2009年10月 3日 (土)
英語のおみくじ
あ、土曜日だった! ゆうべ予約録画してあったテレビアニメを観ていて(すいません、NHKの番組じゃないです)急激にショスタコーヴィチの第7交響曲が聴きたくなり、マリス・ヤンソンスのCDをかけて第2楽章で急に思い出しました。今日は土曜日じゃないですか。あいにく準備してあった記事もありません、なんか考えなくちゃ。 このブログがスタートした頃には、常に二週間分くらいのストックを用意してあったのですが、このところちとサボっていました。 その都度考えると、あんまりちゃんとしたこと、書けないんですよねえ。とはいいながら、英会話教室やドイツ語教室での失敗を毎回書き連ねても、仕方ないようにも思いますし。 英語のおみくじ 先日、週末のランチでデパートのレストラン街にあるスペイン料理のお店へ行きました。そのお店ではおみくじを引かせてくれて、「大吉」が出ると1,000円分の食事券がもらえます。そういえば、前回きたときにも大吉が出て券をもらい、でも有効期限内にいけずに使えなかったのでした。 さて今回の結果ですが、私がみごとに「大吉」、そして妻が「末吉」でした。 このおみくじ、裏面には同じ内容が英語で書かれています。「大吉」は「Your Fortune : Excellent」、そして「末吉」は「Your Fortune : Not So Good」となっています。ふむ、「そんなに良くない」んですな。 たしかに、末吉ってかなり下のほう。「末小吉」なんてのもありますが、感覚としては「凶」のすぐ上くらいですから。 私は普段、神社にお参りすることはほとんどなく、したがっておみくじを引くこともそうありません。なので、数少ない経験ではおみくじに英訳があった記憶がありません。 けれど、日本への観光者の多くは著名な神社に行くでしょうし、そこでおみくじを引く機会もあるでしょう。きっと英語版のおみくじもあるんでしょうね。 Wikipediaによると 英語版のWikipediaには、「Omikuji」という項目があり、これによると、大吉は「Great blessing」で末吉は「Near-blessing」なんだそうです。手元の辞書(プログレッシブ和英中辞典)では大吉が「very good luck」か「excellent luck」となっています。末吉は項目なし。 項目があるのは英語だけではありません。ドイツ語やスペイン語、フランス語など11カ国語に項目があります。 ドイツ語では大吉が「Großer Segen」で末吉が「Beinahe-Segen」、これも同じように手元の辞書(新コンサイス和独辞典)によると大吉が「das höchste Glück」で、絶対にこれ、という訳があるわけではないのでしょう。 「luck」と「blessing」、「Segen」と「Glück」がそれぞれどのようなニュアンスの違いを持っているのか、残念ながら私にはわかりません。 英文を読み、あるいは実際の会話を重ねても、なかなか外国語の言葉の持つ細やかな意味の違いや味わいを理解するのは、難しいでしょうね。そう思うと、毎度書いていることですが翻訳者には感心します。 |
2009年10月 6日 (火)
準備はするが、こだわらない
レッスンでは準備が大切 この話なんども書いていますが、英語に限らず語学のレッスンではちゃんと準備しておくことが大切です。準備というのは、たんにテキストを先に読んでおくだけのことではなく、レッスンの1時間なり2時間だけを学習時間ととらえない、というくらいの意味合い。予習だけじゃなく復習や、周辺の学習も含めて考えてます。 英会話教室では予習が大切(2009.1.20) ときおり聞かれる声に「英会話教室なんていったって話せるようにならない」なんていうのがあるのですが、そんなの当たり前です。 毎日8時間、週5回の教室にでもいけば別でしょうが、毎週1時間か2時間、英語を話す時間を作ったからといって、それだけで英語が話せるようになると期待するほうが間違いです。残念ながら。 英会話教室に高いお金を払っているのに全然話せるようにならない...と悩む前に、教室の外で自分がどれほどのことをしているかを考えないと。 普段からラジオやテレビ講座を見て聞いて、CDを聞き、音読をして、単語を覚えて、本や雑誌を読んで...という学習のベースがあって、そのアウトプットの場として使うくらいが、英会話教室に期待すべきことじゃないかと私は思っています。 もちろんそこに、質問ができる講師がいて、一緒に学べる仲間がいることは、挫折しやすい語学の学習ではとても役に立つことだと思います。 コミュニケーションにシナリオはない そんなわけで、私も不足がちではありますが、レッスン前にはきちんとディスカッションの準備をしておくようにしています。さすがに、中上級のクラスになると何も準備せずにレッスンに臨む不届きな(?)学習者はほとんどいません。周囲についていくためには当然それなりの準備が必要です。 ディスカッションが中心のクラスでは、テキストといってもシンプルなもの。 まず題材となる短い文章(半ページほど)が掲載され、各自が自分なりの意見をまとめるサポートとなる質問がいくつか載っています。 