年後の初TOEIC、講師の目標は650、結果は...
TOEICスコアはすでに以前書きましたが 「結果は...」なんて書きましたけど、すでに過去の記事で書いちゃってるんですよね。2002年の2月に英会話教室に通い始めて、受験は7月、ちょうど5ヶ月ほどを経過したところでの結果は765でした。内訳はListeningが410、Readingが355です。 先走って書いちゃうと、一番最近のスコアは2006年11月の880、Listeningが420、Readingが460でした。あれ? 英会話教室に受験当時で4年半も通っていたのに、Listeningのスコアが10点しか伸びてないって、どういうこと? と思いますよね(笑) でもその話はまた後日。 生まれて初めて受験したTOEICは、公開テストではなく勤務先で行われた「TOEIC IPテスト」でした。いわゆる「過去問」を使って団体単位で任意実施できるTOEICですね。公式な解説は<a href="http://www.toeic.or.jp/toeic/corpo/corpo_05_01.html">こちらにあります</a>。 大学などの大教室で見知らぬ人と一緒に受けるのとはちょっと条件が違っていたとは思います。 見慣れた会議室で、いつも顔を合わせているメンバーと20人くらいでの受験でしたから、気分的にはラクだったかもしれません。 最初の試験での、英会話の先生の見立ては 受験前に、英会話教室の担任講師だったミホ先生に(日本人でした)、「今度会社でIPテストがあるんだけど、いまの実力でどのくらい目標にできそうですか?」と(たぶんそういう意味のでたらめな英語で)尋ねたところ、回答は「Uhhhm...6...50」でした。なにしろ、当時の私は自己紹介をせよといわれると「How do you do? My name is d-mate. I'm an employee of ZZZ corporation. I like traveling and eating. Thank you!」くらいを、つっかえつっかえ、しかも素晴らしきカタカナ発音で喋っていたのです。「work for ~」という表現さえ知らないのですね。 ただし、中学高校で習った単語は多少は頭に残っていたし、基礎文法も一応理解はしていました。 一通りの知識はあるので、テキストに書いてあることはわかる。けれど、実運用のための経験や身につけた表現があまりに少ない、そんな状態でした。 今から考えると、講師の「650」という見立てはかなり良い線ではなかったのかな、と思います。 ペーパーテストは得意! ところがどっこい、私は昔からペーパーテストは得意なのですね。だいたい実力より高めの得点が出てしまう。このときはたぶんわかんないけどカンでマークしたのが当たったりもしたんだと思います。Readingに関しては、TOEICというテストの性格上、企業や団体での告知や電子メール、広告といった文章が多いため、普段から日本語で慣れ親しんでいる内容であったために回答が類推しやすいのも事実ですしね。明らかに学生や専業主婦よりも、勤め人のほうが有利なはずです。 そんなわけで、実力値以上のスコアが出たわけです。自分でも驚きましたね、学習開始のきっかけとなった会社の後輩のスコアをあっという間に超えちゃったのですから。 学習開始のきっかけとなった、けっこう情けないお話はこちら 英語スタートのきっかけは酔った勢い!?(2008/12/24) とはいえ、半年弱の期間でも毎週2回(当時は週2回の給付金コースでした)英語に触れる時間を作ることで、しかも1回は外国人講師だったため、「英語話者が話す英語」に初めて集中的に触れたというのは大きかったと思います。学校で習った英語をかなりのスピードで思い出し始めた時期でもありました。 学習カーブというのは最初のステップを越えたあたりが急激に伸びるもので、ちょうどそのカーブの傾きが大きくなる時期だったのでしょう。 大切なのは、ポジティブな結果を実感すること TOEICのスコアが本当に英語の運用能力を表す指標なのか、と問われれば、私は懐疑的です。まともな会話能力のなかった当時の私が、中学高校で習った記憶の残滓で765点が取れてしまったことなんかは、その典型的な現れでもあると思います。あれは、英語を聞き取り、あるいは読み取って意味を理解する能力の一部を計る指標のひとつであって、TOEICのスコアアップを追い求めて勉強したり、あるいは人事評価の指標にするほどのものではありません(なんて書くと、叱られそうですが)。 TOEICのスコアについての私の考え方はこちら 私の職場でのTOEICの位置づけは(2009/2/10) とはいえ、学習の初期段階で(どんな形であれ)効果を実感するのは、学習を続けられる大きな動機付けになります。 私の場合、この時期のTOEICで思ったよりも高いスコアが出たことで「お、やれるじゃないか」と自信をつけた(いや、「勘違いした」のかも)のは大きかったと思います。繰り返すようですが、スコアそのものに振り回されるのは危険ですけど。 TOEICでなくでも良いのです。英語で道を尋ねられてちゃんと答えられたとか、大好きなドラマの台詞が聞き取れたとか、何でも良いのですが、確実に自分が前進している証が大事。その意味では、特に勉強し始めの頃には、できるだけポジティブな結果の出るところで、英語を少しずつ試してみるのが、良いんじゃないかと思います。 |