たとえば「文章の筆者の『○○○』という意見にあなたは賛成ですか、反対ですか? そしてその理由はなんですか?」「『○○○』という傾向は日本でも近年顕著だと思いますか? そしてそれは今後あなたの生活にどう影響すると思いますか?」といった感じ。 必ずしも関心のあるテーマばかりではないので、こうした質問があるのは助けになります。 ただし気をつけるべきことは、実際の会話にはこうしたガイドなんてない、ということです。事前に計画していたシナリオ通りに会話が進むとすれば、それはコミュニケーションじゃなく茶番ですよね。 会話相手の話す内容によって、当然こちらの受け答えは変わるべきものだし、ときには関係のない話が挟まったり脱線したりすることも。重要会議での脱線は困りますが、日常会話はそもそもレールなんて必要ないものです。 事前の準備をするのは、テキストの想定シナリオにしたがって会話をするためではなく、そのテーマについて自分なりの意見をまとめるため、と思っておくのが良いでしょう。 準備にこだわらずに脱線する したがって、いかに自分の準備した回答が素晴らしくても(まあ、だいたいにおいてそれは勘違いなのですが)、実際の会話(およびその予行練習であるレッスン)では、臨機応変に脱線すべきです。私は先日クラスの運営方針や内容に関するインタビューを受けた際に、「柔軟にトピックから外れるのも良い訓練になるので、良いと思う」と答えました。 え、英語でいえって? ええっと「It's welcome to be flexible about topics and sometimes change subjects. It'd be a good training of conversations.」くらいだったと思います。もちろん、スラスラとではなく、こんな内容をつっかえつっかえ伝えているわけです。 英語教室の講師はほめ上手(2009.9.12) 上述のとおり、準備は大切です。 けれど、準備した内容にこだわるのではなく、それをベースにして柔軟に会話に流れに乗れるかどうか、その訓練だと思ったほうが、ディスカッション中心のクラスを有効に使えるかもしれません。 ときには自分から話を脱線させても良いかもしれませんね。ただし、クラスには他の学習者もいるので、人の迷惑にならない程度に、ですけど(今のところ、私のクラスは一対一なので、お互いとても気楽に脱線ができます)。 |
2009年10月10日 (土)
英語読書派は大注目です、電子ブックリーダー
向かいの人の新聞で 台風18号が本州を縦断中の木曜日、朝の通勤電車で向かいのおじさんが読んでいる新聞の記事が目に飛び込んできました。 「Amazonが電子ブックリーダーを100ヶ国で」 見出し以外は見えませんでしたので、そのときは、「どうせ日本以外での話でしょ」と思っていたのですが、どうやら日本も「100ヶ国」の対象だったようです。 ただし、日本の書籍が電子ブックで買え、今回世界の多くで販売が開始される「Kindle」という電子ブックリーダーで読めるようになったわけではありません。 たんに、以前から売られていたリーダーが日本を含む100ヶ国で買えるようになり、現在電子ブックとして売られている「本」も買えるようになった、ということ。つまりは、ほぼ英語の本しか読めないのです(Kindleでは、画像データにでもしない限りそもそも日本語は表示できないと思いますし)。 でも、これなら日本国内での著作権やら流通の権益やらを一切無視して、ひとまず電子ブックリーダーの市場をひろげることができます。 市場ができてしまえば、日本の出版社や書籍流通もなにかを考え始めるかもしれません。Amazonとしては、正面から戦いにいくのではなく、側面からじっくりと攻めることにしたのでしょう。 クルーズ船でも数名見かけましたが 夏休みに乗ったクルーズ船でも、この電子ブックリーダー「Kindle」を手になにかを読んでいる人を数人見かけました。 あちらの人はバケーションとなるとやたらに分厚いペーパーバックなんかを手に、デッキチェアで読んでいますから、あれにくらべればさして重さは変わりません。Kindleは289gと軽量で、これならば文庫本数冊と同じ程度です。 船上では「Reading Materials」を忘れずに(2009.8.25) 旅行や長い出張にでかけるたびに、何冊本を持って行くかは私の荷物づくりにおける最大の問題のひとつです。少なければ途中で読み終わるかもしれないし、読み始めたけどイマイチということもあり得る。でも、あまりたくさんだと荷物が重いし結局ムダになる。 若い頃は船戸与一の「蝦夷地別件」上下巻(もちろんハードカバー)を同時にカバンに入れて歩くくらいはへっちゃらだったのですが、最近はちょっと荷物が重いとたちまち腰が痛みます。 使いやすく、読みたい本がちゃんとそろってさえいれば、電子ブックは魅力のある「本」の形であるのは間違いないのです。 英語読書派には大注目では? 英語の本を読もうとすると、英語そのものは別としても、ふたつの大きな障害があります。 ひとつは、お値段。 昔ほどではありませんが、未だに英語の本を書店で購入すると割高に感じられます。 