2009年5月13日 (水)
日本人講師と外国人講師
なんとなんと、昨日は英会話教室を終えて帰宅したら意外なほどくたびれていて、火曜日の更新を忘れて寝ちゃいました。 ひさびさにイレギュラーな水曜更新となります。 なお、「ゴガクル」のトップページでも告知されているとおり、6月1日のリニューアルに向けて、このブログセレクションも来週の月曜日(5月18日)からお休みになります。6月1日午前0時に再開とのことなので、今週土曜日の更新のあとは2週間ほどのお別れとなります。 再開後も、よろしくお願いしますね(リニューアルを機になくなったりは...しないと思いますが)。 講師は外国人だから良い? 昔の英会話教室のCMで、「講師はもちろん全員外国人」なんて言ってましたよね。たしかに、言葉を学ぶのだから、その言葉を毎日使っているひとから生きた言葉として習うのが良さそうに思えます。でもそれって、たぶん違っています。 私が7年と少し前に英会話教室に通い始めたときには、文法習得も含めた少人数(3~4名)のクラスと、会話中心のクラス(5~8名)の組み合わせでした。講師は前者が日本人、後者が外国人です。 始めたとき、私には「なんだ、日本人講師かよ」といった感覚はゼロでした。なぜなら、言葉を学ぶのに日本人講師よりも外国人講師が優れているとは、思っていなかったから。 むしろ、日本人だからこその良さもあると考えていました。 教室で日本語は一切使わないけれど 良くある光景だと思いますが、教室には「No Japanese!」と大きく貼り出されていました。それでも、苦し紛れに日本語を使っちゃったりしてましたが。生徒がダメなのだから、当然日本人講師といえど日本語は使いません。クラスはすべて英語で進められます。 だったらやっぱり、英語を母語とする外国人講師のほうが良いじゃないか、と思うかもしれません。 けれど、私がスタートしたのは中級クラスだったことに注意が必要です。 「中級」といっても、「初級」に近いレベルだったのではないかな。当然、生徒の話す「英語」はほとんどが典型的なカタカナ発音だし、文法上の間違いもたくさんあります。語彙も不十分なので、日本語が混じったり。 となると、日本人講師のほうが生徒の言いたいこと、引っかかっている理由をすばやく理解して、サポートをしてくれます。なので、むしろ日本人のほうが良かったと思っています。 初級から中級にかけて、とにかく言葉が出てこない段階では、ネイティブの発音がどうこう言うよりも、どこでどう引っかかっているのかを容易に理解してくれる日本人講師の存在はありがたいものです。 一方で会話中心のクラスでは、細かな間違いを気にせずにたくさんアウトプットをする、使える表現の引き出しを増やすことが主眼ですから、外国人講師が適当でしょう。 そりゃ、長い間英会話教室を経営しているのですから、こうしたノウハウはしっかりしているのですね。なので、「講師はすべて外国人!」というのが本当に自分にとってのメリットなのかどうか、判断は大切と思います。 この5年は外国人講師ばかり この5年間、いわゆる中上級から上級のクラスに入ってからは、日本人講師の担当はゼロです。もちろん、日本人といっても在外経験が長く、母語と同じように話せる人ならばかまわないでしょうが、とにかく、細かな知識よりも実際の運用能力を高めることが重要。会話でもリスニングでも、あるいはディスカッションでも、きちんと教授法の基礎くらいは学んだ外国人講師が必要になります。 こうした、最初は日本人講師で注意深く前進させつつ、外国人講師主体のクラスと組み合わせて基礎力を高め、一定水準になったら外国人講師だけによるクラスにしていくというのは、おそらく私が通っている教室だけではなく、広く採用されている手法なのではないかな。 もちろん、学習者が自分の性格やニーズにあった教室や学習機会を選ぶことが大切ですが、一概に「日本人講師だからダメ」といった単純な話じゃないのは、確かだろうと思います。 |
2009年5月16日 (土)
私には効果がわからない「流し聞き」