もちろん、リスクを負って商品を仕入れ、店頭や倉庫に高い賃料を払って保管する上、不届きな客に汚されたりすることさえあるわけですから、一概に「高い」とは言いにくいのですが、現地で売られている値段と比較してしまうと二の足を踏んでしまう程度の差があるのはたしかです。 もうひとつは、本自体がかさばること。 ペーパーバックになってから購入すればよいのでしょうが、新刊は頑丈なハードカバーで、しかも紙質の問題なのかページ数以上に分厚いものが多くあります(それほど重くはないのですが)。毎日の通勤電車で読むことを考えると、これはちょっとつらい。 このふたつの問題が、今度の電子ブックリーダーでは解決されています。 電子ブックの価格は紙よりも安く設定されており、その上ネットワークを通じて購入できますから、配送を待つ必要さえありません。今読みたいと思ったら数分後には読み始められるわけです。 もちろん、電子ブックを何冊詰め込んでも、本体の重さが1gも変わることはないので、ふたつめの問題も(たしかに文庫本一冊よりは重いでしょうが)解決です。 さらには、このリーダーには「The New Oxford American Dictionary」が内蔵されており、本を読んでいてわからない単語があればその場で意味を調べることができます。 もちろん電子化された情報なので検索もできるし、電子音声ながら読み上げの機能も付いています。 まだ試したことがないので実際の使い勝手はわからないのですが、比較的頻繁に英語の本を読んでいるのなら、この仕様はなかなか魅力的なのではないかと。 私自身も、まだKindleストアに登場していない「Harvard Business Review」が対応してくれるのなら、買ってソンはないかな、と感じるほどです(一手間かけてオンラインで表示させた記事をPDFファイルとして保存し、データ変換して転送すれば、読めちゃいますが)。 英語の本を毎月のように読んでいるかたにとっては、この電子ブックリーダー、ちょっと注目だと思いますよ。 |
2009年10月13日 (火)
ドイツでビールを飲もう!
ドイツといえば、ビールでしょ! 「ドイツといえば、ビールでしょ!」こんな宣伝文句をまとった本が登場しましたね。 タイトルは「ビールを楽しむドイツ語」、著者のJan Hillesheim氏はゲーテ・インスティトゥートで講師も務めているとか。このブログをお読みのかたには、いままさに習っていますよ、というかたも多いのではないかと(ちなみに私はゲーテではありません、きっとまだついて行けない)。 発売元はドイツ語学習者にはおなじみの三修社、会社のサイトによるとドイツ語関連の本は85点もあるのだとか。 お値段はB6変形、128ページの本にしてはちょっとお高めの1,575円。まあ、カラーページが多いですからね、仕方のないところか。 まずは歌おう 最初にドイツ語の発音についての簡単なコラムがありますが、それを過ぎるとまずは歌です。 オクトーバーフェストの会場で歌われる乾杯の歌、そう「Ein Prosit, ein Prosit」で始まる、あのとても簡単で、親しみやすい歌です。楽譜と歌詞がありますが、この本の特設ページに行くとビデオも用意されています。 いつかオクトーバーフェストに行くのなら、この歌くらいは覚えていきたいものですね。ちなみに、私が良く行くWalt Disney WorldのEPCOTにあるドイツ館内のレストラン、その名も「Oktoberfest」でも歌っていましたっけ。 ビールを楽しむドイツ語(三修社) 歌が終わったら、さまざまな場面で使える、ドイツ語のビールに関する表現が並んでいます。中には「検問で」なんていうのもありますよ(もちろん、ノンアルコールビールを飲んで帰る途中、という設定で)。 そして、ドイツビールの種類と、その色合いやこく、味などの表現集、さらにはドイツのあちこちで聞いたビールに関するインタビューと、ビール好きにはきっとたまらない内容です。 まあ、本として考えると読むべき場所はそんなに多くはありません。さっと流してしまえば1時間もかからずに読めてしまうでしょう。 でも、これだけのドイツ語表現をしっかりと身につけようとすると、そう簡単ではありません。例文の文法的な解説はありませんから、ちゃんと読み込んで自分なりに理解をするにはそれなりの時間がかかるでしょう。 こういう本が増えればいいのに やっぱり、なにか好きなものがあって、そのためにドイツへ行きたいのですよね。あるいは、なにか読みたいものがあってドイツ語を学んでいる。 その興味の対象と、語学のテキストが一緒になっているのがやはり理想です。いつまでたっても「Guten Tag!」ばかりではね。 私の場合はビールですが、あちこちにある歌劇場でも良いし、職人による仕事の解説でも、鉄道でも、素材は何でも良いでしょう。 関心のある領域について書かれた本やテキストで学ぶこと、基礎文法を終えたら(いや、私の場合まだ知識として知っているだけで、訓練は全く不足しているのですが)、こうした素材でな万で行く機会も必要でしょうね。 |
2009年10月17日 (土)
必要なのはラジオの難聴取地区対策? それともネット放送?