ゴガクルのトップページでの告知通り、5月18日〜31日の予定でサイトリニューアルがあるそうです。 この間、ブログの更新やコメント投稿などができなくなるそうですので、今日がリニューアル前最後の更新となります。また2週間したら戻ってきます。 リニューアルの内容は全く聞いていないのですが、ここのデザインも変わるのかな? まあ、6月1日を楽しみに待ちましょう。 ほんとに聞いてるだけで!? 「一日中英語を流して、聞いているだけで、ある日英語が理解できる」なあんていう広告がたくさんありますよね。 不思議なのは(というか、むしろ当たり前なんですが)、「英語 流し聞き」といったワードで検索をかけても、出てくるのはこの手の教材や学習法を商売のネタにしているサイトばかり。 実際に効果があったという声は決して多くありません。学習者の感想かと思いきや、単なるアフィリエイト目的のブログだったり。 人によっては効果があるのかもしれませんが、私は「流し聞き」が効果的だと実感したことは一度もありません。 考えてみてください。 会議で上司がくだらないお説教と自慢話、テキストを読み上げるだけの退屈な授業、それが頭に入ってきたことなんてありますか? たぶんあまりないと思います。たとえ日本語であっても、内容を理解しようと頭を働かせていない限り、単なる音が素通りしているだけ。 なぜ、英語ならばそれが学習につながるのでしょう、私にはここからすでに理解不能なんですね。 それが本当なら英語に苦労する日本人なんていないはず 著名な俳優が朗読する物語のCD(昔はカセットテープでした)の広告、私が小学校の頃からありました。きっともっと前からあったのでしょう。あれが宣伝ほど素晴らしいものだったら、いまごろそこら中に英語話者がわんさかといて、英語の苦手な日本人、なんていうのはとっくに過去の話になっていたはず。学校教育に浸透するのは時間がかかるとしても、英会話教室や専門学校などでは「流し聞き」が盛んに行われているはずです。でもそうではありません。 理解しようと思っていないものは理解できません。たとえ英語の音が聞こえてきたとしても、実際のスペルや文のまとまりを確認せずに、聞こえてきたまま英語が身につくなんて、私には信じられないことです。 ある程度そこで使われている単語や表現がわかっていて、頭の中で「ああ、こういうアクセントなんだ」と反芻できる場合なら、なんとなく有効そうです。でも、それならラジオ講座や、本に付属のCDなどを繰り返し聞くのと変わりませんね。あえて専用教材を高いお金を出して買う必要ないでしょう。 ひとつ効果があるとすれば、「今日は5時間も英語の勉強しちゃった!」という満足感に浸れるところでしょうか。「ああ、今日も全然勉強しなかった...」とネガティブになるよりはずっと良いと思います。映画を原語で見て「勉強時間」だったら、週末に2本ずつで4時間、一年で200時間ですよ。こりゃいい。 まあ、毎日何時間も「勉強した」という実感のわりに、実力がちっとも伸びないと別の意味でネガティブになっちゃうかもしれませんけどね。 学習には集中が必要じゃないかな 聞こえてくる英語の内容を理解しようと集中して聞いたり、すでに何度か読み/聞きをしたあとで発音やアクセントの練習のために聞いたりするのなら、「流し聞き」にも十分意味はあると思います。けれど、集中もせずにただ流しているだけというのは、(仮にそれが成果に結びついたかたがいたとしても、それは別の努力の結果でしょうし)多くの人にとって有効な学習方法とは、思えないのです。ダイエット食品と一緒で、なんの努力もしないでなにかを手に入れようとしても、だいたいはうまくいかないんじゃないかな。 たぶん私が「流し聞き学習」に異を唱えるだけでは説得力がないでしょうから、下記に援軍(?)を。 白井恭弘氏による「外国語学習の科学 ― 第二言語習得論とは何か」という本です。第二言語とは第二外国語ではなくて、母語以外の言語で多くの日本人にとっては英語があたるでしょう。 この本は、なぜ日本人にとって英語学習は難しいのか、第二言語習得についてこれまでどのような実験が試みられ、どんな学説があるのかをわかりやすく解説した本です。いわゆる「言語学習の臨界期」についても解説されていますので、小学校での英語教育義務化について関心のあるかたにも是非一読をおすすめします。 「外国語学習の科学 ― 第二言語習得論とは何か」(Amazonの商品紹介ページ) この本の中で、ある実験の結果として外国語を聴き続ける環境があったとしても、それに注意を向けていなければ学習結果には結びつきにくかった、というものが紹介されています。 詳細は本を参照していただきたいのですが、「流し聞き」といっても、内容を理解しようという感心なしに流しているだけでは、効果が期待できにくい、という主張の根拠になりうるのではないでしょうか。 |