悲しき雑音混じりのラジオ講座 以前にも何度か書いていますが、私のNHKラジオ語学講座の利用スタイルは、次の手順になっています。 1) まずは「トークマスター Slim」で目当ての講座を録音する 2) MP3ファイルを自宅ファイルサーバ(バッファローのNAS)に転送する 3) iTunesで必要な講座を読み込み、講座名等を入力し直す 4) iPodに必要分を転送 5) 通勤中に聴く たかがラジオ講座というなかれ、かくも面倒な手続きを経て(だって、物理的なファイルの在処だけでも、2回も移動しているのですから)、ようやく聴けています。 「トークマスターなら、そのまま持って歩けばいいじゃん」と思われるでしょうが、持ち歩いている最中にもアンコール講座などの録音時間はやってきますから、その都度ラジオが受信できる場所に置かないといけません。 でもまあ、手順は仕方ないのです。 問題なのは、ラジオの受信状態。目の前に大きな建物があり、細い一方通行の道路を隔てているだけのわが家は決して恵まれた環境になく、たとえトークマスターをベランダに出したとしても、満足な受信状態は確保できません。 したがって録音したラジオ講座は、声がこもっていてピーガーというノイズがときおり大きく入る、非常に情けないファイルになっているのです。 たとえばFM放送だと、ケーブルテレビ曲が中継配信してくれているためにアンテナをチューナに接続するだけで非常にクリアに受信できます。これを聴いたあとでAMラジオを聴くと、ホントに脱力してしまうんですよねえ。 あ、ちなみに録音結果は川本さんのように「古いのはどんどん捨てる派」と、ときおりコメントをくださるシュタイントギルさんのように「ライブラリ化してとっておく派」にわかれますが、私は明らかに後者です。 ソニーのネットジュークは語学学習の決め手(シュタイントギルの旅人) でも、この6月にライブラリとなっていたハードディスクが壊れて、一気にデータを失ったのですが... ネットのストリーミングは福音、だが この春から始まった、一週間分のネットでのストリーミングにより、かなり状況は変わります。ストリーミングされたデータをローカルのディスクに保存する方法はここでは詳述しませんが、幾通りもの方法がありますから適当に探してください。 最悪、PCで再生しながら録音しちゃえば、保管できますよね。 手順自体は「トークマスターでの録音」が「ストリーミングデータの保存」に変わるだけで、大きな変化はありません。 しかし、保管されたラジオ番組の音のクリアさにおいては、まさに月とスッポン、他のゴガクルブログと「37歳から~」ほどの違いがあります。当然ながら雑音もないし、タイマーがずれて前の番組のお尻から始まったりもしません。まさに理想的な録音です。 けれどこのストリーミングにもいくつか問題が。 ひとつは、一週間待たなければ聴けないし、しかも逃してしまうと前のデータは消えちゃうこと。毎週確実に作業しなければなりませんが、タイマー録音のようにほっといても大丈夫なものではありません。 もうひとつは「アンコール講座」がその対象になっていないこと。このため、ストリーミングがいかに快適でも、ラジオの録音はやめられないのです。 なんだか耳寄りな情報が 9月の下旬に、「JVC・ケンウッドホールディングス」からちょっと良さそうな発表がありました。 その名は「M-LinX」(エムリンクス)、要はインターネット網を通じてAMとFMのラジオ放送が受信できる仕組みとのことです。ブルーレイレコーダに機能として搭載される他、対応した受信機も用意されるのだとか。 具体的にどんなサービスが、どのくらいの価格で登場するのかが発表されていませんから、今の時点で「ラジオ語学講座の問題が全面解決!」というわけにはいきません。 けれど、技術的にはラジオ放送と同じ内容をネットで流すことにはなんの問題もありません(現に、私はほぼ毎週海外のネットラジオ局で流されているライブ放送を録音して、iPodやPCで楽しんでいます)。あとは、法規制や海賊版対策などの周辺の問題です。 それがうまく解決される方向が見えてきたのだとすると、とても楽しみです。さまざまな事情で実現していないことが、良い方向に動き出すきっかけになってくれればいいのではないかと。 著作権の保護はたしかに重要ですが、行きすぎた保護はいただけません。海賊版で商売をする少数に人たちのために、ただ自宅や自身の携帯プレーヤや携帯電話で放送されたものを聴きたいだけの一般ユーザーが不便を強いられている。これが現在の姿でしょう(過去には「コピーコントロールCD」なんていう本末が転倒した商材もありました。客が泥棒にしか見えない人たちは商売をたたむべきでしょう)。 NHKオンデマンドやラジオ講座のストリーミング提供は、その不便さを補うNHKなりのテストであり、おそらくは冒険でもあると私は評価しています。 ストリーミングはほとんどのリスナーに歓迎されているでしょうから、ぜひこうした方向を一歩ずつでも前に進めていただきたいな、と思うのです。 |
2009年10月20日 (火)
なにかのイジメですか~ドイツ語の複合語
Geschwindigkeitsbegrenzungってアナタ... 毎度のことながら周回遅れで聞いているラジオ講座「毎日ドイツ語 ドイツ語、基礎のきそ」も、みなさんに遅れること約1ヶ月にして、ようやく最後の週に突入しました。 まずはテキストを見ずに、スキットの内容が単語レベルまで聞き取れるまで繰り返し...って、なんですか、まったくわからない暗黒のエリアがあります! 「ゲシュビン~カイト~グレン~ング」って一体何? 軽いパニックを起こしつつ(そういえば、ドイツ語教室でも良く「Keine Panik!」と声をかけられる私であります)、しょうがないのでテキストを開きました。 問題の単語とは、「die Geschwindigkeitsbegrenzung」、速度制限のことでした。分解すると、「die Geschwindigkeit」が「早さ、速度」で、「die Begrenzung」が動詞「begrenzen」(=制限する、限定する)を名詞化した「制限、限度」。ふたつの単語を「s」でつなげて「速度制限」。ハイ、良くわかりました。 それにしても、ドイツで暮らしていると、本当に「速度制限」という意味を伝えるために、毎度「ゲシュヴィンディッヒカイツベグレンツンク」って発話するんですかホントに? Google翻訳で、「速度制限」と入れて日本語からドイツ語への変換を試してみると、「Speed Limit」ってでますよ。こっちのほうがずっと簡単じゃないですか。 さらには、「der Geschwindigkeitsmesser」(速度計)やら「die Geschwindigkeitsüberschreitung」(速度違反)やら、登場しましたが、すいません、憶えられません! まあでも「外国語」として比較すると さて、パニックが収まってからじっくりと考えると、日本にやってきた外国人がいきなり「速度制限」という漢字を見せられたときの感覚だって、似たようなものかもしれません。 「速」は「ソク、はや...い、すみ...やか」の読みで、意味は「はやい、すみやか、間がちぢまっている、テンポやスピードが速い」 「度」は「ド、ト、タク、たび」の読みで、「ものさし、長さをはかる規準、尺度」 「制」は「セイ」の読みで、「余計なところを切り捨て、必要なところだけを取って形を整える」「はみでるところや、かってなふるまいなどを押さえる」「人民を押さえて取り締まるきまり」 「限」は「ゲン、かぎ...る」の読みで、「そこまでとしるしをつける、区切りをつけてとめる」 順番に手許の「漢字源」で調べてみましたが、これを並べて「速度」「制限」という言葉が生まれ、さらに組み合わせて「速度制限」になるといわれたって、きっとちんぷんかんぷんですよね。 実際には「速度」「制限」でそれぞれ意味を調べるにしても、なぜ「速」「度制限」じゃないのか、「速度制」「限」にはならないのか、考え出すとキリがありません。 さらには漢字は似たようなものが多い上に意味が全然違ったりします。 「限」と「根」と「恨」、私たちが漢字に触れたことのない外国人で、日本語を学ぼうと考えたとき、これらの文字の違いを正確に理解して使い分けるのなんて、とうてい無理に思えることでしょう。 ハイ、もう一度「die Geschwindigkeitsbegrenzung」 さて、もう一度見てみましょうか、このイジメのような長い単語を。 前半の「Geschwindigkeit」は、もちろん「geschwind」(=速い、すばしこい)に語尾がついて名詞化されたもの。 手許の辞書から例文をひっぱると、次のようなのが出てきます。 Er ist geschwind bei der Arbeit. (彼は仕事が早い) Er ist geschwinder Zunge. (彼は口が達者だ) ふむ、「die Zunge」が気になりますな。「舌、話し方、話しぶり」だそうで。 調べてみると、「eine falsche Zunge haben(うそつきである)」「eine feine Zunge haben(舌が肥えている)」「eine lose Zunge haben(口が軽い)」なんてのが並んでいます。緩んだ舌、たしかに軽そうであります。 後半は上述のとおり、「begrenzen」という動詞が名詞化した「begrenzung」です。こちらも例文を見てみると、次のようなのが。 Berge begrenzen den Horizont. (山々が空と大地とを分けている) Deutschland wird im Süden durch dir Alpen begrenzt. (ドイツはアルプスが南の境界となっている) ほうほう、なんだか雄大な自然が見えてくるようです。 こんな風景を見たいので、私たちはドイツへ行きたいのですよね。急にイジメ用単語としか思えなかった「Geschwindigkeitsbegrenzung」が身近に感じられるようになりました。 日本人だってやっている ドイツ語といえば、このように複数の単語を並べてつなげた、なが~い単語の宝庫ともいえます。 「何考えてこんなに長い単語作るんだか」というのは、ドイツ語学習者が一度は抱いたことのある感想じゃないでしょうか。英語みたいに、あいだにスペースを入れて名詞を並べたってかまわないのに、「marketing research」も「das Marketingresearch」とご丁寧に続けて書いちゃう。 でもこれって、日本人も割と得意のやり方ですね。そもそも日本語には単語を分かち書きする習慣がないわけですが、「全子会社企業経営健全度指標調査結果報告書概要」とか、書いてませんか? あ、そこまでひどいことしないか。 たしかに「すべての子会社の、企業としての健全さの度合いを示す指標に関する調査結果の報告書の大まかなまとめ」と書いても、日本人である私にはわかりやすくなるわけではありません。むしろ、まどろっこしいと感じます。しまいには「全健報告」とか略し始めたりして、外部からはなんのことやらさっぱり...(ちなみに、上記の報告書は実在しません、でっち上げです) きっとドイツ人にとっては、「Geschwindigkeitsbegrenzung」くらいどうってことないのでしょうね。 これって、私たちが「Geschwindigkeits」「begrenzung」とあいだに一呼吸置いても、ちゃんと通じるんでしょうかね。きっと大丈夫のような気もしますが、絶対ダメ! とかいわれちゃうとやだなあ。 |
2009年10月24日 (土)
しゃべりすぎ? でも沈黙はいやだし...
ラッキープライベートレッスンに慣れて 私の通う英会話教室では、標準のクラスでは3~4名ないし7~8名までが同時にレッスンを受けます(クラスのタイプによって大きくふたパターン)。私は今人数の多いほうのパターンにいるのですが、対象者がそもそも少ないのか、この半年ほどはずっと講師と一対一でのレッスンが続いています。 本来は数名以上になるはずが、たまたま一対一になるのを「ラッキープライベート」などと呼んでいるようなのですが、私の場合この「ラッキー」がなかば常態化しています。 プライベートレッスンは、当然一般のレッスンよりも受講料が高く設定されているので、私の場合は非常にお得な状態にあるといえます。教室側としては、受講者の少ないクラスはまとめてしまいたいところでしょうが、人によって通える曜日に制約があるので、まとめるにも限度があります。 そんなわけで、同じ曜日にこのクラスを受講する人が現れるまで、しばらくの間はラッキー継続が期待できそう。 先週は3人でのレッスン 一対一でのレッスンは一人で話す分量も多くなりますし、なにより「私一人の理解度」で進行するので、大変内容が濃くなります。もちろんこれは良いことですが、同時にレッスン後にはぐったりとくたびれるのも事実です。 贅沢な悩みではありますが、たまには数名でのお気楽なレッスンが懐かしくなることもあるのです。 さて、先週のことですが、いつもの曜日に会社の歓迎会が入ってしまったために、レッスンの振替をしました。このためラッキープライベートではなく、生徒3名となりました。 振替は初めてではないので、他の二人も過去に何度かあったことのある人たちで気も楽です。 しゃべり過ぎかなあ 生徒が3人いたら、ちょうど3分の1ずつ話せれば理想的、とはいえ、これはそう簡単ではありません。 トピックによっては好き嫌いや関心の高低があり、毎回たくさん話せるとは限らないからです。どうしても、話す量や時間には差ができてしまいます。 今回は、結局私が話している時間がけっこう多くなってしまいました。3等分ではなくて、4割を超えるくらい、半分はなかったよな、といった感じ(でも、他の二人にしてみれば「半分くらいあの人がしゃべってたよね」という印象かも)。 自分一人がしゃべり過ぎるのは本意じゃないし、とはいえ、だれも話さずに気まずい沈黙が場を支配するのもちと困ります。やっぱりほら、ある程度リズム良く会話を進めること自体が、ひとつの訓練じゃないですか。 このあたりのバランスのとりかた、かなり難しいです。英語の会話に余裕を持って参加できるわけではないので、なかなかそこまでは気が回りません。 実際には、このあたりのコントロールを講師がうまい具合にやってくれるケースが多いので、助かります(というか、それができなければ務まらない、ということでしょう)。 場のコントロールは講師の責任でしょうから、生徒の側がそれを気にすることなど不要かもしれません。 ただ、実際の会話でも一人でしゃべるまくる人って、迷惑ですよね。話の内容がくだらないときなど、どうやってその場から逃れようかと、そればかり考え始めます。 なので、レッスンのなかでも適度にキャッチボールを成立させながら、それなりに訓練として満足度のある程度はしゃべるように努力はしています。ラッキープライベートが続くと、勘が鈍ってしまうのですけどね... |
2009年10月27日 (火)
電子ブックリーダー上陸の陰で、ひっそりとプリントアウトを読む
新しもの好きがこんなに多いなんて Amazonの電子ブックリーダー「Kindle」が日本も含む世界の多くの国々へ出荷され始めています。10月22日頃から、あちらこちらのブログで「到着!」という記事が読めるようになりました。 日本で買えるようになるまでかなりの時間がかかったこともあって、実は注目度は高かったのでしょうが、それにしてもこんなにもたくさんの「新しもの好き」がいるなんて、びっくりです。 英語読書派は大注目です、電子ブックリーダー(2009.10.10) 電子ブックリーダー上陸といっても、実際にはAmazon.comが日本にも出荷するようになった、というだけの話で、日本語の本はまだ読めません。 「Kindle」の価格は$259とのことで(出荷開始と前後して$20引き下げられました)、単純に3,000円程度のハードカバー洋書が$15内外で買えるとしても、「本の価格差で元を取る」には15冊ほどを読まねばなりません。この数、私の場合きっと1年近くかかります。 なので、かなり英語が堪能で小説などをたくさん読んでいるかたや、技術書や論文などを常に読んでいるかたを除けば、「一足先に電子ブックを体験しよう」という好奇心が強かったのではないかと思います。 Kindle祭りを横目に、プリントアウトで 以前にも紹介したかもしれませんが、私がたったひとつ購読している洋雑誌「Harvard Business Review」には、定期購読の料金設定のなかに「Premium Membership」というのがあります(今日現在で、1万5千円強です。円高さまさま)。紙の雑誌が不要なら「Online」ならばさらにお安く。 なんとこのコースだと、創刊以来の同誌に掲載された記事を検索してオンラインで読むことができるのです。すなわち、バックナンバーをフルで揃えているのと同じ状態。 記事はオンラインで読めるほか、プリントアウト用の表示もできて、だいたいA4サイズで6~12ページになります(ちなみに、雑誌と同じ体裁のPDFファイルも購入できますが、$6.50とか、ちと高いです)。 私は何かヒントになる論文が読みたいときにはここで検索をして、出てきた論文のサマリーを読んで良さそうなのをプリントアウトし、読んでいます。これだと通勤などで雑に扱っても惜しくないし、線を引くのもメモを書き入れるのも自由(雑誌のツルツルの紙質よりも書きやすいです)。 世間は電子ブックリーダーで盛り上がっていますが、私はプリントアウトした記事を目をこすりながら読んでいるというわけ。 ちなみに、さすがに一般誌と違って難しい語も多く使われていて、きちんと読もうとすると1ページに10分くらいかかっちゃいます。10ページの論文だと2時間近く、情報インプットの効率はかなりの低さです。やってはあきらめ、を繰り返している、英語速読の練習も本腰を入れなければなりません。 他にもあるオンラインのビジネスコンテンツ(しかも無料) オンラインで読めるものとして、他には著名なコンサルティングファームのマッキンゼーによる、「McKinsey Quarterly」という雑誌があります。雑誌といっても書店で扱っているのは見たことがなく(Amazon.comでは売ってます、毎号$30)、定期購読中心でしょう。 この雑誌ですが、一部(といっても感覚的には3分の1くらい)の記事が無料で登録できるメンバーでも読めるのです。しかも、プリントアウト向けには雑誌レイアウトのPDFファイルがダウンロードできるというサービスっぷり。 基本的にはマッキンゼーの営業ツールという位置づけなのでしょうけど、とにかく無料でもかなりの記事が読めるのは太っ腹です。 コンサルティングファームが刊行する論文集はこのように無料で公開されているものが多く、アクセンチュア(Accenture)やボストンコンサルティンググループ(BCG)などでも、多くの刊行物が無料で配布されています。 Harvard Business Reviewの論文は短くてもA4で6ページ程度はあるので、未だ中級コースの私にはちょっと骨が折れますが、こうしたコンサルの刊行物には2~4ページ程度の短いものもたくさんあります(多くは、実施した調査のサマリーなどですが、一応読み物としてまとまっています)。 ビジネスで使える英語を、というかたにとっては、リーディング教材の宝庫といえるかもしれませんね。 こうしたWEB上のコンテンツが、読みやすい(らしいですよ)電子ブックリーダーで簡単に読めるようになると、学習がもっと楽しくなります。10年も前には夢物語でしたが、どうやら近いうちに、実現しそうな感じ。なんかワクワクしませんか? |
2009年10月31日 (土)
savedとsaves
本日は小ネタなり 今日(10月31日)はハロウィーン。とはいっても、つい最近まで日本ではほとんどなじみのなかったものだけに、盛り上がっているのはショーウィンドウの飾り付けくらいでしょうか。 私の育った街には、七夕の日に子供たちが徒党を組んで「ロウソクをちょうだい」と言いながらお菓子をもらい歩く習慣があって、さながらハロウィーンの「Trick or Treat」のよう。初めて聞いたときには、西洋人が日本人の七夕の真似をしたんじゃないかと思っていました。 10月はいきなり台風が接近したりもしましたが、総じてお天気も良く、あちこちにでかけたかたも多いのではないでしょうか。 自宅に籠もって語学の勉強してる場合じゃ...とかいってちゃ、ダメですな。 お天気が良いから、というわけではないのですが、この週末は友人との食事会やらコンサートやらとちょっと忙しめ。今回は小ネタとなりますがご容赦ください(え、「毎度小ネタじゃないか」って? たしかに...)。 She saved me. タイトルを見てハテナマークが飛んだかもしれませんが、なんの仕掛けもなく、本日は過去形と現在形のお話です。 朝食を食べながら先週末に録画してあったテレビドラマを観ていたのですが、その中の台詞がかっこよかったので。 観ていたのは、「ターミネーター:サラ・コナー・クロニクル」です。 そんなのどこでやってたっけ? と番組表をめくっても載ってないと思います。ケーブルテレビやCS放送をご覧のかたにはおなじみの海外ドラマの専門チャンネルにて放送中。NHKさんごめんなさい。「アグリー・ベティ」や「魔術師マーリン」もちゃんと観てます。 このドラマの主人公(映画でもおなじみのジョン・コナーですね)が、未来から自分自身を守るために送り込んだロボット、キャメロンについてこういいます。 She saved me.(彼女は僕を助けてくれた。) これは過去形(あ、このロボットはシュワちゃんではなく、美少女型ターミネータなのです)。しかし、いま彼女はチップの故障によってジョンを殺そうとしています。 仲間は一時的に機能を停止した彼女を焼き滅ぼそうとしますが、ジョンが続けた台詞はこうです。 She saves me.(これからもだ。) いやー、この台詞を言い切ってから後のジョン・コナーのかっこいいこと。 このエピソードは同ドラマのシーズン2の幕開けですが、それまではまだ普通のティーンエージャーとしての弱さが見えていたジョンが、人類を救うリーダーとしての覚醒をした感じ。 現在形だけど未来 現在形は現在だけでなく、未来も表します。学校で習いましたよね。 たとえば、「太陽は東から昇る(The sun rises in the west.)」は、現在も未来も(この場合は過去も)不変の事柄を表していて、単に「今日は太陽が東から昇る」ということだけを示してはいません。 あるいは「I go to my office by train.(会社には電車で行きます)」も、毎日の習慣を表しています。いつもは自動車通勤だけど、今日は電車だよ、というのならば「I'll go to my office by train today.」なんて言えばいいですね。 なので、上記のジョンの台詞の前半は、機能不全に陥るまでキャメロンが自分を助けてくれた過去の話。そして後半は、これから先も助けてくれることはこの先も変わらない、という信念を表します。 さて、結局キャメロンが焼かれてしまったかどうかについては...ぜひドラマをご覧ください。このあとも印象深い台詞が続きます。 さすがにドラマの脚本は良く練ってあるんだなあ、というのが感じられます。こうした、工夫の凝らされた海外ドラマで英語を学ぼうというのは、やはり効果的だと思います。 とはいえ、いまの私が上記の過去形と現在形の意味を理解して、会話の中で生かせるかといえば、それはまた別問題。まだまだそんな余裕はありません。でもまあ、こうした2行の台詞からも英語表現の持つ意味合いが味わえるのだから、よしとしましょう。いつか使える日が来るかもしれません。 |